たくさん配当が欲しいけど減配は避けたい

コロナ禍の中アマゾン・ドットコム(AMZN)、フェイスブック(FB)の株価が好調ですが、私はどうも買う気にならないですねえ。無配だからです。仮に将来を見込んで無配企業を1社選ぶならテスラ(TSLA)がいいかな。今年ちょっと電気自動車の勉強をして、テスラが有望に見えるにようになりました。

私は基本は有配銘柄にしか投資しません。その中でも、配当利回りが高い銘柄が好みです。最近は配当成長も意識してアップルやマイクロソフトなど比較的低利回りな銘柄も買ってますが、ポートフォリオ全体の平均利回りはS&P500指数の2倍はあると思います。

配当は税金がかかるからキャピタルゲインより損というのはその通りなのですが、それでもやっぱり実際にキャッシュが振り込まれるのが嬉しいんですよね。感情論です。

投資を始めたばかりの頃は年間配当1~3万円くらいでどうでもいい存在でしたが、今では年100万円に届きそうです。一切働かなくても100万円が勝手に振り込まれるんですよー。素晴らしい。

ただし、保有銘柄で減配が起こってしまうと配当が減ってしまいます。高利回りな銘柄を買うにしても減配リスクの高い銘柄はできるだけ避けたいところ。

今回のコロナショックではS&P500構成企業のうち約50社が減配ないし無配、一時停止となっています。大手では(S&P500構成企業ではないけど)ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS.B)が配当を2/3カットしました。同じくエネルギーセクターのシュルンベルジェ(SLB)は配当を3/4カットしました。ボーイング(BA)、ウォルトディズニー(DIS)は配当を一時停止すると発表しています。

私はSLBに投資していたので残念です。株価が下がり過ぎて塩漬け状態になっています。

VIGとDGRWの中から高配当銘柄を抽出する

インカム目的の投資家にとって減配は辛いものです。たくさん配当が欲しいけど、減配は避けたい。もっと欲を言うと増配率が高い銘柄がいい。そんな美味しい銘柄を見つけて投資したいところ。

どうやって見つけるか?

今週のバロンズが参考になります。「本誌が着目する配当株8銘柄」という記事がバロンズにありました。バロンズの配当株の選び方はバンガード米国増配株式ETF(VIG)とウィズダムツリー米国増配株クオリティ配当成長ファンド(DGRW)の構成銘柄から選ぶというものです。

両者とも配当株に目星を付けるためのETFとして良質だと思います。配当株を選ぶとなると高配当ETFに着目しがちですが、配当の安全性という点でやや懸念がります。たとえば私が保有しているHDVは、やや利回りを重視し過ぎている傾向があり相対的に減配銘柄を掴みやすいです。

VIGやDGRWは利回りを意識しつつも、配当成長力をより重視して銘柄を選出しています。VIGは連続増配10年以上の銘柄に限定しており、DGRWはより定性的な要因も加味して銘柄を選別しています(その分経費率は高いが)。

VIG、DGRWに含まれる高配当銘柄は減配リスクが低めと判断できるかと思います。というわけで、両ETFの上位銘柄とその配当利回り(2020年5月21日時点)を紹介します。

VIG

ティッカー 企業名 配当利回り
WMT ウォルマート 1.7%
MSFT マイクロソフト 1.1%
JNJ ジョンソンエンドジョンソン 2.7%
V ビザ 0.6%
PG プロクター&ギャンブル 2.8%
UNH ユナイテッドヘルス 1.5%
HD ホームデポ 2.5%
DIS ウォルトディズニー 1.5%
PEP ペプシコ 3.1%
CMCSA コムキャスト 2.4%
ORCL オラクル 1.8%
ABT アボットラボラトリーズ 1.6%
BMY ブリストルマイヤーズスクイブ 2.9%
MCD マクドナルド 2.7%
COST コストコホールセール 0.9%

DGRW

ティッカー 企業名 配当利回り
MSFT マイクロソフト 1.1%
VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 4.5%
AAPL アップル 1.0%
PG プロクター&ギャンブル 2.8%
MRK メルク 3.2%
PEP ペプシコ 3.1%
MO アルトリアグループ 8.9%
INTC インテル 2.1%
UNH ユナイテッドヘルス 1.5%
BMY ブリストルマイヤーズスクイブ 2.9%
GILD ギリアドサイエンシズ 3.7%
CMCSA コムキャスト 2.4%
AMGN アムジェン 2.8%
LLY イーライリリー 1.9%
MMM スリーエム 3.9%

配当利回り2%台後半以上をチョイス

上記の中から利回り2%台後半以上の銘柄を列挙してみます。

ジョンソンエンドジョンソン(2.7%)
プロクター&ギャンブル(2.8%)
ペプシコ(3.1%)
ブリストルマイヤーズスクイブ(2.9%)
マクドナルド(2.7%)
ベライゾン・コミュニケーションズ(4.5%)
メルク(3.2%)
アルトリアグループ(8.9%)
ギリアドサイエンシズ(3.7%)
アムジェン(2.8%)
スリーエム(3.9%)

これらが高配当かつ減配リスクの低い銘柄と言えそうです。もちろん、絶対に減配がないと断言ができるわけではないです。あくまで参考。タバコ会社のアルトリアは利回りが9%近くまで上昇しており、やや減配を心配してしまう水準ですし。

全体的に眺めるとやはりディフェンシブと言われる生活必需品、ヘルスケアセクターが多いですね。ハイテクセクターは1社もありません。高利回りにこだわり過ぎると市場を牽引するハイテク株の割合が小さくなり、少なくともこの10年はパフォーマンスが悪化するという弊害がありました。

配当利回り、配当安全性、配当成長力のいい塩梅を見つけることがインカム投資家には求められますね。いくら配当が欲しいとは言え、減配や多額の含み損を抱えてしまっては本末転倒なので。上で紹介した高配当銘柄は比較的安全かなと思います。

ちなみに・・

ちなみに、バロンズの「本誌が着目する配当株8銘柄」は以下でした。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
プロクター&ギャンブル(PG)
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)
マクドナルド(MCD)
コムキャスト(CMCSA)
メドトロニック(MDT)
メルク(MRK)
ペプシコ(PEP)