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【MDT銘柄分析】メドトロニックは心臓ペースメーカーに強い世界トップの医療機器メーカー

   

※2018年4月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はメドトロニック(MDT)をご紹介します。


    メドトロニック財務情報

基本情報

会社名 メドトロニック
ティッカー MDT
創業 1949年
上場 1977年
決算 4月
本社所在地 アイルランド
従業員数 102,688
セクター ヘルスケア
S&P格付 A
監査法人 PwC
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000 ×

 

地域別売上構成比

 

セグメント別売上構成比

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

40年

 

バリュエーション指標等(2018/7/16時点)

予想PER:17.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.3% 最新情報はこちら

 

感想

メドトロニックは1949年に設立された医療機器メーカーで業界トップの地位にあります。主な競合他社としては、アボットラボラトリーズやボストンサイエンティフィック、ジョンソン&ジョンソンなどが挙げられます。

事業セグメントは以下の4つを公表しています。
①心臓血管
②低侵襲治療
③リストラティブセラピー
④糖尿病

なかなか面白いセグメント区分だな~と思いました。②低侵襲治療というのは最近の医療の流れですね。英語では”Minimally Invasive Therapies”と言います。その名の通りですが、患者さんの侵襲を抑えた治療を施すということです。具体的に言えば、心血管の治療でメスで開腹せずに足や手首からカテーテルを入れて治療するなどです。③リストラティブセラピーは、モニタリングなど手術支援器具を取り扱っている事業です。あとなぜか、ニューロバスキュラー(脳血管治療)も③リストラティブセラピー事業に含まれます。

面白いですが、ちょっと何やっているかわかりずらい事業区分ですね。まあ、メドトロニックは医療機器業界の総合デパート的な存在なので、何でもやっているという理解で大きな誤りはありません。

2015年にアイルランド同業のコヴィディエンを430億ドルで買収しました。コヴィディエンは手術用器具や人工呼吸器に強い企業です。当買収に伴って、メドトロニックは本社をアイルランドのダブリンに移すことになりました。アイルランドは法人税率が12.5%と低いです。

2016年に補助人工心臓のハートウェアを11億ドルで買収しました。

世界的に高齢化が進む中、医療機器業界は成長産業であり再編が活発です。先日、ストライカーがボストンサイエンティフィックを買収するのではないかという情報が流れ、一時ボストン株が急騰しました。もし、この買収が成立すれば、メドトロのコヴィディエン買収を超えるディールになると思われます。目が離せない業界です。


特徴的な面白いロゴですよね。

財務データを確認しましょう。

売上高はFY15に急増していますが、コヴィディエン買収による影響です。買収以降、ここ3年間の売上高は300億ドル弱で安定推移しています。グロスマージンは買収後に落ちましたが、徐々に回復しており直近FY17 は70%となっています。高収益です。

営業利益率(グラフにはありませんが)は20%を超えています。なお、FY17は最終減益決算となりましたが、税制改革に伴う一時コストが19億ドル発生している影響です。Non-GAAPの調整後利益は65億ドルで、前年64億ドルから微増です。つまり、実質的には増収増益決算でした。

キャッシュフローは安定しています。FY17の営業CFが減少しているのは恐らく税金絡みだと思います。ちょっと詳細は読み解けませんでした。が、事業は順調なので気にする必要はないでしょう。営業CFマージンも今まで20%超あったのがFY17に15%まで落ちていますが、一時的なものだと思います。

バランスシートを見てみましょう。FY14に固定資産比率が急増していますが、コヴィディエン買収による影響です。買収によってのれんが約300億ドル、無形資産が約250億ドル増加しました。のれんが総資産に占める割合は現在43%にもなります。米国企業はのれんを償却しなので、今後もBSに残り続けます(減損リスクはあるが)。無形資産の中身は顧客関連資産、技術資産、特許などです。すべて一定の年数で償却しており、非償却の資産はありません。

BSの負債純資産を見ましょう。FY14にコヴィディエン買収のため170億ドルを社債で調達したのでやや固定負債比率が上昇しています。以降、有利子負債は順調に返済しており自己資本比率も50%超あります。財務は健全です。

連続増配40年の配当貴族です。配当よりも自社株買いの方が多いです。コヴィディエンを買収したFY14も自社株買いを実施しており総還元性向は100%を超えていました。この辺が米国企業の末恐ろしいところです。借金してでも資金を株主還元に回します。FY17に配当性向が80%上がっていますが、税制改革による一時コストで純利益が減少しているためです。調整後利益を分母にすれば配当性向は50%を切っており、今後の増配に懸念はありません。

ヘルスケアの中でも、医療機器は製薬よりはリスクが低めです。デバイスの開発もFDAの審査があって大変ではありますが、医薬品の開発に比べれば投資額は一桁は小さいです。安定したキャッシュが見込める医療機器メーカーは長期投資先として有望だと思います。

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