アンドレス・イニエスタ(34歳)がバルセロナからヴィッセル神戸に移籍しました。年俸はなんと33億円!

Jリーガーの平均年俸(J1のみ)は約2000万円と言われますから、33億円という金額は目ん玉飛び出る額であることが分かります。

この前、移籍後初の試合がありイニエスタはベンチスタートで後半14分から途中出場しました。惜しくもゴールはありませんでしたが、バルセロナ時代と変わらない吸い付くようなボールタッチで観客を魅了してくれました。にしても、年俸33億円の選手をベンチスタートとは贅沢やな~と思いましたw。

仕事から帰宅してぼけ~っとスポーツニュース観てたんですけど、その中でセルジオ越後さんがイニエスタの移籍のことを「オーナー移籍」と表現してました。

どういう意味かというと、三木谷さんという絶対的オーナーがいたから実現した移籍ということです。三木谷夫妻は楽天の発行済み株式の20%超を保有する大株主です。20%ですから完全オーナー企業とまでは言えませんが、それだけ株を持っていれば発言力はかなりあります。あと今も代表権のあるCEOですしね、三木谷さんは。

普通の雇われ社長がいる企業ではイニエスタ移籍は実現できなかったでしょう。年俸33億円の経済合理性を説明して、取締役会で合意を得るのは困難かと。まあ社長がやると言えばどこの会社もGOサインは出るものですが、どれだけ業績に貢献するかわからない支出を33億円も出すのはなかなか出来る決断じゃないです。

イニエスタへの投資が楽天の株主利益にプラスなのかマイナスなのか、今はまだはっきりとはわかりません(マイナスの可能性が高いと思うけど)。バルセロナ契約期間満了のタイミングだったので移籍金はゼロですし、イニエスタの実績とブランド力を考えたら年俸33億円はそんなにおかしいとも思いません。

34歳のイニエスタが活躍してくれるかどうかはもちろんリスクですが、ただ活躍するだけじゃ33億円の投資はペイできません。観客動員数が増える、グッズが売れる、楽天ブランド価値の向上という見えない価値、などで経済的な効果がないと楽天株主は損します。

こんな感じでカネ計算ばかりしてると、がめつい奴と思われるかもしれませんが、楽天は上場企業ですから株主利益を向上させることが求められます。既存株主を損させるようなお金の使い方はダメです。それは不特定多数の株主を抱える上場企業の責務です。

オーナー企業はこういうリスクがあります。既存株主の利益を無視して、オーナーの一存で派手で世間の注目を浴びる事に株主のお金をぶん投げるリスクがあります。いや、別に既存株主の利益を無視しているわけじゃないとは思うんですが(もしそういう意図があるなら会社法違反だし)、う~ん難しい。年俸33億円の経済合理性を説明するのは難しい・・。

日本のサッカー市場の規模で一人の選手に33億円を投資する経済的意義があるのかは大変疑問です。ヴィッセル神戸の2017年の年間クラブ収入は40億円弱ですよ・・(ちなみに収入の大半は入場料ではなく広告収入)。イニエスタに給料払っただけで、売上高の8割以上が吹っ飛ぶ計算です。イニエスタ効果で収入は伸びるでしょうが、とは言えね~。

うーん、まあロマンですかね!
ケチケチ金を口座にため込むくらいならドカンと好きなことに使った方が気持ちいいですね。いやいやいや、やっぱり楽天は上場企業だから、そんな安易なお金の使い方はダメか、、。

ま、イニエスタが日本に来てくれるのは素直に嬉しいです!
一度でいいから試合観たいな。