2021年まで米株価は好調でテクノロジー株は二桁上昇が続いてきました。株価が1年で20%上がっている中にあっては、利回り2%に満たない配当なんてどうでもいいと投資家に忘れ去られます。

逆に今年みたいに株価が20%以上も下がると、利回り2%程度の配当は焼け石に水で慰めにもならないと思われます。

単年ではどうしても配当の存在感は薄くなってしまうものですが、10年投資を続けると配当を威力を感じ取ることができるようになります。

以下は直近10年の米主要指数の配当除くリターンと配当込みリターンです。累積数字です。

ナスダック100は今年大きく下がりましたが、それでもこれまでの株価上昇を消し去るほどではなく、依然として3指数でもっとも値上り率が大きいです。しかし、配当を加味するとS&P500やNYダウとの差はやや縮まります。

NYダウの株価値上り率は3指数でもっとも劣っていますが、配当を加味するとS&P500を上回っています。

単年ではおまけ程度に扱われる配当ですが、10年という期間で見ると無視できない影響があることがわかります。期間を20年、30年と伸ばすと配当の影響はより大きくなります。

このデータを以って高配当な指数に投資すべきという結論にはなりません、当然。むしろナスダックの株価上昇の威力の大きさを改めて感じます。

ただ、配当がトータルリターンに占める割合は投資期間が長くなればなるほど大きくなるのは事実です。オールドエコノミー銘柄であっても、毎四半期の小さな配当をコツコツ積み上げていけば、気が付けばアマゾン株のリターンを追い越しているかもしれません。

配当は都度課税されてしまうので、そこは割り引いて考える必要はありますけどね。