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ババ抜きが始まった債券市場

   

投資と投機の違い

投資と投機の違いって何なのか?

キャピタルゲイン、値上がりを求める行為を投機と言う人がたまにいますが、その考えには反対です。アマゾンは無配なので投資家はインカムを得ることができず、専らキャピタルゲインで利益を得ることになりますが、アマゾン株の購入は投機なのでしょうか?

まさか、んなわけありません。想定保有期間にもよりますが、たとえば10年保有するつもりでアマゾン株を買うなら、それは立派な投資です。今後10年間アマゾンが無配のままであっても投資と言えます。投機ではない。

なぜなら、将来のアマゾンのEPS拡大を予想し、その結果として株価も上がるだろうと期待して株を買っているはずだからです。将来キャッシュフローの割引計算結果が上昇することを見込んでいます。価値上昇あっての価格(株価)上昇を期待しているなら、それは投機ではなく投資です。ゼロサムではなくプラスサムの発想。

価値と価格は違います。価値とは本源的価値とか理論株価とか色んな表現がありますが、将来キャッシュフローの裏付けがある数字です。価格は日々のマーケットで決まる数字、需要と供給のマッチングポイントです。

投資とは価値上昇に伴う合理的な価格上昇を予想して金を投じる行為。一方で、投機とは価値の上昇は期待せず、ただ価格だけが上がると信じて金を投じる行為と言えます。投資か投機かは外観から判断できないこともあり、各主体の主観に依存する部分もあります。Aさんにとってアマゾン株購入は投資でも、Bさんにとってはアマゾン株購入は投機かもしれません。

投機資金が債券市場に集まっているのでは

さて、現在もっとも投機的資金が集中しているように見えるのは債券マーケットです。マイナス利回りの債券は世界に15兆ドル以上もあり、米国債の利回りもかなり下がってきました。10年債利回りは1.5%台、30年債利回りは2.0%台。

これだけ値上がっている債券を買う人は、どういう目的があって買っているのでしょうか。私は大きく3つあると思っています。

①やむを得ず買う(年金基金など)
②暴落に備えて買う
③更なる値上がりを期待して買う

③の値上がり期待で債券を買っている人がかなり増えているのではないでしょうか。キャピタルゲイン狙いは悪でもなんでもありません。ただキャピタルゲイン狙いの中でも、投資ではなく投機目的が増えているのはと思います(別に投機が悪いわけじゃないけど)。

債券への「投資」とは何か。それは期待インフレ率を上回る健全な利回りのもと利息収入を得て、購買力を維持ないし向上させることです。

債券への「投機」とは何か。それは誰かがもっと高値で買ってくれると期待して買うことです。10年間継続保有しても損するとわかっている。でも、保有期間中にもっと高い値段で誰かが買ってくれるだろう。自分はババを引かない。誰かにババを引かせればいい。こういう思惑での債券買いが増えているように見えます。

債券の価値が今より上がると思っている人はそれほど多くはないでしょう。債券の価値が上がるとは、具体的にはインフレ率が下がるという意味です。「実質利回り=名目利回り-インフレ率」。名目利回りが固定の債券の場合、実質利回りはインフレ率次第です。

現在の米国のインフレ率は2%を割っています。ここからインフレ率が大幅に下がると期待するのは無理があると思います。FRBはデフレにはかなり警戒していますから。デフレになるくらいなら、ちょっとインフレが行き過ぎるくらいがマシだと思っていることでしょう。バブル崩壊以降の日本の経済的苦境は、しっかり欧米の勉強の題材になっています。

いま米国債を買って10年継続保有しても、せいぜい購買力を維持できる程度が限界です。少しインフレ率が上向けば、それだけで実質損失になります。それでも債券にこれだけの資金が集中しているのは、投機目的の資金が増えているのも一因ではないでしょうか。もちろん、中央銀行の力も大きいとは思いますが。

債券の価値は上がらないけど、価格は上がりそうだ。だから買う。これは投機です。

単なる投機欲から株を買っているのに、人は、この醜い衝動を論理や良識の背後に隠そうとする。

『証券分析』より


「株」を「債券」に置き換てもそのまま通用する文章です。

ブルームバーグやロイターなどを読んでいると、今後さらに債券価格が上昇する理由を解説する記事を見かけることがあります。なるほど、と思うこともあります。しかし、冷静に考えれば考えるほど、今の債券に投資価値があるとは思えません。投機価値はあると思いますが、参加するつもりはありません。勝てる気がしないから。

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