たくさん稼いでもたくさん出ていく

一般的に若くても高収入を貰える業界としては証券、金融、コンサル、商社などがあります。

たくさんお金が欲しいという気持ちは何ら悪いものではなく、むしろ幸せな人生を追求する上で正常なことです。

が、収入目的だけで安易にこれらの業界に飛び込むのは資本主義ゲームの駒の進め方としてあまり得策ではないと思います。

というのも、たくさん稼げるけど出費もたくさんあるので、結局お金が残らないことが多いからです。

今はコロナ禍だから減っているでしょうが、上司やお客さんとの飲み(夜のお店含め)や高級時計、外車購入などでお金が吹っ飛んでいきます。

上司から飲みに誘われて断れる若手は少ないでしょう。

周りがみんないいものを身に着けているから、自分も当然買わないといけないと思っちゃうことも多いと聞きます。

時計はわかります。監査法人では周りの多くの先輩方はオメガ、ロレックス、パネライ、ブライトリングなどをしてました。その影響でブランド物に全く興味がない私ですら、安いオメガのシーマスターをビックカメラで買ったくらいです(約20万円)。

キラキラした高収入業界は、こういったストレス発散や見栄出費が嵩みがちな上に、名目給与所得が多いので税金等の控除も多くなります。

精神的な労働力の再生産コストをいかに抑えるか

大原則として知っておくべきことは、給料とは労働力の再生産コストだということです。スキルや成果が評価される面もありますが、日本企業の給料決定要素の7~8割は労働力の再生産コストで決まると考えた方が無難です。

労働力の再生産コストって具体的には何か?

1日3回食事して栄養を取り、毎日お風呂にはいって清潔を維持し、雨風をしのげる暖かい家で眠れること。要は最低限の衣服住ですね。現代は豊かなのでこれらの身体的な労働力の回復コストはそれほど高くないです。

問題は精神面での労働力回復です。高収入な業界はこのコストが高い傾向があると感じます。

つまり仕事のストレスが強いということです。だから、パーッと飲んだり、高級車を買ったりして鬱憤を晴らしたくなります。

これらのストレス解消コストは予め給料に織り込まれています。だから高給なのです。

高給をもらっても、それらを精神的な労働力回復(=ストレス発散)のために消費しないと、また翌週から元気に職場に戻れない。そんな習慣になってしまったら、当然お金は残りません。酷いと借金超過になります。

年収800万でハイストレスな職場。年収500万円でローストレスでホワイトな職場。

おそらく後者の方がお金は残ります。なぜなら、後者の方が精神面での労働力回復コストが低いからです。ストレスが少ないと仕事終わりにお酒が欲しいという感情もなくなります。ブランド物を爆買いしたくなることもないです。

私は今、労働時間こそちょっと長いものの、好きな会計を仕事にできており、よって営業ノルマはなく、ありがたいこと人間関係もまあまあ良好なのでストレスは強くないです。

コロナ禍も相まってお酒を飲む機会はめっきり減りましたが、全く問題ないです。独身時代に興味心で自宅近くのキャバクラに行ってみたことはありますが、仕事終わりに上司や同僚とその類のお店に行ったことは現職では一度もありません。そういう文化はない職場ですね。

ちなみに監査法人時代は仕事終わりに飲み屋からのキャバクラはちょくちょくありました。特に地方出張の際は仕事が終わったら、ほぼ100%ホテルに荷物を置いて飲み屋に行ってましたね。あれはあれで楽しかったですが。

毎週末、飲み屋とキャバクラでストレスを発散しないとやってられない。そんな精神的労働力再生産コストが高い環境に身を置かないことが、サラリーマンがお金を余らせて少しずつ資本家の道を歩むうえで重要なことかなと思います。

資産を蓄えるには節約よりも給料を上げるべき、というのは確かにその通り。ただ、市場で評価される自分のスキルレベルを高めて給料アップを目指すべきで、ハイストレスの代償として高給を得てもそのお金は残らないです。