2020年12月期のJPモルガンチェース(JPM)のバランスシートを見ていて驚きました。預金残高がめちゃくちゃ増えてるんです。

(Source:Form 10-K)

JPMの預金残高は2019年末が1.5兆ドルだったのに対して、2020年末は2.1兆ドル。率にして37%も増加しています。

コロナ禍での米政府の給付金、失業手当等の支援でいかにアメリカ人の貯蓄が増えたかが一目瞭然でわかりますね。

あ、ちなみに銀行にとっての預金とは負債ですが、私たちにとっては資産ですね。

当たり前ですが預金は引き出して消費することができます。そこが過去の金融緩和と違うところ。すなわち、銀行の貸出を促して経済活性化を図るのではなく、直に経済に資金を投入しているということです。

バンクオブアメリカ(BAC)、シティ(C)、ウェルズファーゴ(WFC)の預金推移も見てみました。

(Source:Form 10-K)

(Source:Form 10-K)

(Source:Form 10-K)

ウェルズファーゴ以外の3行は二桁の増加率を記録しています。

2019年末→2020年末の預金増加率は以下の通り。

JPM:+37%
BAC:+18%
C:+20%
WFC:+6%

4行合計の増加率は+21%でした。すごくざっくり言って、アメリカ人の金融資産はコロナ禍で20%も増えたということになります。

米国のマネーサプライは約30%増加しています。それが主要行のバランスシートからはっきり読み取れます。

この莫大なお金が消費を待っています。旅行、レジャー、住宅、ゲームあらゆる分野に資金が回ることでしょう。そりゃ、株価も上がるわけです。

良いことばかりではなく、これだけのお金を国民にばらまいたため、インフレが懸念されています。

物価上昇は一時的だとFRB幹部は言ってます。それを信じるならば、経済はこれから数年凄まじい勢いで回っていくはずです。

株価は将来を見ているので、経済成長をすでに織り込んでいる面もあるでしょう。慎重さは忘れずにいたいところですが、いまマーケットから降りるのはちょっと難しいですね。まだまだ上がりそうな予感。