株価のトレンド、過去のパターンとの類似点などから今後の株価を予測する所謂テクニカル分析というものには興味はありません。それよりかは財務諸表分析の方を重んじています。

ただ、過去と現在の株価チャート自体はすっごく重視しています。財務データと同じくらいに。

今は便利な時代でネット上に過去の株価チャート、株主リターン(配当込み)を見れるツールが色々ありますから、使い倒さない理由はありません。

チャートを見る視点として二つあります。
過去:これまでの株主リターンは高いか?
現在:今のマーケット評価はどうか?

過去のチャート

過去のチャートは株価推移だけではなく配当も含めたトータルリターンの推移を見ます。具体的にはPortfolio VisualizerのBacktest Portfolio機能を使います。

もうこれだけで十分といえるクオリティ。こんなの無料で使っていいのが不思議なくらいです。こういう分析ツールや情報が豊富なのが米株をやるメリットの一つです。

過去30年で株主に富を残せなかった企業が、今後30年で株主をお金持ちにしてくれる企業に大変貌するでしょうか?

可能性はゼロではないですが、敢えてその希望に賭ける意味はないと思います。ネット証券で取り扱いのある銘柄であれば何でも自由に投資できるわけですから。

やはり、過去の株主リターンが高い銘柄がこれからも優秀な成績を残すと考えるのが自然です。

もし過去の株主リターンが低い銘柄に長期投資するなら、なぜその企業が突然優等生に変わるのか、相当突っ込んで検証して確信を得ないと怖くて投資できません。

数年前に読者さんにこのサイトを紹介頂いたのですが、それ以降銘柄のスクリーニング方法が変わりました。

私はいま石油開発支援企業のシュルンベルジェ(SLB)の株を保有しているのですが、Portfolio Visualizerにもっと早く出会っていれば、恐らくSLBは買ってないです。

SLBの1991年~2020年の30年間の株主リターンは年率3.7%しかありません。配当込みで。長期的に保有できる銘柄ではないと判断し、今は売却を検討中。最近、値上がってるんで売却タイミングを見計らっちゃうんですけどね(そういう所がダメなんだろうな)。

途中上下しながらも株価は右肩上がりで上がっているか。結果として、利益、配当も増加し続けているか。個別株を買うなら、過去の株価チャート(というか株主リターンの推移)は絶対に見た方がいいです。

現在のチャート

現在の株価チャートも見る価値があります。株価とはつまりマーケットの評価なわけで、それを無視して投資判断するのは危険です。

同業他社よりも株価が有意に下がっているなら、「何か悪い事態が起こっているのでは?」と先ず疑います。おっしゃ割安や!と安易に飛びつかないです(昔はよく飛びついてましたw)。

株式市場は金を巡って日々静かなる争いが起こっている場所。ファンドマネージャーは頭のいい人ばかりです。たくさんの優秀な人が真剣に値付け合戦をしてるわけで、その結果たる株価が意味するところは大きいです。

特にコロナ禍の今はより株価を大切にしています。コロナ前と後とでいくらか資本主義ゲームのルールは変わるでしょう。その新世界の勝ち組企業をマーケットは見定めています。

もう勝ち組企業のあぶり出しは終わっているでしょうか。マーケットは将来を見ていますから。

いま新しい個別銘柄を検討するとしたら、私ならコロナ前の高値を更新していない銘柄には手を出しません

欧米では夏までに半数以上がワクチンを接種できる可能性が濃厚です。低金利を利用した政府の財政支援も手厚いです。特に米国は。アフターコロナに向けて、経済が再始動することをマーケットはすでに織り込んでいます。

NYダウ、S&P500指数、ナスダックすべて高値更新しました。長期金利も上がってきましたね。

この今の経済環境において、コロナ前の高値を更新できていないということは、何か問題があるとマーケットが判断しているということです。これから10年保有する銘柄を選ぶうえで、そのような「負け組」に敢えて投資する理由はないと考えています。

ルールチェンジが起こった今こそ、順張りの発想が大切だと思ってます。今の高値が今後10年の底値、かもしれない。

景気が回復する局面、一般消費財セクターは強いと思われ注目しています。

ザ・ノース・フェイスなどを持つ大手アパレルのVFコーポレーション(VFC)が以前から気になってましたが、結局投資は見送りました。株価がコロナ前の高値を突き抜け切れていないからです。

今年、新規に投資したスターバックス(SBUX)、ホームデポ(HD)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、コムキャスト(CMCSA)はすべてコロナ前の高値を更新済みです。

最高値圏にある銘柄は当然に割安ではないのですが、ほどほどの価格であれば良しとしています。PERなどバリュエーションを無視しているわけでは決してありません。