万人にとって家は資産と言える

自宅はキャッシュを生まないから資産ではないという主張を聞くことがありますが、その理解は誤りだと思います。

自宅は実質的にキャッシュを生んでいます。なぜなら、家を買えば賃貸ならば発生するであろう家賃のキャッシュアウトがなくなるからです。

その家賃の節約分よりも自宅価値の下落率の方が大きければ、リスクを取って不動産を買った意味は少なくとも経済的にはなかったという結果になりますが、10年以上住んでそこまで時価が下落することはよほど物件選別を誤らない限り起きません。

家賃の節約になるから家は実質的にキャッシュを生んでいる。だから自宅は資産である。

この理屈が通用するのは家が万人にとって常に必要なものだからです。ホームレスとして生きる決意をしない限り、すべての人にとって家は必要なものです。もし家を買わなかったら、確実に家賃の支払いが必要になります。実家暮らしは別として。

「毎日住む」ということが家が資産になるための必須条件です。

富豪が別荘として2件目、3件目とポンポン高級マンションを買うのは自由ですが、自分が住んでいる家以外は資産とは呼びづらいです。結果として値上がりすることはあるかもしれませんが、帰属家賃がないわけなのでキャッシュを生んでいるとは言えないからです。

まあ、そんなの例外のケースであって、普通は家なんて自分(家族)のために1件だけ買うもんです。なので、家は万人にとって資産と言えると私は考えています。

車を資産と言える人

家と同じく理屈で車も資産になり得ます。

車は都心のマンションみたいに購入時より高い値段で売れることはほぼありませんが、帰属家賃ならぬ帰属車両費をカウントすれば実質的に資産になることもあります。

それは仕事などで車をほぼ毎日使うような人の場合です。レンタカーは安くても1日8千円くらいはするでしょうか。ガソリン代、保険料を加味すれば1万円は見ておきたいところ。

年間300日車を使ってる人がもしレンタカーやカーシェアを利用したら、年間利用料は300万円にも上ります。2、3年で高級車1台が買えるくらいの支出になります。

それなら買った方が得だよね、という判断に当然なります。自家用車を持てばレンタカー代、カーシェア代が節約できるわけで、それは金額規模は違えど自宅購入で家賃を節約できるのと同じです。

ほぼ毎日車を使う人にとって、自家用車は1日当たり5千円、年180万円くらいの帰属車両費をもたらしてくれる資産。このように考えることができます。

車の購入費を300万円とすれば、収益率は60%にもなります。諸々の維持費を加味しても相当な利回りです。

私にとって車は負債

私にとって車は資産とはなりません、負債です。なぜなら、私は日常生活でほとんど車を必要としていないからです。

数ヶ月前からタイムズカーシェアに登録していますが、利用頻度はせいぜい月1、いや2ヶ月に1回です。月会費880円が無駄に思えてきましたが、まあこれくらいならいいやということで解約はしてません。いざという時に、パッと使いたいので。

私みたいに車利用のニーズが少ない人にとっては、車を買ってもそれが帰属車両費を生み出すことにはなりません。車がないからと言って、高額なレンタカー代やカーシェア代が別途かかるわけはないので、費用節約効果はほとんどありません。

家はすべての人が毎日使うものだから、あらゆる人にとって資産になります。一方で、車はほぼ毎日使う人にとっては資産になりますが、私みたいに月1回も使わないような人にとっては負債になります。

職業や趣味にもよるでしょうが、電車網が張り巡らされた都心部に住んでいる人にとって車は大抵負債と定義されるのではないでしょうか。

の割に、都内には高級車がバンバン走っていて驚きます。今日は所用で表参道のアップルストアに行ったのですが、ベンツのマイバッハが目の前に止まっていてガン見しちゃいました。あと、ポルシェやらフェラーリも全然珍しくないです。

まあ、ここまでくると資産か負債かとか、そんなこと語っている庶民とはレベルが違うんじゃ!という世界なのはわかってますけども。

負債だから買わない方がいいとかそういうことを言いたいわけじゃないです。負債でも満足度のために買うのは個人の自由なので。そもそも消費ってそういうものですし。

ただ私はまだまだ資産形成フェーズの庶民なもので、なるべく負債は避けて資産だけを買っていきたいのです。マンションは買っても車は買いません。23区内にいる限りは。