この前、同僚とTeams雑談してて、少しお金の話になりました。その同僚も私と同じくバランスシートを作ってるそうなんですが、その管理方法が細かくて面白かったです。

家計管理って性格の違いが出ますよね。私はO型でして、よくある血液型占いの通り大雑把です。経理部はA型タイプのきめ細かい繊細な方が多い印象です。自分、経理向いてないのかなってたまに思います。

その同僚は消耗品を買っても即時にすべて使用しないものはBSに資産計上してるそうです。具体的には、ワンデイのコンタクト1年分を5万円で買っても3千円分しか使ってないなら、残りの4万7千円は「前払費用」として資産計上してるそうです。

そこまでやるか(笑)って思いました。さすが経理部。

私ならコンタクトレンズは資産には計上しません。

これは私の発想なのですが、企業のバランスシートはPLを正確に作るための調整弁的な役割が大きい一方で、家計のバランスシートは清算価値を示す役割が大きいと思っています。

大企業を中心に日本でも浸透してきたIFRS(国際会計基準)はBSの清算価値というか時価評価を重視する傾向にはあるのですが、それでも基本原則はJGAAP(日本会計基準)と大きく変わるわけではなく、BSはPLの調整弁としての役割が大きいです。

PLの調整弁とは、典型的には固定資産の評価です。システム導入費用としてコンサルに10億円払ったとします。その10億円は毎年2億円ずつ5年で均等償却されていき、残存簿価は無形資産としてBSに資産計上されます。

導入開始から1年経過後の無形資産のBS評価額は8億円(10億円-2億円)なわけですが、この8億円という数字に意味はありません。自社に導入したシステムで他社に転売できるわけでもないので金銭価値を表しているわけでもありません。8億円という評価額は2億円の償却費を計上した結果として残った数字で、それ以上でもそれ以下でもありません。

企業会計はPL第一です。それは投資家としてわかるかと思います。投資先企業のEPS、増収率がまず気になりますよね。決算の時にまずBSを見るという投資家は少ないかと思います。ROEなどの指標はBSと関連があるので、BS完全無視というわけではありませんが、まずチェックするのはPLです。

5万円でコンタクトを買ったけど、使用した3千円だけを費用計上するために、BSで4.7万円を資産計上する。このコンタクトレンズの会計処理は非常に企業会計的なPL重視の発想ですね。

私は家計は企業ほどPLを厳密に作る必要はないと思ってます。5万円で買ったコンタクトは使用状況にかかわらず全額一括費用で問題ないです。なので必然資産計上もしない。

換金価値(清算価値)があるものだけを資産計上する、というのが私の家計バランスシートの考え方です。今売ったらいくらの現金収入が得られるのか、という単純な話です。なので、換金価値がないものは資産として認識しません。

コンタクトは医療機器ですし、それをメルカリ等で売ることはできません。つまり換金価値はありません。買ったら自分で使い切るしか用途はありません。そういうものは資産ではないと考えます。

預金や株式は当然資産ですが、それ以外はリセールマーケットが存在し、かつ金額がそこそこ大きいものだけを資産計上します。具体的には自宅マンション、自家用車とかですね。テレビゲームは中古市場がありますが、数千円なので無視します。

そう考えると家計のバランスシート作成ってとても簡単です。金銭価値があるもの(=第3者に売却できるもの)をリスト化していけばいいです。あとはローンがあればそれを負債にして、資産と負債の差額を純資産とすれば完成です。

これはあくまで私のやり方ですけどね。家計管理にルールはありません。何が正しい誤りということではありません。ただ、法定の損益計算をやらなくていい家計は、換金価値があるものだけを資産計上する方がわかりやすくていいと私は思うだけです。

そういえば、前職の監査法人でも自宅を減価償却して、残存簿価を資産計上して家計管理してる上司がいました。それで管理できるのか謎ですが。会計を職業にしてると、企業会計を家計に持ち込みたくなるんですかね笑。