有り難いことに私はこのブログで好き放題書かせてもらっています。別にバックにスポンサーもいないし(アドセンスの広告主はいるけど、配信はランダムだから配慮しようがない)。
ただ、内容は好き放題と言えども、自分なりに考えて構造化して書いているつもりです。構造化とは抽象度と具体度のコントロールです。カテゴリーで「投資理論・哲学」と「投資実務」の2つがあります。これは記事の内容自体というよりは、記事の抽象度の高低で使い分けています。
投資理論・哲学:抽象度高め
投資実務:具体性高め
たとえば、「金融商品の理論価格は将来キャッシュフローの割引現在価値の合計」であるというファイナンスの説明をする記事を書いたとしたら、それは「投資理論・哲学」にカテゴライズします。でも「アップルの理論株価は、アップルの将来キャッシュフローの割引現在価値から算出すると〇〇円になる。」という記事を書いたとしたら、多分それは「投資実務」に含めます。アップルという具体的な会社を取り上げている点、抽象度がやや落ちますから。
イメージを描くとこんな感じ。
書籍は上の構造をすべて丸っと1冊に収めないといけません。自分の結論(ここがもっとも抽象度が高いはず)は何なのか。それを補強するための理屈は何のか。さらに、その理屈を読者が理解しやすいように、いくつか具体例を盛り込む必要があります。分かりやすい本は、どれも上手に構造化されてコンパクトにまとまっています。
抽象論は本質を付いているけど、難しい用語も多くてわかりづらいことがある。具体例は分かりやすいけど、本質が何なのかわかりづらい。自分のメッセージを読者に伝えるためには、抽象と具体のバランスを取らなくてはいけません。
でも、ブログは違います。一つの記事の中にすべてを盛り込む必要はありません。てか、そんなことしたら文字数が膨大になり過ぎて読まれません。3,000文字を超えると読むほうもだいぶ疲れます。通勤の電車内でサラッと読めるレベルにしたいところ。
眠くなりそうなガチガチの抽象論を書く時もあれば、具体的な会社や数字を取り出して説明する時もあります。色んな階層の記事を散りばめることができるのがブログの好きなところ。雑談記事もOKですし。
敢えて具体的な話だけで終わっても全然いいと思うんですよね、ブログって。それだと何を伝えたいのか読者に伝わらないことが多いけど、それでもいいんです。それで「んん、この人は何を言いたいんだ?」と興味を持ってもらえれば、別の記事を読んでもらえるかもしれません(興味なくて離脱されるリスクもあるが)。
多分親切心からなのでしょうが、具体的なことを書いた後にわざわざ抽象的な結論を持ってくる記事を見かける時があります。具体→抽象という流れですね。
記事の書き方なんて人それぞれでいいのですが、私は敢えて具体だけでピタッと終わらせるのもありだと思っています、ブログでは。書籍でこれをやったらダメですけどね。一つの記事の中で抽象と具体のバランスを取る必要はなく、ブログ全体で両者のバランスを取ればいいと思います。そっちの方が、読み手にとっても楽しいんじゃないでしょうか。もっと別の記事も読んでみよう!ってなる可能性が高まります。
要はメリハリがあった方がいいってこと。たとえば文字数も。常に2000文字とかではなく、4000文字の長文記事もあれば500文字の短い記事もある、といった感じで。