借金は経済的に得だと思っています。
レバレッジ投資は悪くない、むしろうまく資金繰り管理できればよい結果を生むと思います。
ですが、株式投資家は過度にレバレッジを掛けて投資しようと考えないと方がいいと思います。
なぜなら、株式投資そのものに借金(レバレッジ)が内在されているからです。
株式会社は負債を調達してレバレッジを掛けてビジネスをやっていること普通です。そんな株式会社にレバレッジ投資をすれば2重でレバレッジを掛けることになってしまいます。
負債比率100%(つまりバランスシート右側の半分が負債)の会社に、レバレッジ2倍で投資すれば、実質的には4倍のレバレッジが掛かっていることになります。
株式投資そのものに借金がパッケージされてるんだから、いくら借金が得とは言えあなた自身が無理に金融機関から借金して投資しようとまで思わなくてもいいと思います。
レバレッジ投資はうまく嵌れば高いリターンをもたらしてくれますが、慎重さを忘れるべきではないです。
基本は自己資金の範囲で投資をするという方針が堅実で良いと思いますよ。
「負債がある会社の株にはレバレッジが含まれている」という考え方、大賛成です。
”証券”投資にレバレッジは良いか悪いか、ということは私も考えましたね。
無しが基本、というのが今の私の意見です。理由はですね・・・
一般的な言葉として、投資というと株式や債券といった証券を買う証券投資と、
そうでない実業のための設備を買う設備投資の2通りがありますよね。
ROIC>WACCなら借金をすべき、というのは基本的に設備投資での話だからです。
なおかつ、上場企業はすでに資本構成最適化のために適度に借金をしているはずです。
そういう会社の株を投資家が借金せずに買えば、
ファイナンス理論的にも会社法的にも、その投資家は間接的に適度な借金をしていることになります。
また、レバレッジ投資には「元本を超える損失がありうる&有限責任でなくなる」という危険があります。
レバレッジなしの現物株投資であれば、投資先企業にどんな負債があろうと、
ありうる損失は株の購入代金の範囲内で済みます。会社法で決められた株主の有限責任というやつです。
有限責任という安全で恵まれた立場を捨ててまで、
証券投資でリターンを追求することには慎重であるべきです。
また、個人投資家の信用力など上場大企業のそれと比べればものすごく低いので、
証券投資目的で個人が低利融資を受けられる可能性は完全に無いと思って良いはずです。
では上記を踏まえると、どのような行動を取るのが良いか?をポジティブに考えますと・・・
「低利融資で大きくレバレッジをかけている会社(業種は不問)の株を、借金せずに買う」です。
そういう会社の株を借金せずに買ったとして、その後利益や損失が出たケースを考えると・・・
ケース1:
その会社が大きな利益を出せば、利払い後の利益は株主で山分けです。債権者の利益は利息だけです。
ケース2:
その会社が大きな損失を出し債務超過になって潰れても、株主の損失は株の価値がゼロになるだけで、
超過債務にあたる損失は債権者に押し付けることができます。
上記ケースでよくわかると思うのですけど、有限責任株主ってズルいくらい有利ですよね?
でもそのズルさが、古代や中世とは異なる、近代資本主義の活力になっているのだと思います。
きしょうさん、
おはようございます。
素晴らしいコメントをありがとうございます。
朝からスタバで感動しております。
きしょうさんがコメント内でおっしゃっていること、すべて同意です。
まあ私は証券投資にまで少しレバレッジをかけようとしている点で考えにやや相違ありますが、基本的な思考はきしょうさんと同じです。
>投資というと株式や債券といった証券を買う証券投資と、そうでない実業のための設備を買う設備投資の2通りがあり・
はい、そうですよね。
私はこの2つの違いを自分の中で、内的投資と外的投資という言葉を作って区分しています。
(専門用語ではなく、私Hiroの造語です。。)
株式投資って所詮外的投資なんですよね。
だから株式投資でどれだけ高いリターンを得ようと思っても、限度があります。
ハイレバレッジな短期トレードなら一夜で大儲けするチャンスもあるでしょうが、長期株式投資収入という意味ではどれだけ優れた銘柄選択眼があっても利益には限界があります。
それは所詮、株式投資とはリスク資本を提供するexternalなものに過ぎないからです。
私はブログで、「普通のサラリーマン投資家は投資に時間を掛けずにS&P500買っておけばいいよ」と言っている理由もここです。
外的投資である株式投資にそんな熱意と時間を掛けても、リターンには限界があります。
自己資金の範囲内で投資するならなおさらです。
>レバレッジ投資には「元本を超える損失がありうる&有限責任でなくなる」という危険があります。
この言葉には「はっ」とさせられます。
株式投資の最大のメリットは元本に損失が限定されていることですね。
だからこそ、多くの個人が資本を投資して株式会社は大きくなり世界経済はここまで発展してきました。
レバレッジをかけるということは、最大損失額がレバレッジ比率分拡大するという認識は持っておくべきですね。
>「低利融資で大きくレバレッジをかけている会社(業種は不問)の株を、借金せずに買う」
ですね。
おっしゃる通り。
これが最も合理的な借金活用法ですね。
個人が低利で借入するのは事実上不可能なのだから、信用力のある企業の力を借りればいいという発想ですね。
しかも現代はネット証券でポチッと株を買えば、簡単にその力を借りれるわけですからね。
間接的に借金すればいいだけです。
ケースのご説明、大変わかりやすいです。
確かに個人が借金すれば、その返済は必須ですが、会社が借金していれば万が一デフォルト起こしても投資家には負担ゼロですね。
そうか、それは今まで考えたことなかった発想です。
有限責任の株主の立場の強さを改めて感じます。
上場企業の株主がそれだけ恵まれた立場にあるからこそ、余計に投資リターンに過大な期待は禁物とも言えますね。
やはり、リスクとリターンは連動しているものだと思いますから。
法制度によって過度に保護されているのが株主です。
株式投資ってリスク取っている印象がありますが、優良企業への株式投資なんてリスク取っている内に入らないのかもしれませんね。
ところで、先ほど別の読者さんが無担保で1.5%で借りた実績があるとおっしゃっていました。
個人がレバレッジをかける必要性はないというきしょうさんのご意見には同意なのですが、もし本当に1.5%で資金をファイナンスできれば多分私はレバレッジ投資しちゃいます。もちろん、レバレッジ比率は抑えた上で。
まあ多分無理だと思っておりますが。
いつもためになる記事をありがとうございます。
ここ最近の債務シリーズは基礎から発展、応用まで密度の濃さに驚かされています。
また、観念的に理解していた事象を文字化してくださっているので、自分の理解がかなり深まって本当に感謝しております。
会計論を平たく説明する能力の高さには感嘆してしまいます。
これからも楽しみにしています。
いいえ、とんでもないです。
こちらこそ、以前NISA口座の投資法についてアドバイス頂き感謝しております。
確かに最近は債務シリーズになっていますね。
あまり意識してなかったですが、気が付いたら借金ネタばかりになっていました(笑)。
借金は悪いこと、という印象がどうしても先行してしまいがちなので、株式投資家の方には是非その固定観念を壊してほしいという思いがありました。
株式会社自身が借金してビジネスしている以上、投資家も借金とは無縁ではいられません。
一方で、きしょうさんがコメントして下さっている通り、個人が無理してレバレッジを掛ける必要性は薄いとも言えます。
株式投資を利用して、間接的にたくさん借金して資本主義経済の恩恵を最大限を享受するのが良い戦略みたいですね。
今後ともよろしくお願いします。
株式会社がすでにレバレッジをかけているので
投資家は無理にレバレッジをかける必要はないという考え方は
自分の発想にはありませんでした!
それにしても皆さん本当に頭がいいですねぇ…
私は肌感覚や経験で無理なレバレッジは避けたほうがいいと思っていただけなので
理論立てて考えていたわけではありませんでした。
ここのブログはコメント欄含め本当に勉強になります。
私は株式投資には間接的なレバレッジ効果があるとは以前から思っていましたが、きしょうさんがコメント下さった個人レバレッジと企業レバレッジの差異についてまでは思考が及んでいませんでした。
とても勉強になるコメントでした。
自分にはできない他の投資家の深い発想を知れるのは、とても有意義ですよね!
>それにしても皆さん本当に頭がいいですねぇ…
ですよね~。
コメント読んでて、鳥肌が立つことがあります。
もっと適当なお気軽なコメントもたまには大歓迎ですけどね!w
まあコメント頂けるだけで本当にありがたい限りです。
>ここのブログはコメント欄含め本当に勉強になります。
そう言って頂けて嬉しいです。
皆様に感謝感謝です。
勉強になりましたっ!
そしていつもの如くコメント欄が濃厚ですね
不動産はレバレッジを掛けて稼ぐが王道ですが、株式もできないものかとよく考えることがあります。でもHiroさんがおっしゃるように投資先がすでにレバレッジを内在してるよなぁと思うと、素人がそれ以上に手を出すより、私はプロのCFOに任せちゃいたいです。
ソフトバンクを信用取引Maxをしたらレバレッジ30倍。これは正気の沙汰ではないでしょうね
私も勉強になりました!
有益なコメントに感謝です。
不動産は投資でもありますが、どちらかと言うと事業だと思っています。
自分の戦略、交渉力次第で大きなリターンを獲得することできて、株のように市場平均という概念が薄いです。
だからこそ、レバレッジする価値があります。
株式はやはり違いますね。
所詮、外的な投資です。
おっしゃる通り、素人が自分の判断でしかも小さな信用力で借入するより、CFOに任せた方が絶対に合理的ですよね。
それにしても、個人と企業の借金の性質の違いをご指摘してくださったきしょうさんのコメントには脱帽でした。
>ソフトバンクを信用取引Maxをしたらレバレッジ30倍。
そうですね、ソフトバンクにレバレッジ投資をする必要は全くないですね。
超ハイレバレッジになっちゃいます(笑)。
Hiroさん いつも有益なテーマ有難うございます。債務利用によるレバレッジ効果のシリーズ、大変興味深く拝見しました。私自身基本的に同感する部分が多く、実際、退職金で完済する道もあったにもかかわらず、低利の住宅ローン(固定)に借り換えして一部債務を残し、投資に回しています。しかし個人が直接過度なレバレッジポジションを持つことは、投資成果に絶対が無い以上やはり避けるべきだと思います。
企業に投資することで既に相応の債務レバレッジがかかっている。しかも有限責任という防御壁の中で・・。大変興味深い考察で納得しました。Softbankに投資したら・・本当ですね。孫さんの経営手腕と投資者としての目利きに期待して100株だけ保有し続けているのですが、そうした側面もあるのかと目から鱗の情報でした。
SOUTHPAW-YASUさん、こんばんは。
気が付いたらレバレッジシリーズになっておりました。。
そして今日もレバレッジネタを上げてしまいました。
さすがに今日でいったん終わりにします。
たとえ一括購入できる資金があっても、住宅ローンは借りた方が得だと思います。
真面目な人ほど繰り上げ返済をしているようですが、あれはどうなのですかね。
仲の良い友人(既婚女性)がいるのですが、彼女は旦那さんと共同名義で4000万円の都内新築マンション買ってガンガン繰り上げ返済していました。
ダブルエンジンの力は強い。。
まあ預金で放置するくらいなら、繰り上げ返済したほうが得だとは思いますが。
しかしながら、もし金利が2%以下なら繰り上げ返済はせずに、余剰資金は米国株投資に回した方が有利だと思います。
なので、SOUTHPAW-YASUさんのご判断に賛成です。
おっしゃる通り、個人が過度なレバレッジ投資をするのは控えたほうがいいですね。
私はいまだに個人でレバレッジ投資しても別に構わないだろうと思っておりますが、レバレッジ比率はかなり低く抑えるべきだと考えています。
また、基本は自己資金の範囲内で投資することが良いと思います。
私も記事を書く中で、また読者さんからのアドバイスを聞いて、株式投資を通じて間接的に借金することもメリットを理解できて勉強になりました。
それにしても有限責任とは、これこそワイドモートですね。
鉄壁です。
コメントありがとうございました。