株式投資を始めて6年、ブログを始めて3年。これまで多くの米国企業、欧州企業の財務諸表を見てきました。まだ素人投資家の域を出ていませんが、少しずつ知識が増えてきて投資のことを考えるのが楽しくなってきました。これからも地道に勉強を続けていきたいです。

100社以上の財務データを見てきてわかったことの一つに、欧州企業は米国企業に比べて自社株買いが少ないという事実があります。

株主還元には配当と自社株買いの2つがあります。配当は既存株主へ現金を送ること。自社株買いは市場から自社株を買い上げて、発行済み株式数を減らしてEPS・DPSを上昇させ既存株主の取り分を増やします。

どっちが良い悪いをここで議論するつもりはないのですが、欧州企業は自社株買いが少なく配当が多い傾向があります。すべての企業をリサーチしているわけじゃありませんが、明らかにその傾向が見られます。

それを裏付けるデータがまた一つ追加されました。ネスレです。ネスレはスイスに本社を置く世界最大の食品・飲料メーカーです。ネスレの銘柄分析をしていたのですが、やっぱり自社株買いが少ないです。

FY13とFY14にちょこっと自社株買いしていますが、FY15からFY17までは全く実施していません。すべて配当で株主に還元しています。最近はアクティビティストの要求で自社株買いを増やす方針を表明しているので、今後自社株買いが増える可能性はあります。ただ、そういった外部圧力がなければ、ネスレ経営陣は自ら自社株買いを行うという選択は取っていません。

FY13~FY17(5年間)のネスレの株主還元の構成比(配当と自社株買いの割合)を出してみました。

株主還元の94%が配当でした。

同業ペプシコの比率を算出しました。

配当と自社株買いが半々くらいです。こんなもんです。特にペプシコの自社株買い比率が高いとは思いません。米国企業はどこもこんなもんです。ペプシコは米国企業平均くらいだと思います。

別に自社株買いが多いから良い悪いってわけじゃないです。自社株買いには一長一短あります。まー私は個人的には配当で還元してくれる企業の方が好みではあります。

配当重視の欧州企業は魅力的に見えます。コカ・コーラ、ペプシコへの投資は今後も続けていきますが、ネスレも欲しいな~と思いました。あれも欲しいこれも欲しいと思って買い過ぎると、ポートフォリオが汚くなるので自重せねばと思っていますが・・。

それにしても欧州企業の経営者が自社株買いを好んで実施しない理由がわからんです。ストックオプション等の株式報酬を付与された経営者には、「自社株買いをして株価を上げたい!」というインセンティブが働きます。それが米国企業の自社株買いが多い理由の一つだと考えています。

欧州企業のCEOもストックオプションを付与されているはずです。なのになんで、自社株買いに消極的なんだろうか。う~ん、わからん。。今後の宿題にさせて下さい。

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