毎日YouTubeで動画を観ています。観ない日はないと言っていいかな。昔テレビを見ていた時間が、そのままYouTubeに流れた感じがします。仕事帰りにご飯食べながらYouTubeはお決まりパターン。
YouTubeは広告で収益化しています。そこはテレビと一緒。だから視聴者はお金を払う必要がありません。動画開始前に2本も広告流れることがあって(しかもスキップできないことも多い)邪魔くせえな~と思うこともありますが、無料で動画を観れるのは広告のおかげなわけだから文句は言えません。てか、僕もブログに広告貼ってる立場ですし。ブログの広告って邪魔ですよね、すみません。でも広告収入のおかげでブログを続けるやる気が出るのも事実です。
最近YouTubeでやけに目に付く広告動画があります。それが「スタサプ」なるアプリ。正式名称は「スタディサプリEnglish」と言うみたいです。この広告、メチャクチャ多いです。しかも、女優の桐谷美玲さんが出演しています。アプリ一つの広告にかなりの大金を突っ込んでるな~と思いながら眺めていました。
マクドナルドとかコカ・コーラが有名人を使って、大々的にイメージ広告を打つのは別に驚かないんですけど、アプリ一つを宣伝するためにここまで広告費を使うってどういうことやろ?って疑問でした。アプリってことは資金力のない新興企業が開発したのを、一生懸命グーグルにお金を払って広告出してるのかなと邪推してました。
が、、その憶測は全くもって誤りでした。
「スタサプ」を運営していたのはあのリクルートでした。なるほど、そりゃあれだけ広告流せるわけだな。納得。さすがに中小企業であれだけバンバンYouTubeに広告出すのは無理だろうな。
Google広告は入札方式です。より高い広告単価を提示した事業主の広告が優先して表示されます。ブログなどに表示されるウェブ広告も同じです。要は高い金を払える企業の広告がたくさん表示されるということです。資本の論理です。まあ、それは仕方ないことです。
リクルートの財務諸表を見たことはないけど、資金力はかなりあるだろうなと想像できます。「スタサプ」というのは勉強アプリで主なターゲットは中高生かな。特に受験生。社会人の僕は顧客としてout of scopeのはず。こちらもそんなに興味ないけど、あまりに頻繁に広告が流れるもんだから、記憶に残りました。興味がない人の記憶にまで焼き付けるとは、やはり広告って効果ありますね。特に動画の広告って印象に残ります。その分、製作コストも高いですが。
世の中、良いものを作れば放っておいても売れるなんてことはありません。いくら素晴らしい商品、サービスを作っても、それを世の中に知ってもらわないと手に取ってもらう機会すら与えられません。
僕は最近、家探しをしているのですが、SUUMOやHomesに登録していないマンションは見つけようがないです。不動産屋さんが紹介してくれないアパートを自力で見つけるのは不可能に近いです。いくら安価で良質な住宅を建設しても、きちんとマーケティングしないと消費者の目に触れません。
マクドナルドやコカ・コーラの商品は毎年世界中でバカ売れしていますが、この2社の商品はそんなに素晴らしいのか。どうだろうか。少なくとも、健康という観点から見れば素晴らしいとは言えなさそうです。まあ、単純に安くて美味しいからやっぱり素晴らしい商品と言えますが、やはり世界中で展開しているマーケティングあっての売上です。
魅力的な商品と巧みなマーケティング。この2つが揃わないと継続的に売上を確保するのは難しいです。マーケティングを何十年も続けていく内に、消費者の記憶に残り段々とブランド化していきます。プロモーション費用はPLの販売費として費用処理されますが、時を経てそれはBSの資産となります(実際にBS計上することは禁止されているけど)。
商品が悪くても一時的な売上だけでいいなら、マーケティングさえ上手ければ売れてしまうのが現実です。コピーライティングの天才は、どんな商品でも潜在顧客の購買意欲を掻き立てることができます。 もちろん、悪い商品ならリピートが生まれないから、継続的な売上には商品力が欠かせませんけどね。
マーケティングに大金を突っ込まないと売れないというのは、消費者向けビジネスにおける隠れた参入障壁だと思います。この領域は資金力のある大企業が圧倒的に強い。新興企業がどれだけ素晴らしい商品を生み出そうとも、それをお客さんに知ってもらう手段がないです。あとは販路というのも問題です。
「スタサプ」というアプリがどれくらい便利なのか全く知りませんが、あれだけ広告打てばそれなりにダウンロードされるでしょうね。小さな会社や個人でもアプリを作ることはできますけど、あれだけ広告出せるのはリクルートの資金力あってのこと。
消費者向けビジネスは資金力のある大企業の独壇場。プロクター&ギャンブル、ユニリーバ、ネスレ、コカ・コーラ、ペプシコ、フィリップモリス、モンデリーズ・インターナショナル、アンハイザーブッシュインベブ、ダノン・・・。
これらの企業の強み(経済的な壕)は「ブランド力」だと言われます。ブランド力ってよく聞くけど曖昧な言葉だと思いませんか。定義がフワッとしてる。私はブランド力とは過去のマーケティングの蓄積だと思っています。どれだけマーケティングに金を使ってきたか。広告宣伝に金を惜しみなく使ってきたか。この業界は年数が経てば経つほど、時に裏打ちされた大企業の優位性が増していくだろうと思います。
世界中で消費財を売っている多国籍企業というのは、長期投資対象として非常に有望というか安心感があります。テクノロジーどうこうじゃないんです。米中の知的財産問題とか関係ないです。仮にコカコーラの原液のレシピを中国企業に盗まれても、コカ・コーラの業績は大して影響を受けないでしょう。なぜなら、これまで何十年と続けてきたマーケティングによって築かれた「ブランド力」を、中国企業が打ち破るのは不可能だからです。
テクノロジー系企業の時価総額ランキングは、30年後には大きく入れ替わっている可能性が高いです。アルファベットはいそうだけど、アップルはどうだろうか。ウーバーが1位だったりして。でも、消費財系企業の時価総額ランキングは30年後も大きくは変わらないと思います。ネスレ、プロクター&ギャンブル、コカ・コーラはこれからも変わらず上位にランクし続けるはず。
ハイテクセクターよりも消費財セクター(特に生活必需品セクター)の方が、安心感を持って株をホールドできます。
大企業は事業部や子会社の集合体なので、スケールメリットや分散投資効果もありますね。
下記で言うと私は断然Cタイプですけどw
A:時価総額100の大企業を1銘柄買う。
B:時価総額10の中企業を10銘柄買う。
C:時価総額1の小企業を100銘柄買う。
私は確実にAです(笑)。
投資もサラリーマンも大企業の安定を求めてしまうようです。
なるほど笑
でも忘れがちなのは、上場している時点ですでに選抜企業だということです。
私はサラリーマンの時に勤務先が上場した経験があります。(親はすでに上場してたので親子上場でした)
マザーズは別ですが、上場するってのは実は結構大変かつ貴重なことだと知りました。その事もあって小さい会社でも危険だとは全く思わないんですよね。
ちなみにABCの話ですが、時価総額合計はA=B=Cですが、純資産合計と平均益回りでは、理論的にも経験的にもA<B<Cになります。
また、銘柄数が多いほど安定性が高まるので、リスク対比のリターンもA<B<Cになると考えてしまうのです。
もちろん実際には、財務健全性や割安度、業績トレンド、長期のテクニカル分析、定性情報を総合的に判断して銘柄を選ぶので大企業株も買いますけどねw
しかし結果的にはやはり小企業が多いの
です。
上場のコストは確かに高いです。
私は経理部ですが、私への給料もある意味で上場コストと言えます。
有価証券報告書の作成、監査法人への対応、こういった仕事を一通りこなせる人材を複数名雇用するのはかなり大きなコストです。しかも固定費。
上場して数十年経過して一通り業務プロセスが安定するといいのですが、最初は大変ですよね。
IPO支援の業務を行っている同僚もかつていたので、大変さはよくわかっているつもりです。
財務をしっかり分析して割安株を見つける投資法は、やはり中小型株がメインになりますよね。
大型株のバリュエーションはほぼ適正ですから。