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【UL銘柄分析】ユニリーバはLUXやリプトンなどのブランドを持つ家庭用品世界大手

      2018/08/03

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/8/3)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はユニリーバ(UL)をご紹介します。オランダと英国に本社を置く企業でADRとしてNYに上場。


  ユニリーバ財務情報

基本情報

会社名 ユニリーバ
ティッカー UL
創業 1885年
上場 1968年
決算 12月
本社所在地 ロンドン
従業員数 160,566
セクター 生活必需品
S&P格付 A+
監査法人 KPMG
ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500 ×
ナスダック100 ×
ラッセル1000 ×

 

地域別売上構成比

 

セグメント別売上構成比

 

業績


FY09~FY13の粗利率はデータが取れませんでした。

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元


自社株買い金額が拾えず、総還元性向は載せておりません。

 

バリュエーション指標等(2018/8/3時点)

PER:22.5倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.1% 最新情報はこちら

 

感想

1929年、ウォール街が大暴落に見舞われた1カ月前にオランダのマーガリン会社と英国の石鹸会社が合併したできたのがユニリーバです。

食品部門が利益率が高く稼ぎ頭です。クノール、リプトン(紅茶)、LUX(シャンプー)、モッズ・ヘア(シャンプー)、Dove(ボディケア)、ジフ(台所洗剤)などの有名ブランドを多数保有しています。

2017年12月にマーガリン事業を約80億ドルでKKRに売却することを公表しました。マーガリンはバターとの競合などによって収益率が下落しており、ユニリーバ経営陣も必死で対策を講じてきましたが結局売却となりました。もとはマーガリン会社が起源の会社ですから、これは悔しい決断だったろうと思います。先日、クリステンセンのジョブ理論を読んでいたのですが、その中にこのマーガリン事業売却の話が出てきました。クリステンセン教授によれば、ユニリーバはマーガリン事業を復活させることもできたとのこと。。具体的な策は示してなかったですが。

欧米市場での売上比率は6割弱で、アジア新興国市場の売上が全体の4割強もあります。業績が新興国通貨変動の影響を受けやすいと言えます。2018年は新興国の通貨が弱含みしているので、ユニリーバの業績に影響を与える可能性があります。

2017年2月米食品大手のクラフト・ハインツがユニリーバに買収提案を行いましたがこれは撤回されました。クラフトハインツの買収は撤回されましたが、この買収提案はユニリーバの事業再編の必要性を株主に考えさせるものでした。

ユニリーバには比較的利益率が低いホーム・ケア部門がある一方で、パーソナルケア部門と食品部門という収益性の高い部門も存在します。食品部門はクラフトハインツに譲渡した方が株主利益に資するのかもしれません。クラフトハインツと統合することで固定費などのコスト削減が進んで収益性は上がるでしょう。アメリカは株主利益にプラスだと考えれば、反トラスト法に違反しない限りはドラスティックに事業再編、M&Aをやってきます。今後ユニリーバの食品部門を巡って再編があっても何ら不思議ではありません。

財務データを見てみましょう。

売上高は500億ユーロ前後で横ばいが続いています。グラフには記載していませんが営業利益率は15%ほどです。十分高い利益率ではありますが米国のプロクター&ギャンブル(PG)やコルゲート・パルモリーブ(CL)には一歩及ばない印象です。

FY17の売上高はほぼ前年並み。食品部門が不調でしたが、パーソナルケア部門の成長で補いました。売上が横ばいの割に純利益は前年比+17%と大きく伸びましたが、これは米国の税制改革に伴う一時収益の恩恵があったためです。繰延税金負債の評価額を引き下げています。税負担率はFY16が26%なのに対して、FY17は21%に下がりました。

毎期安定した営業CFを稼いでいます。設備投資が少なくフリーCFも潤沢です。営業CFマージンは目安の15%に僅かに届いていません。

バランスシートを見てみましょう。固定資産が多いですがうち半分以上は、過去の買収に伴うのれんと無形資産です。工場、設備等もそれなりにあって総資産の2割弱が有形固定資産です。負債純資産を見ると、FY17に固定負債がやや増えているのが目に付きます。長期借入を増やしているためです。FY17に50億ユーロほど増えています。借入の目的は不明。大きなM&Aの話は聞きません。自己資本比率は23%です。

配当は毎年右肩上がりです。

ユニリーバは優良企業ですが、バリュエーションを無視して財務データだけを見ると、収益性は競合プロクター&ギャンブルの方が優秀だなと感じます。ですが、両社ともキャッシュフローが安定しており長期投資に適した銘柄であることは間違いありません。ユニリーバは英国ADRで現地源泉課税がなく税務的に有利です。NISAと相性が良いです。

 - 米国株銘柄分析