米国株投資を初めて2年半。まだまだ少ない経験値ですが、これまで自分なりに考え続けてきました。長期投資で卓越したリターンを上げるには、どんな銘柄をチョイスすればいいのか考えてきました。バフェット先生やシーゲル先生の書籍などを読んで勉強させて頂き、かつ自分の頭に汗かいて考えてきたつもりです。
最近、一つの結論にたどり着きました。
『株式投資の未来』の副題です。ここにすべてが詰まっているように思います。『株式投資の未来』を読んだことありますか?、覚えてます、副題が何だったか?
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永続する会社が本当の利益をもたらす
これすっごく大切なこと言ってるな~と気付きました。英語版の副題をそのまま直訳したのかどうか知りませんが、考え抜かれた題名です。
短期トレードの成績はマーケットの感情で決まりますが、長期での投資リターンは経済学で決まります。最後は数字です。いかに「投資額当たりの利益・配当」を最大化するかがポイントです。
私は毎月投資する時に、この銘柄の長期的な「投資額当たりの利益・配当」はどうなるかな~とイメージします。
青と橙でどちらの面積の方が大きくなりそうかな~って考えます。これはただの例です。青色が景気安定株、橙色が景気循環銘株をイメージして描きました。
どっちが大きいのかぱっと見じゃわかませんよね。
じゃあ、もし橙色のグラフがこうなっていたらどうでしょう?
右半分を消しました。
こうなると青色の方が面積が大きいのは明らかですよね。
ここが一番大切なポイントなんじゃないかって思います。どういう線形を描くともっとも面積が最大化されるのか考えるのも大事ですが、そもそも途中でプツンと線が途切れてしまえば面積が(相対的に)小さくなるのは不可避です。途中で線が途切れるって要するに倒産するということです。
企業が永続しさえすれば、面積は勝手に大きくなっていくのでないでしょうか。
50年、100年と利益を上げ続けて存続できる会社なんてほんのごく一部です。ましてや、現代はテクノロジーの進化が早く、社会環境や人々のニーズがドンドン変化する時代です。そんな時代にあって、これから50年元気に生き続けることができる企業は限られると思います。
さらに言えば、人は企業が遠い将来に生み出す利益を過小評価する傾向にあります。50年後の利益は現在価値に割り引いてもそれなりにインパクトがあるにもかかわらず、ほとんど評価されていない可能性があり、それが永続する会社の株価を割安にしている可能性があります。
景気安定株か景気循環株かはあまり本質ではありません。「投資額当たりの利益・配当」を最大化することが(経済的な)投資目的であって、そのために最優先に追求すべきことは「この会社は永続する会社なのかどうか」という点ではないでしょうか?
永続する会社は上のグラフで言えば、横軸(時間)がずっと横に伸びるわけです。必然的に総面積も大きくなります。
あなたが投資してる企業は永続する会社でしょうか?
きちんと利益を出して株主還元を続けながら永続できる会社に投資していれば、S&P500指数のリターンを超えることができるはず、、僕はそう思います。
人間のDNAは原始時代から変わっていないと言います。
そのため、3大欲求のサービスを提供する会社は永続するでしょうね。
ピーター・ドラッカーは「すでに起こった未来を探せ」と言っています。
人口動態や産業構造、組織構造の変化から、それを見出せると言っています。
ですが、私にはなんだか難しいです・・。
確信を持って言えるのは、50年後も人は今と変わらずご飯を食べ、余暇を楽しみ、そして夜は寝るということです。
そこは「すでに起こった未来」として私でも確信を持って言えます。
永続する会社……。第一次産業とか食に関わる企業とかでしょうか。永続はせずとも儲かりそうなのは、第四、五次産業系の企業な気がしますがw
ディフェンシブの記事の時にも思いましたが、青グラフを期待するなら、VOOやVTI、もっと言うならVTがド安定なんですかね~
そうですね、S&P500などのインデックスがド安定なのはその通りだと思います。
世界経済を代表する優良大企業が中心で、永続すると思われる会社ばかりですから。
S&P500企業すべてが完ぺきではないから、個別銘柄で永続する優良株だけをピック出来ればS&P500を超えるリターンも可能性としては十分ありますが、そういった銘柄をすべて適切に選別できるかは分かりません。
先日WSJに面白い記事があって、21世紀に入ってから生産性が伸びているのは一部の最大手企業だけというものです。製造業、サービス業かかわらずです。
そういった一流企業にも簡単にネットでアクセスできるのが株式投資の良いところです。
長期では経済界を牽引する大手企業に投資した方が報われる可能性は高そうです。株価は比較的穏やかでつまらないところはありますが。
記事とは全く関係ないのですが、Hiroさんに質問があります。
日本の新興企業で、リミックスポイント(3825)の子会社ビットポイントというのがあるのですが、下記のURLを見るところ利益率が80%を超えています。
私の目からは優良企業だと思うのですが、公認会計士のHiroさんからはどのように思われますか?
素人目からは数字から読み取れることが少なく、質問をさせていただきました。
お忙しいとは思うのですが、もしよろしければお願いします。
https://kessan.laboneko.jp/settlements/26365
ご質問ありがとうございます。
ビットポイントの財務諸表を拝見しました。
確かに、利益率は素晴らしいですが子会社単体の決算なので何とも言えないところがあります。
子会社は親会社や関連会社に対して、市場価格とは異なる売価で販売することも実務上可能です。
また、管理費用を親会社が負担している可能性もあります。
特定の法人の利益を操作することは不当な法人税軽減に繋がる恐れがあるので法律で規制されますが(移転価格税制)、国内同士であればどっちにしても日本政府に税金が落ちるのでそれほど厳しくはないと思われます。
やはり、親会社リミックスポイントと合算した連結決算ベースで収益性を見ないと判断は難しいです。
子会社であるという点を一旦忘れて単独で見れば、非常に高収益な優良企業だと思います。
ただ1期間しか見てませんので、もう少し長期間のデータを見たいのが本音です。
あとできればキャッシュフロー計算書を見たいです。会社法に基づく決算公告なので作成してないはずですが。
こんにちは。最近考えていたことと似ていたので久しぶりにコメントさせていただきます。
頭ではS&P500に淡々と投資するのが一番確実&楽だろうなーと思っていて、実際にポートフォリオの半分はS&P500連動ETFです。
ただ、シーゲル先生の本を読むと&Hiroさんの財務分析を見ていると、個別株が欲しくてムズムズしてしまい、ポートフォリオの半分はディフェンシブ株です。
PM、MO、PFEなど、「株式投資の未来」で高リターンだったとして紹介されている株も持っていますが、これらが全て、絶対にまたトップパフォーマンスを上げるとは思っていません。
でも「稼ぎ続けられる会社」の株をもっていれば、もしポートフォリオの中に低迷・倒産する会社があったとしても、すべて合わせたトータルでS&P500を超えられる可能性が高い。と、思っています。
リターンが数%高いだけで、50年後といった未来で得られる利益は、文字通り桁違いに大きくなり、対して損失は自分の投資額だけ、と限定的です。
気負ってしまいがちですが、真剣に考えて買った投資先すべてが高リターンを上げる必要は必ずしもないのではないかと思うに至りました。
もちろん買ったすべての企業が高リターンになってほしいですけどね。
そんな風に、長期投資における複利の力を信用しようと思っているのですが、まだまだ短期的な株価の変動、見通せない未来に不安になります笑
投資ルールも定まってないですが、勉強は楽しいです。
ちょうど決算シーズンですが、個別株のレポートを英語の面でも、会計の面でも読む力をつけられたらいいな〜と思っています。
いつもハイレベルなブログを楽しませていただいています。毎日ほんと暑いですが、体調にお気をつけてお過ごしくださいね。
こんばんは。
一度個別株をやり出すとなかなか抜け出せないですよね。わかります。
「ムズムズする」という表現的を射てますね!私もそんな感じです。
優良株がなぜS&P500平均を超えるリターンをもたらすのか、その理論的背景を自分の中で咀嚼して理解していく度に、やはり優良株への集中投資を続けたい気持ちが高まっていきます。
果たしてこの投資法が本当に高いリターンを生むのか、それは未来になるまで分かりません。
いや理論的には、優良株への長期投資が市場平均を超えるのは、すでに分かっていることだと思います。
ただ問題は「どの銘柄が優良株なのか確実なことは分からない」という点です。
どれだけトラックレコードがある銘柄でも、将来が不確実なのは同じです。
特に私は、投資家期待が低めでバリュエーションが落ち込んでいる銘柄を掴みがちなところがあるので余計に心配が高まります。
フィリップモリスなどたばこ会社は50年後も活躍しているか?
IBMのコグニティブ事業は成功するのか?
ゼネラルミルズは新興ブランドやPB商品に負けることなく、永続してキャッシュを稼ぐのか?
自分の投資銘柄に対する不安は大きいです。
だからこそ、分散投資は大切ですね。
おっしゃる通り、全部が全部当たる必要はありませんよね。そうやって気楽に考えれるのが個人投資家のメリットでもあります。
(さすがに投資している企業が倒産するのは勘弁ですがw)
>短期的な株価の変動、見通せない未来に不安になります笑
私も一緒ですよw。
短期的な株価下落で資産価値が減るのは本当にどうも思いません。分散してるのでポートフォリオ全体に与える影響は軽微ですし。
ただ、株価下落が未来の衰退を予兆しているのかな~と考えると不安になります。
>個別株のレポートを英語の面でも
ここも一緒です!
英語の財務レポートをもっとスムーズに読めたら、楽しいだろうな~って思います。
ゆっくり読めば理解できますが、パパっと短時間で読んで全部理解するのは今の自分の英語力じゃ無理です・・。
今日もフィリップモリスの決算速報を読もうとしたんですが、、ダウンしました。仕事終わりにはきつかったです。
お互い投資を通じて勉強していけるといいですね!
知識が増えると色んな視点で世の中が見えるようになって楽しい気がします。
コメントは「イノベーションと起業家精神」
からでしょうか。
私も言っていることはぼんやりとは分かるのですが、それを実戦に落とし込むのは大変ですよね。
アマゾンの様々な業種への参入を見て、イノベーションを起こすには専門の企業じゃないと厳しいのでは
ECとのシナジーは分かるけどとりあえず評価できないなー
と思ったぐらいですが、本当にドラッカーの言ってることを落とし込めているのか…
長期投資を志してつくづく思うことは、一番難しいところはフィードバックが難しいところですよね。
失敗に気付いた頃には高齢者ですもの。
だからこその勉強による理論武装なんでしょうけれども、愚者は経験に学び患者は歴史に学ぶ…愚者の私にはなかなか経験なき理論の継続的な実行は困難を極めます。
それでも自分を信じて一歩一歩積み上げていかなければならないんでしょうけどね。
はい、長期投資のもっとも難しいところは私もそこだと思ってます。
PDCAサイクルを回せません。チャレンジ権は人生で一度だけです。
何でも小さく始めて失敗を積み重ねながら改善を繰り返していく方が効率は良いです。
投資もあれやこれやトライアンドエラーを重ねることはしますが、結局特定の銘柄の長期リターンが良いかどうかは遠い未来にならないとわかりませんね。
なので、先人の方々の研究結果や書籍を読んで自分の中で理論を構築して納得してポートフォリオを組みたいです。
理論がわかってもそれを実践に落とし込むのがまた難しいところです。
やはり目前の株価変動に気を取られてしまうこともあります。企業の利益・配当だけを見つめて長期投資を続けるのは並大抵のことではありません。
Hiroさん
ご無沙汰しております!そちらはお変わりないでしょうか?
「永続する会社が本当の利益をもたらす」、
改めて読み返してみても非常に本質を突いた、深い副題ですよね。
将来の配当を長期で考える上で、hiroさんの積分で面積の最大化を測るというイメージ法は、
とても分かりやすく腑に落ちます。
ただ、本当のところで永続するかどうかは50年後、100年後になってみないと分からないのが歯がゆいところですよね・・・笑
そういった意味では、我々、個別株を触る投資家にとっては、銘柄数の分散も(20銘柄を超える水準で)あえて保守的に多めにする、という発想もありかも知れません。
最近、私もシーゲル流投資の是非について、
シンシナティの米国機関投資家に直接聞きに行く機会がありました。
http://serendipity.chips.jp/archives/21077
福岡でも猛暑日が続いておりますが、
東京では今日ついに観測史上初の40℃を超えたそうで、
hiroさんも熱中症には十分お気をつけ下さい。
また引き続き!
岩波さん、お久しぶりですね!
暑くてへとへとですが、何とか元気にやっております。
岩波さんも元気そうで何よりです。
記事拝見しました。
高い行動力にはいつも感心します。ダメ元でもまずは行動してみるって大切ですね。
short term volatility is necessary for long term gain.というのはほんとにその通りですね。
それがリスクを負担してリターンを稼ぐということだと思います。
ボラティリティがあるからこそ株を持つのを嫌がる人がいて、だからリスクプレミアムがついて我慢強くホールドした人が儲かるのが株式投資です。
ボラティリティ=リスクが富の源泉です。
あと、分散投資が大切という投資の基本も、専門のFPの方がおっしゃると改めてその大切さを思い出します。
未来はわかりませんから、100%永続する会社を見分けるのは不可能です。
でもだからこそ、株式投資は利益を生みます。
不確実な未来がリスク、ボラティリティを生んでそれが株の利益を生みます。
永続する可能性の高い銘柄を適度に分散して保有すれば、きっと報われると信じてます。
こちらこそ、引き続きよろしくお願いします!