先日、資産運用大手ブラックロック(BLK)が第2四半期決算を発表しました。

結果はかなり良かったです。Non GAAPの調整後EPSは予想7.76ドルに対して9.22ドル。売上高は予想38.9億ドルに対して43.7億ドルで前年同期比で+18.4%。AUM(運用資産残高)は予想7.7兆ドルに対して7.8兆ドル。

予想を大きく超える強い決算を受けてBLKの株価は史上最高値を更新。

私はBLK株主なので株価上昇は素直に嬉しいのですが、このBLKの好決算は米国経済の低成長を暗示しているかもなとちょっと不安になりました。BLKはポートフォリオの5%強を占めるに過ぎません。他の95%の銘柄的にはネガティブな面もあると感じました。

というのも、ラリー・フィンクCEOがCNBCのインタビューでこのような発言をしているからです。

平均的な投資家の投資がまだ不足している。今後数カ月、数年にわたってより多くの資金が投入されるだろう。パンデミックが若者の将来不安を高めており、長期志向の投資が増えている。

ブラックロックCEO ラリー・フィンク

アメリカではコロナ対策として追加の失業給付など巨額の財政出動が行われ、第2弾として2兆ドル規模のパッケージが検討されているところです。

3月の暴落から急速に株価が戻しているのは、米政府の財政出動で国民の貯蓄が増え、それが消費に回ることで企業業績はすぐに回復するとマーケットが信じているからです。

しかし、貯蓄が増えるだけで資金が消費に回らなかったら、マーケットの想定が狂います。これだけ投資をしている私が言うのもなんですが、みんなが貯蓄・投資ばかりすると経済は回りません。消費が増えないと。

お金もらったし車でも買おうか!ではなく、iシェアーズのETFでも買おうか!となると結局資金は金融市場をグルグル回るだけです。

ブラックロックの決算は数多くあるデータの一つでしかありません。アメリカでは住宅市場は好調なようですし、やはり消費者マインドは改善傾向にあるというのが正しい解釈でしょうか。ただ、これは財政政策の効果というよりはリモートワークの効果のような気もしますけどね。

まあマクロ経済予想なんて無理だし、ましてや素人の私がわかるわけないんですけどね。ただBLK好決算の背景を聞いて、なんかふと不安を感じた次第です。