自宅購入プロジェクトがカットオーバーとなった今でもなお、首都圏マンション相場をウォッチし続けています。特に信頼してフォローしているのが沖有人さんとマンションマニアさんのお二人です。
沖さんは米株評論家のシーゲル教授みたいな印象があって、説明が非常に理論的で納得感があります。沖さんの説明を読んで「マンション購入は絶対に得だ(私の場合は)」と腑に落ちて理解できました。
そんな沖さんが最近のコラムで「新築マンションは割高だぞ!」と警鐘を鳴らしています。
「こんなに高くても新築を買いたいか?」(住まいサーフィンより)
マンション価格が高過ぎるというニュースはネットで毎日のように出てきますが、沖さんが言ってるところが注目に値します。最近の新築マンションは適正価格より2割ほど高いとのご指摘です。
あくまで平均であって、個別物件ごとに事情は異なります。マンションマニアさんも最近の新築は高いね~とよく仰ってますが、たとえば「ブランズ牛込柳町」という物件は割安感があるとのことです。
確かに特に新築マンションは価格が高騰しているのですが、これはバブルではないと私は判断しています。
バブルとは需要は無視して高値を承知しているけど「もっと高い価格で買ってくれる第3者が容易に見つかるだろう」、という思惑から買いが集中して、価格がファンダメンタル無視でグングン上がる事象を言います。
日本の不動産がそんな状況にあるとはとても思えません。仮想通貨が流行っていた時に「ビットコイン買ってる?」という話題は職場でもそこそこ出ましたが、「値上りしているけどマンション買ってる?、土地買ってる?」なんて話は全く出ません。
結婚などをきっかけに実需として家を買うかどうかの話を聞くことはあっても、マンションを金融商品的な文脈で語っている人は今のところ出会ったことがないです。
特に豊洲などの湾岸エリアは賃料も上がって物件価格も上がっているので、利回りで見ると健全な範囲であることがわかります。
利回りは凄く重要です。
利回り4%確保できれば、金利1%を差し引いても3%残ります。3%を高いと見るか低いと見るかは意見が分かれるでしょうが、過去のスプレッドと比べても異常に低いわけでもありません。自宅マンションはローリスク商品なので、利回りもこんなものかなという感じです。
日銀の金利コントロールで債券がバブルだから、低金利に支えられたマンションもバブルだ、というロジックはあると思います。確かに利回り4%、都心部だと3%台でも流通しているのは、低金利が大前提です。
そこは何とも言い難いです。今後日本の金利が上がる可能性もあります。もし住宅ローンの金利が平均で1%でも上がろうものなら、今の不動産価格は維持不可能だと思います。
金利は所与とさせてもらえば、マンションは投機で価格が上がっているわけではなく実需が背景だと言えると思います。
私は業者ではないので誰がどういう目的で買っているかデータを持っているわけではありません。が、今の不動産に対する強い需要は在宅勤務が普及して、自宅環境に投資したいという強いニーズが背景にあると思います。
ちなみに、米国も同様のようです。最近ブルームバーグにこんな記事がありました。「コロナ禍の住宅上昇、原因の60%余りはリモートワーク」
供給が限られる中で需要が強ければ価格が上がるのは経済の原理です。
ただ原因がバブルであれ実需であれ、沖さんが指摘されるように特に新築マンション価格に割高感があることは事実です。原因がどうあれ住宅価格が高いことは、特に一次取得者にとっては大問題です。
会社の家賃手当があるなら需要が落ち着くまで待つというのも作戦としてありかもしれません。
ただ2,3年で需要が落ちるとも思えないので、人生タイミングとして購入を考えるタイミングの市況の運が悪かったと諦めて、少しでも割高感のない物件を中古含めて検討して買う努力をしますかね。私なら。今からであったとしても。