アルトリアグループやブリティッシュアメリカンタバコなどのタバコ会社の株価が冴えません。タバコの消費量が減っているのもありますが、FDAの規制という不確実性も投資家心理を悪化させています。
私はフィリップモリスとアルトリアに結構な額を投資しているので、タバコ業界の未来にとても関心があります。自分は今まで一度もタバコを吸ったことがないので理解できないことも多々ありますが、ニュースなどで報道があればしっかり読み込んでいます。
難しく考えているわけではなく、気になるのはタバコが売れるか売れないか、ただそれだけです。FDAの規制で相場が荒れることが多いですが、私は正直そこはあまり気にしていません。そこよりも、タバコを必要とする人が減るのか横ばいなのか(増えることはない?)。減るとしたらどれくらいのペースで減るのかという点です。つまり、世界のタバコ需要はこれからどうなるのかってことです。タバコの需要があればFDAが規制したところで、闇市場が生まれてそれが問題化します。社会の需要がある限り、タバコ会社の収益は維持されるだろうと思います。
健康志向でタバコの消費量が減っているのは既知の事実ですが、それ以外にもタバコ業界の逆風となる要因があると思います。それがAIなどテクノロジーの発達によって、人の労働が減ることです。製造から経理まであらゆる仕事が自動化され、人が単純労働に従事する機会は減っています。これからより一層減っていくことが予想されます。
生産性の向上は、この仕事中毒社会では想像もできないメリットももたらす。余暇の増加だ。購買力を失うことなく、週休4日や3日、労働時間の短縮が可能になるはずだ。
ウォールストリートジャーナルより
タバコを吸いたくなる理由の一つとしてストレスがあると思います。ストレスの発生原因と言えば仕事です。忙しい仕事が緊張を生むから、仕事終わりに一服したくなります。いや、私は吸わないから分からないのだけど、きっとそうなんじゃないかって思うだけです。実際に仕事の後に喫煙所に行ってる人多いですし。
それが週休3日、4日という社会が現実になれば、仕事によるストレスも減ってタバコの出番も減るんじゃないかと思う時があります。考え過ぎでしょうか。そもそもAIによって労働が減ると言っても、そんな急に仕事環境が変わることはないし、ましてや週休3日なんてハードル高いでしょう。ただ世の中の流れ的には脱ストレス社会になっていくのではと思います。
ストレスがなくなるって素晴らしいことです。「ファクトフルネス」を読んで、世界は確実に進歩していることを知りました。一人一人の日々の小さな努力の積み重ねですね。タバコの役割は無くなりつつあるのかもなってたまに思います。でも人間関係のストレスが消えることはあり得ないし、脱労働が別のストレスを生み出す可能性もあります。
そう言えば、映画「ジョーカー」観ましたか? 私は先日、新宿のTOHOシネマズで観ました。貧困や病気など様々なストレスに苛まれている主人公はいつもタバコをプカプカ吹かせていました。タバコを吸うと一時的でも気持ちが落ち着くのかもしれません。タバコが健康に悪いのは否定しようがない事実ですが、世の中の役に立っている面もあると思います。だからビジネスとして成立するわけで。
タバコの消費量はこれからどうなるのか。色々と自分なりに考えはしますが、当然答えはわかりません。フィリップモリス、アルトリアのForm 10Kを毎年読んで販売数量とCEOの見解をウォッチする他ありません。