年初の4ヶ月としては、米株価はここ数十年で最悪のスタートらしいです。以下は主要3指数の年初来チャート。

(グーグルファイナンス)

ナスダックが▲26%ともっとも酷いです。

が、テックはこの10年で凄まじく上がってきたわけですし、長く株をやっていればこれくらいの調整起こるもんでしょ、くらいの感じです。

急落した現時点から起算しても、ナスダック100の過去10年の累積トータルリターンは+400%で、S&P500の+190%の2倍超です。

2022年下がることを事前に予想していたわけでは全くありませんが、いずれ調整が起こることは想定済みです。インフレが高まって、金利が上がって、そしてハイテクグロース株が崩れる。これは完全に教科書通りです。

なので、株価が下がって資産が減るのはもちろん嫌だけど、そんなに慌ててないです。コロナ禍暴落は未曾有の出来事で先が全く読めず狼狽したけど、今回は金利上昇に伴うバリュエーション調整と頭で理解できるので冷静でいられます。

一旦落ち着きましょってことです。投機的な銘柄が軒並み売られてますけど、これくらいが丁度いいんだと思いますけどね。株価が調整されてむしろ安心するくらいです。

ダウは▲12%。S&P500は年初から一時20%安に差し掛かりました。年初からの動きだけで割安度を判断するのはあれだけど、これくらい下がるとちょっと買い場かなあという気もしてくるものです。

だがしかし!

私たち日本人投資家にとっては全くもって魅力的な買い場になってないです。

円安のせいで!!

以下はドル円の年初来チャート。

(グーグルファイナンス)

1ドル131円台まで行きましたね。現在は129円台で4ヶ月で12.4%も円安ドル高になっています。ドル高でもあるし、同時に円安でもあります。円はあらゆる通貨に対して売られています。

円建てで見ればダウは昨年末より少し割高なくらいです。S&P500は円建てで4%安。同じくナスダックは14%安。

急落しているナスダックこそ円建てでも割安感出ていますが、それでも言うて10%ちょっと下がっただけです。

この程度ではワクワク感のある買い場とはなりません。ドル円相場が戻るまで余剰資金は待機でもいいかなあという感じです。為替が円高方向に戻る保証なんてないですけどね。

最近の相場を見て感じるのは、ドル円は米10年債利回りとかなり連動してるということです。米金利が上がれば円安、逆に米金利が下がれば円高に動きます。

「国際金融のトリレンマ」という言葉があります。

国の政策として、以下の3つのうち必ず1つは諦めなきゃいけないという原則です。
①金融政策の独立性
②自由な国際資本移動
③為替相場の安定

この原則通りだなと最近よく感じます。
①日銀が独立した立場で自由に長期金利を抑えている
②日本は資本規制は行っていない(当然)
③よって為替はいつもにも増して不安定

日本に限らず、先進国が「為替相場の安定」を捨てている(=変動相場制)のは今に限った話ではないですが、特に最近は日米で金融政策の方向性が真逆なので、余計にこの原則を感じます。

金利抑制の裏返しとしての円安です。こっちの方が日本の国益になるという判断でしょう。

確かに、高金利円高よりも、低金利円安の方が日本にメリットあるような気もします。感覚で言ってるだけですが。専門的なことはよくわからんけども。

米金利もっと上がると思いますか?

私はそんなに上がらないと思うんですよね。

確かにインフレは心配ではあるけど、あまりに物価が上がれば勝手に消費は抑制されるわけだし、自律的にコロナ前のマクロ経済環境に少しずつ戻っていくのでは、という気がします。FRBも遅ればせながらタカ派になってますし。

やはり今のドル円は行き過ぎで、いづれは戻ってくるのかなあと。ドル円が年初くらいに戻れば、日本人投資家にとっても米株の買い場になるなあと感じます。

まあ、その頃には米株が上がってしまっているかもしれませんが。

私たちにとって投資原価は株価×為替なわけで、底値を狙うのは相当に難しいです。やっぱり毎月地道に積み立てる戦略が合理的なのかなって思いますね。