株式投資で犯した過ち。バリュエーション優先の投資判断

私は株式投資で平均以下の成果しか残せていません。その一番の原因は、特に米株をはじめた最初の数年間の株式投資に対する考え方に過ちがあったからです。

その過ちとは、質の良い銘柄を選ぶことよりも割安感のある売られがちな銘柄の方が投資価値が高いと考えていたことです。

「成長すなわちリターンにあらず」、と感銘を受けた某書籍には書いてありました。

なるほど、みんなが欲しがる優良企業は確かに素晴らしいPLを備えているけれど、買われ過ぎて割高になることが多いのか、ふむふむ。そうじゃなくて、大衆に注目されない、でもしっかりキャッシュは稼いでいる成熟株を買った方が長期では儲かるんだ。なるほど!

こう考えました。

成長を買うんじゃなくて、低いバリュエーションを買っていました。

ハイテクセクターではなくエネルギーセクターを買いました。マイクロソフトではなくIBMを買いました。

そして、含み損に苦しみ、結局は損切りしてしまった銘柄も多くあります。

米株投資家界隈では有名なバフェット名言の一つ、「素晴らしい企業の株をほどほどの価格で買いなさい」。この言葉が長期投資でもっとも重要だと今は思っています。

高い利回り(低いPER)に過度に釣られないこと。利回りが低い(PERが高い)ことを多少は我慢して、将来有望で誰しもが優良だと認める成長企業に投資した方が報われやすい。今はこう考えています。

すでにかなり値上がってしまったアップルやマイクロソフトですが、今から買っても長期ではしっかり報われると思います。下手にエネルギー株とかに手を出すよりよほどリスクリターンは良いのではないでしょうか。

株式投資で得た教訓を不動産投資(自宅購入)に生かしたい

低いバリュエーションの誘惑に乗ってはいけない。株式投資での失敗を通して得たこの教訓は、株以外あらゆる投資領域で共通する法則だと思います。

失敗が株で良かったです。というのも、株は分散投資が可能だからです。これまでIBM、AT&T、ウェルズファーゴなどたくさん損切りしてきましたが、その損失額はぜんぶ合わせても100万円超えるくらいです。

100万円の損失って無視できる金額ではないけれど、身を滅ぼすほどの大失敗でもありません。他の投資での成功、仕事で稼ぐ給料などで挽回できる範囲内です。

さて、私はいま都内で中古マンションを買おうと画策しています。実は先日、1件購入申し込みを入れる寸前で別の人に取られてしまいました。いま新たな案件に取り掛かっているところです。昨日、内覧に行ってきました。

マンション選びで私が気を付けていることは、安い物件に飛びつかないことです。立地が良い物件はどうしても面積の割に値が張ります。坪単価が高く、利回りも低いことが多いです。

一見すると割高に見えますが、こういうマンションの方が投資価値が高いはずと感じています。

不動産は分散投資ができません。私が狙っている物件の価格レンジは5000万円~7000万円です。保有株式の時価を超える規模です。フルローンの予定です。不動産はハイレバレッジの集中投資にならざるを得ないです。

こんなビッグな金額の集中投資で判断ミスを犯したら容易には挽回できません。「IBMへの投資ミスったな~、あはは」と言えるレベルではありません。6000万円の投資資産が20%値下がりしたら、損失は1000万円を超えます。

先に株式投資で過ちを経験しておいて良かったとポジティブに考えています。住宅購入では株と同じ過ちは絶対に避けないといけません。「素晴らしい物件をほどほどの価格で買う」という発想で物件選びを行っています。

とは言え、不動産は株式以上に勉強が足りていないので、高値掴みが心配ではあります。同じマンションの他の部屋の過去の売買履歴、周辺の同クラスのマンションの売り出し価格、賃料と比較した利回りなどを見て、合理的な価格を探っています。

高値でも良い立地の物件を買うことが大切。でも、バリュエーションを無視して買ってはいけない。資産価値とは物件そのものの価値もありますが、買値がいくらかという点も影響します。

物件の価値とバリュエーション、どちらも重要ですが、前者は絶対に妥協しないようにしています。バリュエーションは多少は我慢してもいいかなと思います。物件のクオリティが高ければ、自分が思う妥当な価格より坪単価が3%くらい高くてもお金を出してもいいかなと。