金融広報中央委員会の2016年の発表によると、無貯蓄世帯の割合は単身世帯で5割弱、夫婦世帯は4割もあるそうです。
多くのサラリーマンが自転車操業のカツカツで生活しているらしいです。
自分の周りにあまりそういう方は見受けられないように個人的には感じますが、それは私がまあまあ給料の高い大企業に勤務しているからだと思います。世間一般よりは恵まれた労働環境・経済環境にいると自覚しています。
ですが、それでも特に子どもを持つ世帯では日々の生活費の資金繰りで精一杯という方は多くいます。
そもそも、サラリーマンの給料とはカツカツになるように決められていると言った人がいます。資本論を著したマルクスです。
マルクスは会社の従業員とは会社の利益の配分を受けているのではないと言っています。利益の配分を受けるのは資本家と地主だと。あくまでも資本家側が自分の都合よく従業員を使えるようにその維持コストを払っているだけだと。
従業員の維持コストとは、明日からも従業員が心身ともに健康に仕事に従事できる状態を維持できるだけの費用という意味です。3食食べて、たまには趣味でリフレッシュして、そして次世代の従業員となる子供を育成する費用。
従業員が貯蓄できるような余計な給料を資本家はわざわざ払わねーよ、ってマルクスは説明しています。そんな金与えてこっそり財産蓄えられたら、せっかくの労働者が離反してしまうかもしれない。労働者が働かざるを得ない状況を作り出したいと資本家は考えるのです。
多くのサラリーマンにとってダークに思える理論かもしれませんが、これが資本論が説く給料の意味です。
もちろんこの理論が、現代の給料決定理論の背景として完全に合致しているわけではありません。アメリカのグーグルやマイクロソフトに採用される労働者の給料は、とても最低必要生活費を賄うというレベルではありませんからね。
でも、特に日本ではこの「必要生活費」を会社が面倒を見るという考えは一般的だと感じます。奥さん扶養手当や子供手当、家賃補助などの存在が象徴的です。
だから、普通のサラリーマンが給料だけでは普段の生活費のみでカツカツになるのは資本主義の摂理だとも言えます。サラリーマンで資本を蓄積できる人は会社がくれる「平均」生活費以下の生活水準に抑えることができた人です。
東京の給料が高い理由
これが同じ仕事でも、東京の方が地方よりも給料が高い理由です。
都内の生活費は特に家賃が地方よりも明らかに高いです。都内でそれなりの住環境を維持しようと思えば、住む場所にもよりますが一人暮らしで1カ月5~6万円以上は必要です。もちろんそれ以下のアパートもたくさんありますが、風呂無しトイレ共用とかです。
一人暮らし用住居(1R,1K)の平均家賃が高い県とその県の平均時給です。
順位 | 都道府県 | 平均家賃 | 平均時給 |
1位 | 東京都 | 7.1万円 | 932円 |
2位 | 神奈川県 | 5.7万円 | 930円 |
3位 | 兵庫県 | 5.2万円 | 819円 |
4位 | 埼玉県 | 5.0万円 | 845円 |
5位 | 大阪府 | 4.9万円 | 883円 |
低い県です。
順位 | 都道府県 | 平均家賃 | 平均時給 |
43位 | 高知県 | 3.9万円 | 715円 |
44位 | 愛媛県 | 3.8万円 | 717円 |
45位 | 徳島県 | 3.8万円 | 716円 |
46位 | 山口県 | 3.7万円 | 753円 |
47位 | 群馬県 | 3.6万円 | 759円 |
最も安い群馬県と、最も高い東京都では家賃相場に約2倍の差があります。家賃が安い(=生活費が安い)県ほど、時給も低いことがわかります。
同じコンビニのアルバイトでも、都内なら時給1,000円で地方では時給800円とか普通にあることですよね。
同じ職務内容でも賃金は異なるのです。まあ日本企業ではアルバイトにかかわらず同一労働同一賃金なんて全く実現していないからこんなの普通に感じますけど。
そもそもマルクスの資本論の立場で考えれば、同一労働同一賃金という理屈は成り立たないです。同一生活費同一賃金とでもいいましょうか。
お金を稼ぐために上京して東京で満員電車に押し込まれて働いて相対的に高い給料を貰っても、結局生活費(特に家賃)が高くてお金は残らない、そんな人たくさんいると思います。
東京の給料を魅力に上京するのはお勧めできません。
東京の給料が高いのは、単に東京の生活費が高いからに過ぎないからです。
株式報酬はどこに住んでも一緒
住む場所の生活費の違いで給料が上下するのは資本家に雇われている労働者だけです。
資本家、株主などの非労働者は違います。
配当金はどこに住んでいようと持ち株数に応じて受領できます。ニューヨークに住んでいるAさんは配当金10ドル、東京に住んでいるBさんが9ドル、バンコクに住んでいるCさんは7ドルとかないですよね。
配当金などの株式報酬に関わらず、資本家から雇われ代としてもらうお給料以外の収入の多寡は住む場所に依りません。不動産投資での家賃収入やブログの広告収入などは、どこにいても自分が成果を上げた分が収入になります。
株式投資などの非労働収入が増えれば増えるほど都内に高い家賃払って住む理由はないと言えるのかもしれません。確かに東京は至る所に遊ぶところ、飲む店、お洒落なカフェなどがあって便利ですが、今時それくらいのお店はよほどのド田舎にいかなければ揃っているでしょう。
自由に生きたい
私の地元は福岡県ですが、福岡の都会(天神や博多)に行けば別に東京と施設レベルは変わりません。人の量は圧倒的に東京の方が多いですが。
福岡は日本の中では結構都会な街ですが、それでもそんなに贅沢な住環境を求めなければ1カ月4万円あれば普通のアパート借りれます。都内の月6万円のアパートよりも多分いい環境だと思います。
1カ月4万円ってことは年間48万円。配当利回り3.5%の高配当銘柄を前提で考えれば、株式を14百万円保有していれば配当金だけで家賃を賄えます。
あとはちょっとネットで副業やったり、バイトしたり、サラリーマンしたりして収入を確保すれば結構お気楽な生活が実現するかもしれません。もちろん、世帯を持って子供がいれば無理であくまでも気楽な独身ライフが前提ではありますが。
もうあと何年も、東京で満員電車に揉みくちゃにされながら通勤して働くのは止めにしようかなと最近考えています。今後の人生をどうするか真剣に考えています。2017年で節目の30歳になります。まだまだ若造ですが。
私は学習意欲の高い意識高い系の典型みたいな奴で上京してきました。公認会計士試験にも学生時代に合格して世間的にはメインストリームのエリート街道を進んでいるように見えるかもしれません。てか正直に言いますが、自分でもそういう自覚を昔は持っていました。自信過剰だった時期がありました。
「俺は高学歴エリートだぞ!!、これから仕事頑張って出世して高い給料もらうんだ!!先ずは年収1000万円目指すぞ!!」って思っていました。
でもね、社会人を8年もやって周りの先輩方、上司の方々、社会保険天引きされまくる給料明細を見て、毎日満員電車で自宅と会社の往復ばかりの日々を送っていると、だんだんと当初の考えなんてなくなってきますね。
学習意欲だけは依然として無駄に高いですが、サラリーマンとして出世したいとか全く思わなくなりました。。
株式投資に出会えたことも大きいです。サラリーマン給料以外の収入なんて学生時代は考えもしなかった。投資以外でも様々な書籍を読んで世の中の現実を、資本主義の仕組みを知ったことも大きいです。ネットのブログやサイトで他の方々の人生観や生き方を拝見した影響も大きいです。
今、私は安定したホワイト企業に勤務しています。まあ俗に言う親が喜ぶ企業ってやつです。電通のニュースを見るとまったく異次元の世界だと思ってしまいます。あんな深夜残業、パワハラとは程遠いホワイトな環境で好きなように仕事しています。もちろん仕事は甘くないし、残業もありますよ。本当にありがたい限りです。
だけどこれは会社の看板とブランド力で仕事が貰えているだけで、自分の実力では当然ありません。
経済環境が厳しい昨今の日本経済、安定した大企業を退職するのって愚行なんでしょうね。
でも、私は会社に時間を拘束されない自由な人生を送りたいって気持ちが強いです。だからこそ、株式投資を頑張っている面もあります。
まだ退職する勇気はありませんが、もう少し頑張って株式の運用額を増やしつつ、ネットでのビジネスなんかを考えながらボチボチこの「メインストリーム」を降りようかなって最近考えています。当面は今まで通り仕事頑張ってコツコツ投資を続けるしかないですけれど。
もし給与収入が消えたら株で億万長者になる目標は厳しくなるかもしれない。でも、億万長者になることそれ自体が人生の目標ではないとも思っています。最も欲しいのは経済的にも時間的にも自由気ままな人生です。まあその実現のためには、結局億万長者を目指す必要性が出てくる気もしますけどね。
両親が与えてくれたたった一度の人生、後悔せずに生きたいので、自分で考え自分で決断していきます。すべて自己責任です。世間の常識や価値観に縛られることなく、でも一定の社会性は持ちつつ、バランス感覚を大切に自分の価値観に正直に人生を歩みたいです。
経済面だけでなく、生き方、精神的な面でも「Grow Rich Slowly」なライフをこのブログで公開していければな、なんて思っています。
私は逆に「意識高い系」ではなく、大した努力もしてこなかったので、自分の現在の境遇は今までの自分の生き方、選択の結果なのだと認識しております。
過去に自分が努力を怠っていたことに後悔することはありますが、今は株式をゆっくりと積み立てて、私も「Grow Rich Slowly」の意識で前に進んでいこうと思っています。
お互い頑張りましょう。
私が今まで時間を投じて勉強してきたことは、実はコスパが悪かったのではと最近強く思っています。
思っているというか、実感しています。
私は会計士ですが、会計知識を知っていることそれ自体に付加価値はなくなってきています。それは間違いないです。
AIに代替されるまでは思わないですが、今の若い学生さんに会計士試験はとてもお勧めできません。
ハイリスク・ロー(ミドル?)リターンです。
知識に価値がなくなるこれからの時代に、ビジネスマンとしてどうやって社会に価値を提供すればよいのかわからなくなりつつあります。。
なんてことを、年末だからか深く考え込んでしまいます。
株式投資、配当収入が21世紀も変わらず社会に価値を提供できるツールであると私は確信しています。
なので株式投資は絶対に続けていきます!
でも、インカム目的の株式投資って圧倒的なスケールを確保しないとあまり意味はないかもなとも最近思います。
そのスケールとは数千万円~億単位って話ですね。
色々悩みながらですがこれからも頑張ります。
コメントありがとうございました。そうですね、お互い頑張りましょう。
いつも拝読しております。
あなたが考えておられることはとても素晴らしいといつも思っております。
私は長い間、超劣悪な会計事務所で働いてきました。
その間、インデックス投資や、etf、そしてあなたのブログ、米国株、広瀬隆雄氏との出会いがあり、物事の考え方が変わりました。
劣悪な会計事務所の所長は税理士、次期所長は会計士です。
あなたのように尊敬できる人ではありませんでした。
そして、今月素晴らしい所長のいる会計事務所に転職できました。
今後は資産運用をもっと楽しみながら、資産税、所得税を勉強し、資産運用に役立つ知識を身につけて、多くの方のお役に立ちたいと思っております。
はじめまして、いつもお読み頂きありがとうございます。
いえいえとんでもないです、私はそんなに大した人物ではありませんよ。
確かに劣悪な職場環境だと、日々を乗り切るので精一杯で投資の必要性になかなか気づきにくいかもしれません。
また逆に、日々の職場環境がホワイト過ぎるとそれはそれで現状に安住してしまい、投資の必要性に気づかない人も多い印象を持っております。
働きやすい環境に転職できたとのことで、それは良かったです!転職って勇気要りますよね(私も転職経験ありです)。
無思考になることなく常に考えて実際に行動できることは凄いことだと私は思っています。
投資の世界を知って収入が複線化し出すと、サラリーマンの仕事だけがすべてではないと気づきます。
それが心の緊張を少し解きほぐしてくれるかもしれません。
私のブログがhappyalifeさんが投資を始めるきっかけの一助にもしなっていれば、私にとってこれほど嬉しいことはありません!!
税金は会計と違ってキャッシュに直結しますから、財務会計よりもより社会に貢献できることが多いように思います。
「多くの方の(社会の)お役に立ちたい」と考えることは仕事で最も大切なことですよね。
そのような思考をお持ちで勉強意欲もお持ちであれば、仕事も資産運用も必やず成功されると思います。
成功されることを願っています。
コメントありがとうございました。
お互いがんばりましょう。
はじめまして、たけぼうと申します。いつも更新を楽しみにしており、勉強させてもらってます。
Hiroさんには、年が近い(私は香川選手と同い年になります)、九州出身という共通点から、一方的に親近感を持っています。
出世したいとは思わなくなったという点や、住むなら東京よりも九州が良いという点、私も全く同感です。
実は私も昨年より投資を始め、拙いブログも書いているのですが、本記事へのリンクを張って
も問題無いでしょうか?田舎暮らしの勧めという記事を書こうと思っております。
今後も更新を楽しみにしています。
よろしくお願い致します。
たけぼうさん、はじめまして。
ブログお読み頂きありがとうございます。
香川選手と同じということは27歳ですね、お若いですね!羨ましい。
九州はいいですよね、私はいつか絶対に帰ると思います。
もちろんリンク張って頂いて大丈夫ですよ。
たけぼうさんのブログも3連休にゆっくり拝見させて下さい。
最近更新できてませんが、今後もちょくちょく記事書こうと思っていますので今後とも何卒よろしくお願いします。
Hiro様
楽しく拝読させて頂いております、岩波慶と申します。
Web制作業、文筆業の傍ら、去年はインデックス、ETFベースの長期投資を始めた年で、
Hiroさんのブログ記事が本当に参考になりました。
私も2016年に、経済合理性も兼ねて神奈川から福岡に移住して以来、
福岡移住の多大なメリットを痛感しております。
http://serendipity.chips.jp/archives/11010
(ブログでも福岡移住して感じたメリットをいくつか列挙しています)
奇遇ながらHiroさんが福岡出身と聞き、ちょっと嬉しい気持ちです。
引き続き、拝読させて頂きます。
よろしければ是非、今後ともよろしくお願いします^^
岩波様
ブログご覧頂きありがとうございます。
私の記事が岩波様の投資の参考になることができ、大変うれしく思います。
サイト拝見しました!とても素敵なサイトですね。さすがご専門の方のサイトは雰囲気が他と違いますね。
福岡市西区に移住されたのですか、私も西区です奇遇ですねw。
写真の海岸風景多分どこだかわかりますよ!(長垂海浜公園?)
最近は九大学研都市駅ができて発展してきていますよね。
あの辺りは私が子供の頃は一面田園風景でしたが、今は若いご夫婦が住むマンションがたくさんあります。
筑肥線は車両も最近リニューアルしたし、天神まで30分弱で行けて便利ですよね。
一人一人が自分の知識や経験をネットで情報公開して、他の人の役に立てるのはネット世界のとてもいいところだなと最近感じています。
私はサラリーマンしながら、ネットできちんとビジネスできないか今色々と試行錯誤勉強中です。岩波様のサイトも拝見して勉強させて頂きます!
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
Hiro様
私のサイトを見て下さりありがとうございます^^
Wordpress有料テンプレートの「hummingbird」を使用しており、とても使いやすいテーマです。
まさか西区まで一致とは!はい、長垂海浜公園です笑
去年夏の今宿花火大会も最高でした。
正直住み心地が良すぎて、26年住んだ東京・神奈川には当面もう戻らないかも知れません。
移住以後、こちらもネット上でのビジネス、収益化にも注力しており、
私自身、勉強中の身ではありますが、
もしタイミングやご縁あれば、また情報交換なども出来る機会あれば嬉しいです^^
(今年は2月上旬、6月下旬頃に東京に滞在予定です)
引き続き、どうぞよろしくお願いします。
岩波様
そのようなテンプレートがあるのですね。Web系の知識にはとても弱く初耳です。
私のブログはStinger5という無料テンプレートを使用しております。
ネットで評判がよかったので適当にチョイスしました。
やっぱり長垂公園ですか!笑
懐かしいです。子供の頃、その海岸沿いでマラソン大会の練習をしていたのがきつかった思い出です。
あの辺りは今はほどよく都会になって便利になってます。
住みやすいですよね!とてもわかります。
こちこそ、今後ともよろしくお願いします。
色々と情報交換できるといいですね、お互い専門分野も違いますし。
ブログでもメールでもいつでもご連絡大歓迎です。
こんにちは。東京は家賃が高いですよね。
うちの会社には都市勤務手当てなるものがあり、地方勤務地より給与を多目にもらっています。
ですが、新潟に転勤になったとき家賃は確かにやすいのですが暖房費もかかるし車がないと不便な生活だったので、(新幹線の駅の徒歩圏すんでいたにも関わらず!)東京より生活費かかるんじゃないの?と思いましたよ。
公共交通機関が整った地方都市最強ですね。
こんにちは。
東京はほんっとに家賃は高いです。
家賃を除けば物価はまだ他の都市と大きく変わるわけじゃありませんが、家賃だけは別物です。
1Rで月6万円のマンションに住んでいますが、地元の福岡であれば場所に依りますが6万円出せば1LDK借りれるかもしれません。
確かに、交通の便が良い都市じゃないと結局生活費は都内とそんなに変わらないかもしれませんね。
特に自動車が必須の場所だとそれだけで家賃の安さが相殺されちゃいそうです。
総合的に見れば、都内の生活費は(少なくとも独身なら)それほど高いとは思っていません。
一番コスパがいいのは、地元の福岡かな~と思っています。
あと大阪もいいですね!
実はこの2日間、ふらっと大阪に行ってきたのですが素敵な街でした。
飲み屋は安くて美味しかったです。