バリュー株投資、グロース株投資とはよく言われる言葉ですがその定義は曖昧です。
敢えて定義を言うとしたら配当の有無があると思います。
利益、キャッシュともに成長段階の企業は無配であることが珍しくないです。これらはグロース株と言えると思います。
一方で利益成長が成熟してくると、過度な追加投資に見合うキャッシュが得られなくなる時が訪れます。その時初めて企業は配当を出し始めますし、場合によっては自社株買いも行います。このように有配で積極的な株主還元を行っている銘柄はバリュー株と呼んでいいと思っています。
アップルはバリュー兼グロース
アップルは数年前まで無配の成長株でしたが、ここ数年は配当も出しているし自社株買いも積極的になっており、アップルはグロース株からバリュー株へ変わったという記事を以前書きました。
参考記事
バフェット銘柄のアップル(AAPL)はバリュー銘柄だ! アップルは買いだ!
【AAPL銘柄分析】アップルは長期投資にふさわしい黄金バフェット銘柄だ!
これはアップルの株主還元の状況をグラフにしたものです。
2011年度まで無配で自社株買いもほぼゼロでしたが、2012年度から配当を出しはじめ自社株買いも積極的で総還元性向は100%を超えています。
最近やはりアップル株への認識に間違いはなかったなと思ったことがありました。
バロンズの記事です。
バロンズによれば、現在アップルはグロース株ETFにもバリュー株ETFにも含まれているということです。
アップルは現在も時価総額が世界最大の企業であり、調査会社のXTFによれば、15本のグロースETFの構成銘柄であると同時に、8本のバリューETFにも含まれている。
(バロンズより)
バリュー株とグロース株とを分ける意味はないのかもしれませんが、アップルは上述の通り積極的な株主還元を開始しておりPERも13倍程度なので、どちらかと言われれば私はバリュー株だと答えます。
グーグルやフェイスブック、アマゾンなどは無配でPERも高めのグロース株という印象ですね。
さてこのことからアップルに対する投資判断として私が今思っていることは、「もはや急いでアップル株を買う必要はない」ということです。最近株価も切りあがってきていますしね。
もう利益の100%を株主に還元するようなお金の使い方をしている以上、アップル株でモメンタム投資戦略で一気に儲けるという手法は無理です。
バリュー株投資戦略としてゆっくり配当再投資を続けて長期で儲けるという方法でしかアップル株は使えないと思います。それは成熟企業としての宿命です。
でもバロンズが記事にしている通り、アップルはまだ完全にグロース株からバリュー株への脱皮ができていない状態です。要は中途半端な状態です。
米国にはコカ・コーラやフィリップモリスなどバリュー株投資戦略に適した超優良企業がゴロゴロあるのに敢えて半端なアップルに投資しなくてもいいのではないかなと、今は考えています。
最も儲かる投資方法は、将来優良バリュー株に変身するグロース株を初期の段階から保有しておくことです。ただそれは一般の個人投資家にはなかなか難しい投資法です。それはシリコンバレーのベンチャーキャピタルが万に一つの確率で成し遂げられる投資です。
別に私はグロース株投資戦略を否定する気は毛頭ありません。むしろグロース株を積極果敢に買う人の方が当たった時の儲けは大きいし、そういう人の方が長期投資家よりもよっぽど株式投資について勉強熱心な人が多いと思っています。バリュー株長期投資はよほど商品選択・銘柄選択を誤らなければ不勉強でも儲かりますから、時間はかかりますが。
グロース株戦略を否定する気はないし、むしろ1度くらいチャレンジしてみたいくらいです。
要は人それぞれ、投資戦略が違うだけです。バリュー株投資もグロース株投資も戦略が違うだけであって貴賤はありません。
ただ投資戦略ははっきりさせたほうがいいと思います。何事も中途半端が一番いけません。
長期バリュー株投資なら成熟優良企業に分散投資でホールドし続ける。中長期グロース株投資なら将来有望な成長株を集中投資でホールドする。短期投資なら相場を見極めて他者を出し抜いて利ザヤを稼ぐ。
どれも立派な投資戦略です。
アップルはグロース株戦略で使うべきか、バリュー株戦略で使うべきか中途半端だと感じています。
先ほど言いましたが、私はどちらかと言うとアップルはバリュー株だと思っていますけど。
マイクロソフトは連続増配年数が12年にもなる正真正銘のバリュー銘柄ですが、今のマイクロソフトくらい株主還元実績を確認してからアップル株を買っても全く遅くはないと思います。
アップルはやや割安気味で「買い」だと心の中で思っているところはありますが、ここはグッと我慢しようと思います。
でもアップル株いいよね!!バフェットも買ったし。iPhone7欲しいな。
Hiro様、こんにちは。
最初の記事から読み始めて、だいぶ追い付いてきました。高いIQの方が投資を真面目に実践すると短期間でこんなに成長できるんだ❗と感服致しました。とても勉強させて頂いております。有り難うございます。
以下は、そんなオッサンもいるんだ、くらいに聞き流して下さいませ(笑)Hiro様が今の勢いで高配当·生活必需品セクターのETFやXO·KO·JNJ·PG·などを買い増し続けますと、そのうち配当金、分配金が生活コストを上回る時が来ると思います。年も取って「そろそろリスクを下げたいなぁ、債権やREITも買おうかなぁ」
なんて思ったときに、「あれ?売るものがない」なんてことになるかも知れません。もしそんな時が来たら助かるのが、グロース株を利益確定したり、低PER·高ROEの株(アップルみたいな)を利食いする事かもしれませんね。
まぁ、今みたいにドル高っぽい時にわざわざ仕込むこともないとおもいますが···。
マッキー様
多くの記事あるにも関わらず、貴重なお時間を割いて読んで頂きありがとうございます。
それほど成長できている気はしておりませんが、投資の方針や投資銘柄はここ1年で確かに大きく変わってきました。
自分で勉強するだけでなく、ブログを通じて多くの読者の方にアドバイス頂いたり情報を提供して頂いたりしており感謝の念に堪えません。
貴重なアドバイスありがとうございます。
私は自分の投資方針が完璧だ!とは思っていないです。
というか、、思わないように意識的に気を付けています。
もう30になりましたが、特に20代前半の頃の自分と言動の反省点としてとにかく客観力がありませんでした。
正直に言いますが、20代前半の頃は仕事でもちょっと自信過剰というか自分が優秀だと勘違いしていました。
「余裕で最年少で会計士試験も受かったし、マジ俺って超優秀」みたいな勘違いなことを本気で思っていました。
もちろん実際に仕事をしていくなかで、そんなちんけなプライドは一切消えましたが。
過去の学業成績や資格と仕事とは全く関係ないです。
仕事で大切なことは、どれだけ人の役に立てることを真剣に追求するかだと今は思っています。
それを前提として、専門知識や学業で学んだことが活かせるかどうかです。
専門知識や資格それ自体には全く意味はないです。
それが社会の誰かの役に立ててはじめて社会性が生まれます。
投資も最初は山崎元さんや梅屋敷~で有名なブロガーさんに影響されてインデックス投資からスタートしました。
この時も、インデックス投資で世界分散投資こそ最強!、これ以外の投資やっている馬鹿だろくらいに思っていました。
本気で思っていました。
米国の個別株に投資している人とかアホちゃうかって思っていたクソ生意気な若者でした。
ですが、皮肉なことに今はご存知の通り私は所謂インデックス投資は捨てて米国の個別株を中心に投資しているわけです。
人は自分にとって都合の良い情報しか吸収しないって、ある程度真実かなって思います。
今の私なら、米国株の配当戦略について書かれた書籍やWSJ記事はほぼ間違いなく目を通しますし。
でもそうやって盲目的になり過ぎて、客観的に自分を見ることを忘れて失敗してきた経験があります。
なので、マッキー様のように経験豊富な先輩から別の観点で投資アドバイスを頂けるのは素直にありがたく思います。
おっしゃっていることは、実は私も悩むときがあります。
結局ずーーと売らずにそのまま米国株という遺産を残してあの世に逝っちゃう気がします。
私が高配当株に拘っている理由は最終のトータルリターンの最大化もあるのですが、とにかくキャッシュフローを作りたいという感情的な面もあります。
投資方針の一貫性も大事かもしれませんが、自分の投資法に固執せず客観的に検証することも大事ですよね。
いろいろチャレンジはしてみたいと思っています。
コメントありがとうございました!
Hiro様、こんにちは。
丁寧な返信を有り難うございます。
「とにかくキャッシュフローを作りたい」
これは非常に大切な事だと思います。多くの人々は給与所得のみに依存していますが、人間いつかは働けなくなる時が来ます。年金も諸説ありますが、どのぐらい減るかわかりません。そんな先ではなく、縁起でもありませんが、怪我や病気、リストラや倒産、イノベーションで仕事の数自体が減るなんてこともあるかも知れません。
そんな時に助かるのが、不労所得からのキャッシュフローです。
「別に焦って働く必要も無いし、失業保険目一杯もらっちゃえ!」
もうちょっと不労所得が増えると
「別に働いても働かなくても、どっちでもいいし」(経済的自由)
など、選択肢が増えると生活に安心感が生まれて心に余裕ができます。収入で資産を買い続ける人は豊かになりますねぇ、まぁリスクはありますが···。収入でガラクタ(自家用車やマイホーム)を買って喜んでいる人ほど資産を買わないのが、この年(私は来年50歳になるITオンチのアナログなオッサン)になってもいまだに理解できません。
私もHiro様みたいにフルインベストしたーい(笑)
でも、そうしたら女房、子供にフルボッコされそうなので、現状は虫捕り小僧さん(インデックス投資家)と同じ感じで半分リスク資産で半分キャッシュにしております。積立投信とNISA、ジュニアNISA枠以外は1ドル105円を越える円高にならない限り、新規の資金投入は厳禁になっております(泣)
Hiro様が羨ましい~。(笑)
マッキー様
こちらこそ、お忙しいところご丁寧に返信頂きありがとうございます。
私は将来の老後の心配に備えてというより、、どちらかというと経済的自由を得たい気持ちが強いですね。
で、それで仕事を引退して悠悠自適に過ごしたいかと言われれば、実はそれはNOなんです。
逆説的ですが、経済的自由を確保できたら、そこから今まで以上に仕事に打ち込みたいです。
もしサラリーマンの仕事を辞めることになれば、ネットを活用してもっと世の中に情報発信して、あるいは役に立つサイトとか作って事業運営してみたいです。
なんか、株式投資の不労所得ってとてもありがたいのですが、所詮他力だろうという思いがあります。
まあだからこそ、株式投資の収益率にそれほど期待できないわけですが。
自分の腕一本で不労所得を得られる「資産」を構築できるくらいになれるのが理想です。
とは言え、当面は株式投資をコツコツ続けていきます。
>収入でガラクタ(自家用車やマイホーム)を買って喜んでいる人ほど資産を買わないの・・
これは私も同意ですね。
何を優先するかは人それぞれですが、支出を固定化してまで新築の家や車を買いたいとは全く思わないです。
家や車が要らない・欲しくないというより、固定費が増えるのが単純に嫌です。
なるべく人生自由に過ごしたいという気持ちが強いです。
一方で、固定的な支出を過度に避けていると人生の楽しみを逃すことになるんじゃないかって思いもあります。
そう考えると、世の中結構平等にうまく出来ているなあと思うこともありますね。
私にとって家より車より何より、「結婚=固定的な支出」とどうしても思ってしまいます。←最低な発言ですね、女性読者に嫌われてしまうww。
なるべく友達以上彼女未満の関係でふわっとしておきたいと考えてしまう最低な男です、、私は。
でも、そうやって固定的な関係を避け続けると、いつか後悔することもあるんだと思います。
それは覚悟の上ですね。
人生リソースは有限ですからすべて両者総取りしようなんて、うまい話はないと思っています。
私は確かに好きなだけフルインベストできる環境にいますが、それと引き換えに大切な別の何かを犠牲にしているのかもしれません。
最近円安が進んでいますね~。
105円は遠そうですね。。
奥様が為替で夫の投資を制限するなんて、奥様の金融リテラシーの高さに驚きます!