純利益に対する配当支払い額の割合を配当性向と言います。

配当性向=配当支払い額  / 純利益

今年1年で稼いだ利益のうち、いくらを配当として株主に還元したかを示す指標です。純利益100億円で配当30億円なら配当性向は30%になります。日本企業は配当性向30%を目標に掲げている企業が多いように感じます。

一般的には配当性向は低い方が望ましいと言われます。配当性向が低いということは、配当を大きく上回る利益を稼いでいるということです。ということは、たとえ利益が横ばいでも問題なく増配できるし、利益が減少しても減配になってしまうリスクが小さいです。要は余裕があるってことです。月収30万円で家賃20万円なら毎月カツカツでしょうが、同じ月収30万円でも家賃5万円なら比較的生活に余裕はありますよね。家賃を5万円に抑えていれば、急に冠婚葬祭とかで出費が必要になっても問題なく対応できますよね。

なので、
配当性向が低い:〇
配当性向が高い:×
と言えますかね。まあ、あまりに低いと株主還元意識が低いと評価される場合もあるのでバランスが大事ではあります。高い低いの境界線は曖昧ですが、配当性向が80%を超えていると高いなという印象を持ちますかね、私は。

配当性向が高過ぎることは一般的にはネガティブなのですが、一概にそうとも言えないだろうと私は思っています。配当性向が高い企業には隠れた魅力があると思います。

配当性向が高いことの投資家としてのメリットとは、資金(株主資本)が浪費されるリスクが小さいということです。

 

決算で忙しい時のHiroの帰宅後のスケジュール

最近、期末決算でめちゃくちゃ忙しいです。休日も仕事のことで頭いっぱいです。4月はさすがにブログ更新頻度が落ちるかな、2日に1本くらいなるかなと思っていました。でもなんだかんだ言って、4月も1日1本のペースでコンテンツを投下することができました。別に毎日記事を上げるというルールを設けているわけではないのですが、投資の記事を書くのはとても楽しくって暇さえあればシコシコと文章を書いていました。

ブログ書く時間をどうやって捻出しているのかって??

無理矢理です(笑)。

決算期は帰宅したら夜の23時ということも珍しくありません。翌日になっていることもあります。ちなみに今日(5月1日)は帰宅したら24時を回っていました。別に社畜自慢じゃありません。経理の仕事は好きだから別に苦じゃないんです。年に1回の期末決算くらい頑張りたいです。

あ、でね、たとえば23時に帰宅してから就寝するまでの僕のタイムスケジュールはこんな感じです。

23時:誰も待っていない1Rマンションに帰宅
23時~23時15分:シャワーを浴びて着替える
23時15分~23時30分:ファミマで買った総菜を食べながらYou Tube観る
23時30分~24時:そのままYou Tubeサーフィンをしてしまう・・
24時~24時30分:ブログのコメント確認して返信、メールチェック
24時間30分~26時:ブログ更新作業
26時:おやすみなさいzzz

だいたい夜中の12時半~深夜2時までの1時間半くらいが決算繁忙期のブログ作業時間です。一から記事をガーっと書く時もあるし、土日に作成しておいたドラフトを仕上げてアップすることもあります。何を書くかは頭の中でイメージし終わっているので、夜はただ無心で手を動かすのみです。

なんで唐突にこんなエピソードを話したかと言うと、人間切羽詰まると無理してでも頑張ると言いたいからです。YouTubeサーフィンしている時間がちょっとありますが(ま、これは束の間のリフレッシュなんです)、基本的には時間は1分たりとも無駄にはしません。まるで、朝の出勤前かのように分単位でスケジューリングして行動しています。仕事終わりの夜くらいゆったり過ごせばいいのにと思われるかもしれませんが、まあとにかく事実としてこれが僕の繁忙期の帰宅から就寝までのルーチンです。この生活が当たり前になっています。

仕事が忙しくなく定時で帰宅できる時は、こんな慌ただしく過ごしてはいませんよ。そもそも帰宅後のタイムスケジュールなんて考えていません。テキトーに本読んだり、ネットサーフィンしたり、同じようにブログ書いたりして過ごしています。あまり仕事終わりに遊びに行くことはないですかね。たまに映画に行くくらいです。

それが決算期になると、僕は帰宅後の時間の使い方を仕事ばりに事前にプランニングします。あれに15分、これに20分、そしてブログに1時間、、とか。リソースが限られると、そのリソースを少しでも無駄にしたくないという心理が働きます。

これはお金も一緒です。お金に余裕があると、本当に必要かどうか綿密な検討無くても色々買っちゃうことありますよね。衝動買いを防ぐためにも現金は最小限しか持たず、クレジットカードを持たない人も友人でいます。

 

配当性向が高い企業は減配しないために、堅実な経営をしてくれると期待できる

配当性向が高い企業は、決算期で帰宅時間が遅いHiroと同じようなもんです。リソースをなるべく無駄に浪費しないように慎重に経営しなくてはなりません。限られた資金の中で慎重に投資案件を選定し、無駄なコストは極力削減しなくてはなりません。

米国企業の経営者はなるべく減配を避けます。株主としても減配は嫌ですが、同じくらい経営者も減配を嫌います。減配するということは、経営者として失格という烙印を押されるに等しいという米国企業社会での通念があります。株主から資金を預かっている経営者は、その資金をうまく活用して毎年配当を増やしていく使命を負っていると考えられています。それと引き換えに株主は高額な経営者報酬を毎年払っています。

減配は嫌なんです。たとえ利益の伸びが緩やかでも減配だけはなんとか避けたいのです。最悪、一時的に借金に頼ってでも減配を阻止しようとします。石油メジャーのシェブロン(CVX)は原油安で苦しむ2016年も、わずか0.01ドルの増配を決めました。0.01ドルですよw。ほぼ増配していないに等しいです。これでも株主の期待に背きたくないというシェブロンCEOの熱い想いです。

配当性向が高いってことは、利益を無駄に使える余裕がないわけです。なるべくコストを削減して利益を捻出しないと減配せざるを得ない状況です。「えいや!」でM&Aをやる資金的余裕なんてありません。ガンガン設備投資にお金を回す余裕もありません。なるべく無駄を削いだ筋肉質な経営を続けないと、これまでの配当を維持できません。

その余裕のなさが配当性向が高い企業の魅力だと思います。

結局、人間なんですよ。ネット証券でポチっと操作して株を買っているわけですが、株式とはデジタルな存在ではありません。株式の裏にはリアルな企業があって、その企業を運営しているのは人なわけです。喜怒哀楽、感情ある人間が企業を動かしています。

経営者も特別な人間ではありません。倫理観の高い人が多いでしょうが、それでも私たちと変わらない普通の人です。むしろ、一般よりも自己承認欲求、金銭欲求、モテたい欲求が高い人の方が経営者になることが多いのではないかと思います。一流大学卒のエリートが多いです。CEOにまで上り詰めたそんな「エリート」が、減配なんて株主に報告できるわけがありません。そんなことしたら経営責任として自分の報酬にも響きます。

配当性向が高いってことは、増配余地が乏しく減配を阻止するためのバッファも薄いです。確かに、配当性向が高いと減配リスクも高くなります。それは大きなデメリットです。一方で、配当を維持するために堅実な経営を行わざるを得ず、結果として株主資本が棄損しにくいという隠れたメリットもあると思います。利益ぎりぎりの水準で頑張って配当を出している企業は投資対象として決して悪くはないと思います。

配当性向が高い状態で増配を求めるというのは、強固なコーポレートガバナンスになります。