株式とは企業の所有権を分割したものです。株を買うとは企業のビジネスの一部を所有することに他なりません。

株主資本(純資産)は資産と負債の差額として計算されます。つまり、株主は企業の資産と負債のリスクをすべて背負っていることになります。

企業が稼いだお金が損益計算書の売上高として計上され、稼ぐために発生した諸々の費用、税金等を差し引いて利益が計算されます。

利益はバランスシートの純資産の部の利益剰余金として蓄積され、その剰余金は配当や自社株買いとして取り崩され、最終的に株主の財布に入ります。

企業の利益が株主の利益です。無から有は生まれません。50年間の企業の累積純利益が100だとしたら、その50年間ですべての株主が得た利益・損失を合算すると100になるはずです。税金を無視すれば。

だから、財務諸表分析を代表としたファンダメンタル分析はすごく重要なわけです。

こういった基本的な会計の知識、というか資本主義のルールを知らずに株を買うのはちょっと危険かなって思います。短期トレードならまだしも、長期投資するなら株主と株式会社の関係は把握しておいた方がいい。

株はただの紙切れではありません。株を持つ=ビジネスを持つ、という発想を持てるようになることが大切。

が、そこから一周回って、最後は「株なんてただの紙切れだよな」って割り切る方がいいのかもって最近思います。

ジム・クレイマーも書籍でそんなことを言ってました。

一言一句は覚えてませんが、「株式=ビジネスだなんて言う輩がいるが違うぞ。株とは日々値段が変わるただの紙切れに過ぎない。安く買って高く売って儲ければいいだけである。」的な内容だったかと記憶しています。

株式の本質を理解しつつも、株式投資を値段が変わる紙切れの売買に過ぎないと割り切れる人が、高いリターンを達成できるのかもなって最近思います。

そうなれれば、特定銘柄への愛着もなくなるし、さっと損切りもできそうです。ちょっとPERが高いという理由でブレーキをかけずに、最も有望な勝ち組企業の株を素直に買うこともできそう。

冷静に財務データ、バリュエーションを考えることも大切だけど、あまり分析的にならない方がいいのかも。難しいけど。