現代社会のキーワードはダイバーシティ

私が今更言うまでもないですが、現代はダイバーシティ(多様性)を受け入れることが当然の世の中になっています。若い世代ほどその傾向が強いと感じます。

いい学校出て、いい会社に勤めて、そこそこで結婚して車と家を買って、将来は孫と遊んで・・・みたいな人生を思い描いてる若者はもうほとんどいないでしょう。一部の大企業を除いて終身雇用も崩れています。ギグエコノミーなんて言葉も出てくるくらいです。

米国ではリベラルな思想を持つ人が増えています。リベラルとはともすると大きな政府による所得再分配を重視する社会主義的思想と見られることもありますが、あらゆる個人が自由に自分の生き方を選択できるように国家が支援すべきという発想が前提にあります。

そういう意味で私自身もややリベラル寄りだと自覚しています。20代の頃はもっとネオリベ的な思想を持っていましたが、それが生み出す社会の歪みを目の当たりにする中で考えも変わっていきました。

現代はとにかくダイバーシティを受け入れない組織、個人はちょっとダサいという風潮があります。ダイバーシティを受けれないこともダイバーシティであるという理屈は一般的には通用しないと思います。

生き方は人それぞれ。自分の生き方が正しいと正義感を振りかざしたり、他人の生き方を否定したりすべきではない。別に正解はなく、好きに自由にやればいいこと。

煉獄さんみたいに自分の命を犠牲にしてでも他者を守ることに価値を感じる人もいれば、とことん自分の快楽を追求することに価値を感じる人もいるでしょう。どっちでも問題ないし、周りがとやかく言うことでもないです。

ファクトを見極めることの重要性が増す

オピニオン(意見)は人それぞれあって当然。ビジネスでもなければ、他人のオピニオンにわざわざ反論するのは無駄なエネルギー消耗です。

まあ、そんな人もいるよな~、くらいに流すくらいが丁度いいと思います(ただ、それが行き過ぎると社会に対して過度に無関心になるなと危機感を抱く時もありますが・・)。

様々なオピニオンが共存する社会だからこそ、ファクト(事実)の見極めが重要になります。ファクトには正解があります。

ファクトをオピニオンと見誤って、「そういうファクトもあるのか、ふ~ん、俺と違う考えだなあ」と流すのは避けたいところ。ファクトはしっかり追及した方がいいです。

じゃあ、ファクトって何なのか?

これって意外に難しいところです。真実なんてこの世にあるのでしょうか。

個人的な考えですが、ファクトとは自然科学もしくは法律です。

この2つに即した議論にはファクトがあると言っていいでしょう。

自然科学はこれまでの実験、研究によって得られた自然界の法則、規則です。それに外れていればファクトとは言えません。

法律は人間が社会秩序を維持するために作った規則です。これも条文、判例が明確にある以上そこから逸脱していればファクトとは言えません。

両者とも絶対のファクトではない点には注意が必要です。自然科学は新たな発見によって、法律は政治によってファクトが変わることがあり得ます。

結婚とは法律である

結婚した方が幸せかどうか。これは人それぞれであって正解はありません。

家族を持って幸福を感じている人は「結婚はいいよ」と言うでしょうし、結婚生活がうまく行かず離婚後の方が幸福感が増した人は「結婚はそんなに良いものではないよ」と言うでしょう。

それぞれの立場でのポジショントークがあるだけです。

ただし、結婚とは何か、という議論には答えがあります。なぜなら、結婚とは法律だからです。条文というファクトがあります。もっというと、結婚とは金融契約です。お金の話です、ぶっちゃけると。

結婚を愛の契約と思うのは自由ですが、法的には金融契約です。それがファクト。

そのファクトはしっかり抑えておいたほういいです。ファクトを知ったうえで、自分なりのオピニオンを持たないと判断を誤る可能性があります。

好きな女の子に勢いで告白するのは賛成ですが、勢いで婚姻届を出すのはちょっと反対です。結婚という法律、ファクトをきちんと知っておいた方がいいです。

法律の条文を読むのは普通は無理なので、その道の詳しい人、書籍に頼るのが一番です。それは自然科学も同じ。論文読むなんて普通は無理だし。

つまり、ファクトを見極めるにはその議論が科学的か法律的かを考えれば十分だと思います。実際に科学、法律を知らなくても、書籍等で識者に頼れば問題ないです。

結婚という法律、金融契約の中身を知りたいならこの本がオススメです。金融日記の藤沢数希さんの書籍です。

結婚とは「所得連動型の債券」という金融商品、結婚の相手選びは株式投資と同じある、と藤沢氏は言っています。読めば投資家のあなたならスッと内容が頭に入ると思います。

もちろん、これは結婚の法的側面(つまりファクト)にフォーカスした表現です。実際に結婚相手を株の銘柄のように金銭リターンだけで選ぶことはないでしょう。

ただ、こうやって感情を抜き取って客観的なファクトの要素だけを抽出した「結婚」を知っておくことも大切かなと個人的には思います。

ちなみに、タイトルがなかなか強烈なので、この本を彼女や奥さんが見える場所に置かない方がいいです。私は過去それをやってしまって、当時の彼女に「なにこの本! 結婚する気ないの?」と追及されたことがあります。

引っ越しを機にほとんどの本を捨てましたが、この本は捨てずに持ってきました。ただし、本棚の奥の方の見えない場所に鎮座しております。この本を再び熟読する時が来ないことを願います。願うというか努力します。

損する結婚 儲かる離婚(新潮新書)