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【VZ銘柄分析】ベライゾン・コミュニケーションズはデジタル広告で成長を目指す老舗通信企業

      2018/04/05

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/4/4)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)をご紹介します。


   べライゾン財務情報

基本情報

会社名 ベライゾン・コミュニケーションズ
ティッカー VZ
創業 1983年
上場 1983年
決算 12月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 160,900
セクター 電気通信
S&P格付 BBB+
監査法人 EY
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

米国内のみ

 

セグメント別売上構成比

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

 

 

連続増配年数

11年

 

バリュエーション指標等(2018/4/4時点)

PER:6.4倍 最新情報はこちら

配当利回り:5.0% 最新情報はこちら

配当性向:52% 最新情報はこちら

 

感想

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)はワイヤレス(無線)通信業界において、トップAT&Tに次ぐ市場シェアを有しています。ベライゾンはワイヤレス通信事業からの収入が全体の7割を占めます。

グーグルなどシリコンバレーの巨人たちが帝国企業を作り上げて莫大な収益を上げていますが、彼らとてベライゾンの通信網があってこそのビジネスです。

携帯電話・スマートフォンの急速な普及はベライゾンの収益に好影響をもたらしました。しかし、携帯・スマホの普及率が100%に到達していることから成長頭打ちの危機を迎えています。2017年通期のワイヤレス通信事業の売上高は875億ドルで前年比約2%のマイナス成長でした。厳しい事業環境はAT&Tも同様です。ベライゾンもAT&TもM&Aを積極的に活用して新たな成長ドライバーを探しています。

ベライゾンはデジタルメディアに将来の利益成長を求めています。2015年にはAOLを買収。2017年に米ヤフーのインターネット事業の買収手続きを完了させました。買収金額は約45億ドル。米ヤフーはユーザー情報漏洩問題を引き起こしベライゾンは一時買収断念も検討しましたが、買収額は当初の48億ドルから3億ドルほど削減することで合意に至りました。

米ヤフーの買収強行はベライゾンの危機感の表れでもあると思います。デジタル広告事業での成長を目指すのであれば、今ここでヤフー買収を断念することはできないという経営陣の判断です。デジタル広告の競合はグーグルやフェイスブックといったシリコンバレーの王者たちですから、甘くはありません。

財務データを見てみましょう。

売上高は緩やかな右肩上がりですがほぼ横ばいと言えるでしょう。FY16からやや減収傾向となっていますが、収益性の高い「通話料込みプラン」を選択しない顧客が増えたことが主な理由です。最近の若い世代はコストに敏感ですよね。私も最近格安スマホ(UQモバイル)にようやく重い腰を上げて変更しました。

FY17に純利益が急増しておりPERは6倍台と実態を表していません。これは昨年の法人減税によって繰延税金負債を再測定することになり、その再評価益が170億ドル発生したためです。GAAPベースのEPSは7.36ドルですが、税制改革等の一時要因排除後のNon-GAAPベースの調整後EPSは3.74ドルでした。調整後EPSに基づくPERは12.5倍です。

営業CFは安定してプラスで推移しています。設備投資が必要なビジネスモデルのため、どうしてもフリーCFは少なくなりがちです。AT&Tも同じ構造です。営業CFマージンは20%超で高収益です。なお、FY16から営業CFが落ち込んでいるように見えますが、注記を読むとどうやら従来営業CFに分類していた項目を財務CFに変更したものがあるようです。詳細は分かりませんでした。

バランスシートを見てみましょう。FY14に固定資産と固定負債が増加していますが、英ボーダフォンからベライゾン・ワイヤレスの株式45%を1300億ドルで買い取ったためです。そのために多額の借入も行いました。この莫大な債務は依然としてBSに重くのしかかっています。ベライゾンは法人税制改革の恩恵を受けてキャッシュリッチになると思われますが、その資金は自社株買いではなく先ずはこの債務返済に充てられると考えるのが自然でしょう。株主としてもそれを望みます(私はVZ株主)。もう少し自己資本比率を高めて財務安全性を確保した方がいいように感じます。なおFY17に固定負債が減っていますが、繰延税金負債の評価額を落としただけで債務を返済したからではありません。総資産のうち約9割が固定資産でそのうち60%ほどがのれんと無形資産です。無形資産の大半はワイヤレスライセンスです。

配当は緩やかながら増配が続いています。ベライゾンはAT&Tより若干増配率が高いですが、その分配当利回りが低い傾向にあります。ベライゾンの2018年4月現在の配当利回りは5.0%超あり十分魅力的な水準です。ここ最近自社株買いは少ないです。M&Aで事業改革を行っているうえ、上述したベライゾン・ワイヤレス株取得時の債務があるので自社株買いをしている余裕は当面ないと思います。自社株買いするくらいなら、先ずは借金返済に資金を回すと思われます。

デジタル広告ビジネスが成長軌道に乗るのかという事業リスクはあるものの(相手はグーグルやフェイスブックと手強い・・)、通信インフラ事業が今後も安定キャッシュを産んでくれることはほぼ確実です。ベライゾンはインカムゲイン目的で狙いたい銘柄の一つです。

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