あなたが普段から好んで使っているものやサービスを提供している会社に投資しなさい。あなたがよく知っている会社の株を買いなさい。
このようなアドバイスをよく見かけます。ジム・ロジャースとかしょっちゅう言ってます。私も概ね賛同なのですが、この発想にはちょっと危険な側面もあると思います。
というのは、自分が好きだからと言って世間も好きとは限らないからです。
シンプルに今後10年儲かり続ける会社の株を買えば報われる可能性が高いわけですが、儲かっているということは世間から強く必要とされているということです。
世間からの評判が重要なのであって、自分だけの評価が高くても意味はないです。自分が感じる価値と世間が感じる価値にズレがあることってありますよね。
私は定食屋チェーンでは大戸屋が一番好きなんですが、業績は芳しくないようです。つまり、世間は大戸屋を選んでいないということ。
・価格が割高
・注文してから出てくるまでが遅い
・ご飯の無料おかわりがない
などが不人気の理由みたいです。
確かにやよい軒などと比べるとメニューの平均単価が200円ほど高い印象があります。が、それくらい追加で支払う価値があると私は感じています。やよい軒と大戸屋が2件並んでいたら、迷わず大戸屋に入りますね(あ、やよい軒も好きですよ)。
単純に味が美味しい。ボリュームもちょうどいい。私がよく頼む「チキンの味噌かつ煮定食」は880円(税込)とそんなに高くもない。出てくる時間も別に遅くない。あと従業員の教育がしっかりしていると感じる。接客がすごく丁寧。中年に差し掛かり炭水化物の摂取量には気を使っているので、ご飯のおかわりなんて不要。
そんなわけで私は大戸屋推し。
が、その自分の主観を信じて大戸屋ホールディングスの株を買っても、少なくともこの5年はリターンはほとんどありませんでした。
自分が好きという理由だけで株を買うのはちょっと早計です。その前に決算書をチェックした方がいいです。
売上高が伸びているか、営業利益率はいかほどか(スタートアップでなければ赤字は論外)。財務数値が優秀ということは、その会社があなただけでなく世間からも受け入れられている証拠です。
自分が好きな会社かという主観よりも、決算という客観的なデータを優先した方が投資はうまくいくと思います。
ただ、好きな会社に投資するメリットもあります。それは暴落時に慌てず対処できることです。財務諸表がしっかりしてるからって自分が全く知らないビジネスに投資すると、なぜ株価が下がっているのかよく理解できず不安で売っちゃいがちです。
理想は自分が好きな商品、サービスを提供していてかつ、財務諸表もピカピカの企業の株を買うことですかね。
だからってわけでもないですが、最近スターバックス(SBUX)に目を付けています。スタバ大好きです。
でもスタバが好きだから狙っているわけではないです。財務データの優秀さありきです。スターバックスの財務データは大変優秀だと思います。成長性、資本効率ともに。