※FY20(2021年4月期)決算データ反映

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はメドトロニック(MDT)をご紹介します。

基本情報

会社名メドトロニック
ティッカーMDT
創業1949年
上場1977年
決算4月
本社所在地アイルランド
従業員数9万人以上
セクターヘルスケア
S&P格付A
監査法人PwC
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

42年

過去10年の配当成長

年率+9.9%

この10年で配当は2.6倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2011~2020):+14.7%
過去20年(2001~2020):+5.1%
過去30年(1991~2020):+14.9%

バリュエーション指標(2021/7/4時点)

予想PER:20.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.0% 最新情報はこちら

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メドトロニック(MDT)は1949年に設立された医療機器メーカーで業界トップの地位にあります。主な競合としてはアボットラボラトリーズ(ABT)やボストンサイエンティフィック(BSX)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)などが挙げられます。

事業セグメントは以下の4つ(2021年にセグメント再編されている)。
心臓血管
医療外科
神経科学
糖尿病

心臓血管はペースメーカーや、植込み型心臓モニタ、アブレーションカテーテルなどを取り扱うMDTの主力部門です。

医療外科は呼吸器、胃腸や腎臓のケアソリューション、内視鏡や外科ロボティクスなどを取り扱う部門です。

神経科学は頭蓋、脊髄技術、特殊療法、神経調節部門で構成されています。

2015年にアイルランド同業のコヴィディエンを430億ドルで買収しました。コヴィディエンは手術用器具や人工呼吸器に強い企業です。当買収に伴って、メドトロニックは本社をアイルランドのダブリンに移すことになりました。アイルランドは法人税率が12.5%と低いです。

2016年に補助人工心臓のハートウェアを11億ドルで買収しました。世界的に高齢化が進む中、医療機器業界は成長産業であり再編が活発です。

メドトロニックは幅広い製品ポートフォリオをそろえており、医療機器業界の総合デパート的な存在と言えます。

財務データを確認しましょう。

売上高はFY15に急増しているのは、コヴィディエン買収による影響です。

FY20(21年4月期)の売上高は301億ドルで前年比+4%。欧米ではワクチン接種も進み、待機手術の解消が進んでいることがわかります。症例数はパンデミック前の水準に戻っています。

FY20の純利益は36億ドルで前年比▲25%の減益。前年は税金関連で特別利益がありました。一時要因を除いた調整後利益ベースではほぼ前年並みです(やや減益)。

連続増配42年の配当貴族。自社株買いにも積極的。大型M&Aがあったにもかかわらず株主還元を怠っていません。コロナ禍の中でも増配継続。