3年程前でしたっけ、SECが調整後利益を濫用し過ぎだと米企業に警鐘を鳴らしたことがありました。
調整後利益を見ることで、非経常的な要因を除外した本業の収益力を確認することができます。そういう意味で調整後利益は有益な指標なのですが、企業が恣意的に調整項目をいじることができるという弊害も忘れな方がいいです。
結局、一時的な特殊要因であれ何であれ、あらゆるコストは株主負担なわけです。非経常的な出費だからって、株主が負担を免れるわけではありません。上場企業の経営者には業績を良く見せて株主にアピールしたいインセンティブが働きます。何を調整するかは経営者の鶴の一声で変わります。注記があるといっても、そんなに細かくは開示はしません。ですから、調整後利益を見るときは、その辺の懐疑心は必要になります。
まあ、調整後利益をじろじろ見るよりキャッシュフローを見た方がシンプルでわかりやすいかもしれません。キャッシュは粉飾できませんから。
キャッシュフローも、支払いサイトの変更や、
売掛金の回収をファクタリングして早めるなど、偽装をすることは出来ますね。
ま、そのキャッシュフロー自体は偽装ではないんですが、良く見せることは出来ます。
そうですね、そういうところで企業の資金繰りに対する焦りが垣間見えることがあります。
手形の割引やファクタリングをかなり積極的に実施して、売上成長のわりに売掛金残高が急減することがあります。
あとは、割引手形残高の注記が増えて怪しく感じるとか。ここはキャッシュではありませんが。
資金繰りに対するひっ迫感、なんとかお金を捻り出している感が、キャッシュフロー計算書から見えることがあります。
ただ、このブログで紹介しているような大型優良企業ではそうそうありません。
上場したばかりの企業とかですね。