金融政策から財政政策へのパラダイムシフト

コロナ禍でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速したと言われます。アマゾン、アップル、マイクロソフトなどナスダック銘柄の好調が目立ちますね。

コロナがなくとも社会のデジタル化は不可逆でしたが、その変化の速度が一気に高まりました。買い物も教育もエンタメも、あらゆることがデジタル化しつつあります。

もう一つ、コロナ禍が推し進めたことがあると思います。それが金融政策から財政政策へのパラダイムシフト

これも遅かれ早かれ起こることでしたが、コロナ禍で苦しむ国民を助けるという名目でMMT的な政策が米議会を通過し、あっという間に現実のものとなりました。

生産性が上がって社会が豊かになれば、私たちはあくせく働かずとも食っていくことができます。お金は労働によって稼ぐものという常識はいつか過去のものとなるはず。今はまだまだ過渡期ですが。

これからの10年、いや30年、いやいや今後半永久的に信用の供給は民間銀行ではなく政府になるだろうと私は予想しています。コロナはあくまできっかけ。

MMT的な発想が出てきたのは時代の要請です。私たちは本当はもっと贅沢な暮らしを送れるのかもしれません。人の労働ではなくITや機械がメシを供給してくれるのに、それを拒否する理由があるでしょうか。

財政主導で上がる業種、銘柄

さて、そんな財政主導へと変わるこれからの10年に上がるのはどんな業種、銘柄でしょうか?

私はたまにこんな想像をします。

自分に通貨発行権があったら何を買うだろうか?と。

つまり、合法的に無限にお金を刷れるならどうするかってことです。無論、現実には国家にしかこの権限はありません。あくまで空想。

社会のマネーストックはまだまだ増えると思います。つまり、人々の預金口座の残高が増えるということ。働かなくとも。

お金が空から降ってきたら、あなたなら何を買いますか?

私なら、、こんな感じかな。
・もっと広くて設備の良い家に引っ越す
・毎日千円ランチ
・ファーストクラスで海外旅行する(海外旅行はそんな好きじゃないが、一度くらい乗ってみたい)
・銀座で美味しいステーキディナー食べたい(うかい亭とか行ってみたいな)
・レンタカーでBMWに乗ってみたい(そんなサービスあるかは知らん)

とこれくらいしか思いつかないです。無限に金があるわけだからプライベートジェット買うとか、土地を買ってどうこうとか色々あるかもしれませんが、私はこれくらいしか思いつかないです。

いくら金があっても時間は有限ですしね、あれもこれもってわけにはいかないです。色々遊んで美味しいもの食べて、一周回ってカフェ読書という今と同じ余暇の過ごし方に落ち着く気がしますw

まあ何が言いたいかと言うと、すでに豊かな先進国で暮らしている人々の口座残高が増えたら、贅沢な商品やサービスに対する需要が増えるはずってことです。

エルメスやLVMHといった大手高級品ブランドの業績が好調ですが、その傾向はこれからも続くかもしれません。

労働が減って時間が余るから娯楽を提供するサービスも伸びるはず。

今は停滞している航空業界も中長期的には復活するのではと思います。旅行はVRで代替できませんよ。ビジネス需要は完全には戻らないでしょうが。バフェットはデルタ航空(DAL)を売っちゃったことをいつか後悔するかも。

ウォルトディズニー(DIS)、コムキャスト(CMCSA)、ネットフリックス(NFLX)などのコンテンツ系も有望でしょう。アクティビジョン・ブリザード(ATVI)、エレクトニック・アーツ(EA)などのゲーム系も伸びそうかな。

逆に期待できないのは生活必需品セクター。貯金が増えても1日に食べるご飯の量、シャンプー使用量、ティッシュの消費量はほとんど変わらないですよね。

プロクター&ギャンブル(PG)やペプシコ(PEP)はコロナ過でも安定した業績を維持しましたが、これからの10年では相対的に劣るかもなあと危惧しています(私はPEP株主)。

生活必需品セクターは需要が安定しているからキャッシュフローが途絶える心配がほとんどなく、その点がバイ&ホールド先として魅力ですけどね。なので、PEPを売る気は今はないです。

同じ生活必需品セクターの中でもコカ・コーラ(KO)なんかは良いかも。飲料自体は贅沢品ではありませんが、外食や旅行といったプチ贅沢なサービスに付随して消費される量がかなり多いので。それが仇になってロックダウン中は大きく株価が大きく下落しましたが、今後10年は日用品メーカーより遥かに高い利益成長が期待できそうです。ちなみに今週のバロンズもKO推し。