1970年代前半にニフティフィフティ相場(Nifty fifty)と呼ばれる時期がありました。コカ・コーラやジョンソン&ジョンソン、ペプシコなど一部の優良銘柄のバリュエーションが40倍を超えて高騰しました。

いくら優良企業でも、PER50倍という高値で買うとリターンは乏しくなります。

こんな異常バリュエーションの中にあって、S&P500平均を超えるリターンを残した銘柄があります。ジョンソン&ジョンソン(JNJ)です。JNJのような優良銘柄であればPER50倍台で買っても、長期では高いリターンを実現できるわけです。

でも、逆に言えばジョンソン&ジョンソン以外の49銘柄のリターンは、S&P500平均を超えることができませんした。30年保有すれば、リターンプラスを確保した銘柄は多くあるでしょうが、S&P500平均を超えるほどのハイリターンを残したのはJNJ1社のみです。

ニフティフィフティ相場から学べること教訓つあると思っています。
・長期的に増益を続けられる優良銘柄であれば、買い値はあまり重要ではない
・いくら優良銘柄と言えども、買い値は常に重要である

矛盾しているように見えますが、どちらも長期投資家として心に留めておきたいことです。

JNJのような優良株投資であればあまりタイミングを見計らう必要はありません。いつ買っても長期では大抵儲かります。

ですが、買い値が投資リターンを左右することもまた事実。PERや配当利回りなどのバリュエーション指標の確認は必須です。いつ買っても問題ないことが多いですが、安く買えるに越したことはありません。好んでPER50倍で買う必要はありません。

優良な銘柄には、高い対価を払う値打ちがある(優良なワインとおなじだ)。だが、「いくら払ってでも」買う値打ちのある銘柄は、どこにも存在しない。

『株式投資の未来』より

 

黄金銘柄に支払う対価は、PER20倍~30倍までが妥当だろう。

『株式投資の未来』より


思うに、黄金銘柄であればPER30倍以上で買っても長期では市場平均を超えるチャンスがあると思います。でもだからって、敢えて高いPERで投資する意味なんてありません。当たり前ですが。優良株だからってバリュエーションを全く確認せずに投資するのは、ちょっと怠慢かなって思います。ネットで簡単に調べれる時代ですから、買い値の妥当性チェックは毎回やった方がいいです。

安心して欲しいのは、仮に買い値をミスっても長期では取り戻せる可能性が高いということです(黄金銘柄なら)。時間分散で投資すれば、相場の天井で一気掴みすることもありません。