価値観とは日々の経験、体験の積み重ねによって形作られるものです。特に幼少期の経験は人格形成に大きな影響を与えると言います。自分はどうだろうか。物心ついたのは4歳くらいです。その頃の教育や家庭環境が今の自分の価値観、性格に大きな影響を与えているのかな、きっと。
投資家としても同じかもしれません。投資を始めた最初の数年で経験したことは、その後の運用スタンスに多大な影響を及ぼすのではないでしょうか。
米国株投資を始めたのは2016年のこと。このブログの運用開始とほぼ同時期です。きっかけはジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』を読んだことです。株式リターンの本質は株価ではなく企業の利益、そして究極的には配当であるという、今思えば当然の事実に気付かされました。世界株インデックス投資を止めて、株主還元意識の高い一部の米国優良株に集中投資しようと方針転換しました。
そこまでは良かったのですが、そこからちょっと進むべき方向を誤ってしまったかなと思っています。売上・利益が右肩上がりで成長している高PER銘柄よりも地味で衰退傾向にある低PER、高配当銘柄の方が長期保有に望ましいと考えました。「成長すなわちリターンにあらず」というシーゲル氏の言葉は胸に刺さりました。
そして、エクソンモービル(XOM)、アルトリアグループ(MO)、フィリップモリス(PM)、IBM、シュルンベルジェ(SLB)と枯れたビジネスを行っている低成長な高配当株をたくさん買い集めました。
その結果はと言うとこんな感じです。
XOM→半値以下に暴落(減配が心配)
MO→半値近くに暴落
PM→配当込みで何とかプラス・・
IBM→大損で売却
SLB→70%以上の含み損、先日減配を発表
ブログネタで自虐で言っているのではなく、ホントにしんどいです。頑張って働いて稼いだお金が溶けていくのは辛いです。
これらの苦しんでいる銘柄も売らずに辛抱強く保有して、配当を再投資し続ければ将来高いリターンで報われるかもしれません。ただ、たとえそうだとしても、こんなに不安な気持ちを抱えたまま日々のマーケットをやり過ごすのは精神的に重労働です。リターンがリスクに見合っているのか疑問に感じることがあります。
と、このような経験をしてきたせいもあって私の投資観はだいぶ変わりました。最初はバリュー株派でしたが、少なくとも個別株はグロース株の方がいいです。その方がゆっくり眠れます。安心して決算発表を待てます。エクソンモービルよりもマイクロソフトの方がいいです。
また、ただ安心料のためだけでなく、過去の投資リターンも実はグロース株の方が優秀なんです。個別株で見れば。以下は『株式投資の未来』で紹介されていた、20世紀後半の高リターン銘柄です。
1位のフィリップモリスこそ低PERかつ高利回りの所謂バリュー株(実際はEPSがグングン伸びたグロース株だったと言えるが)ですが、他は高PERのグロース株が多いです。
毎回期待以上の決算を出してEPS(一株当たり利益)、DPS(一株当たり配当)をガンガン増やしてくれる企業に投資した方がいいです。シンプルに優良企業の株を買うということです。その方がリスクを抑えつつ、高いリターンが見込めると思います。
「人の行く裏に道あり花の山」という言葉があります。バフェットは「皆が貪欲な時に臆病に、皆が臆病な時に貪欲でいれば金持ちになれる」と言っています。
WTI先物がマイナス価格という相場が崩壊している今こそ、石油株に投資すべきときかもしれません。でも、個人的にはポートフォリオの一部にとどめた方が無難だと思います。そのような悲観的な「割安」銘柄がポートフォリオの半分以上を占めると、心労がかなり大きくなります。30年間冬眠するなら構わないけど、実際は毎日相場を見るわけですから。
いまバリュー株と言えばエネルギー株と銀行株でしょうか。この2セクターはけちょんけちょんに売られ、高配当株の宝庫になっています。が、よほど配当好きでなければ、個別株でポートフォリオを組むならもっと業績好調なグロース株をコアにした方がいいと思います。もちろん、買い値が高過ぎないかきちんとチェックする必要はありますが。
グロース株もいいけどバリュー株にも投資したいって思うかもしれません。バリュー株の良いところは、表面上の「バリュー」が高いことです。つまり益回り、配当利回りが高いということ。特に実際にキャッシュインを伴う配当が多いと嬉しくないですか? そんなことないですか。私は配当のために投資してるようなもんですw。
ただ、個別株としてバリュー株を持ち続けるのは忍耐力が求められます。マーケットが「売り」と判断している銘柄を持ち続けるわけです。気合いさえあればいいという根性論だけでは厳しく、その銘柄のビジネスやとりまく外部環境に対する深い理解がないと長続きしないと思います。売られ過ぎで割安と思いきや、そのまま衰退して株券が紙切れになってしまったら元も子もないです。紙切れは言い過ぎにしても半値に落ちるとか。80%減とか。
そこで、バリュー株に投資するならETFがいいんじゃないかなあと思います。広く分散された商品なら、一部の銘柄がコケても大きな問題にはなりません。不安も少ないです。具体的な商品としてはブラックロックのHDV、バンガードのVTVとかかな。なんか高配当戦略や低PER戦略といったバリュー系の投資は、個別株よりもETFや投資信託と相性がいい気がするんですよね。
今の私のポートフォリオは全然そんな感じじゃないですけどね。銀行株やエネルギー株も個別株で持ってるし、ETFは最近グロース寄りのVIGをメインに変えたし。もし今一からポートフォリオを作るとしたら、個別株はグロース系、ETFはバリュー系にするかなあと。なんか、色々経験する中で投資に対する考え方が変わっていきます。
Hiroさんこんばんわ♪
巷ではSPYDが人気ですが、Hiroさんは今後購入予定はありますか?
こんにちは。
今のところSPYDの購入予定はありません。
>巷ではSPYDが人気
そうなんですね!
高配当が支持を集めているんですかね。
こんばんは。私も同じように高配当ディフェンシブ銘柄のポートフォリオに投資していましたが、昨年末ぐらいから方針転換を遂げて現在ではかなりポートフォリオが様変わりしました。最終的に結果がどうなるか分かりませんが、長い投資人生なのでその時々の状況や考え方に応じて方針転換も必要だと思います。
こんにちは。お世話になります。
最初は「これで行く!」と決めたポートフォリオでも、色々と考えが変わっていきますよね。
最初からずっと一貫した投資方針でいれる人が凄いです。
あと、ハイテク株のディフェンシブ力の高さが際立っていますね。
それはPL、キャッシュフローを見れば不思議ではありません。
分割などのリスクはあるかもしれませんが、長期投資のポートフォリオには外せない存在だと思います。
Hiroさん
こんにちは、いつも拝見してます。
現況をストレートに出し続けもらえることが、わたしには1番ありがたい情報です。1番勉強になります。
ブログ投稿続けて下さいね。
株式の購入も。
マオさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
はい、思っていること考えていることをそのまま書いています。
自分がふんわり思っていることを言語化するブログは自分としても良い鍛錬というか思考の整理になっています。
今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして。
高配当株投資家達の心の拠り所になってるシーゲル本ですが1950年~2003年のリターンが良かったからといってそれが2020年の現在も通用するとは思えません。
例えばスポーツ選手に最先端の科学トレーニングと80年代の練習を受けさせたら前者の方が結果がいいに決まっています。
配当金なんて強制的に利確され税金払ってるようなものです。10万円振り込まれるより9万9000円貰った方が嬉しいといってるのと同じです。市場平均を下回るのが嫌でしたら素直にs&p500購入された方がいいです。
はじめてまして。ご意見ありがとうございます。
まあ、色んな考えがあってよくて、自分の好きに投資すればよいと思ってます。
下手して損するのは自分ですし。