※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/5/19)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はデルタ航空(DAL)をご紹介します。

基本情報

会社名デルタ航空
ティッカーDAL
創業1924年
上場2007年
決算12月
本社所在地ジョージア州
従業員数88,680
セクター資本財
S&P格付BBB-
監査法人EY
ダウ30×
S&P100×
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

5年

過去5年の配当成長

年率+61.3%

この5年で配当は10.9倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

上場以来(2008~2018):+12.5%

バリュエーション指標(2019/5/19時点)

予想PER:7.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.6% 最新情報はこちら

コメント

デルタ航空はアメリカン航空に肩を並べる、世界トップクラスの規模を誇る大手航空会社です。

旅客部門が収入の9割を占めます。アムステルダム、アトランタ、ボストン、デトロイト、ロンドン、ロサンゼルス、ミネアポリス、ソルトレイクシティ等をハブ空港として運行しています。売上高の70%は北米での旅客です。

製油所部門を保有しており売上高の約1割を占めます。完全子会社のMonroe社がフィラデルフィアで運営する製油所の収益が帰属します。デルタ航空本体にジェット燃料の販売もしていますが、それは連結内部売上なのでPLには表れていません。デルタ航空以外への売上高だけで全体の10%あるということなので、無視できない規模のセグメントです。燃料精製を自社で行うことでコスト削減を図っているものと推測します。

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが、最近航空株に積極投資しています。特にデルタ航空がお気に入りのようで、バークシャーの上場株ポートフォリオの2%弱を占めるほどです。

バフェットは1989年に旧USエアウェイズに投資したことがありました。同社は途中経営不振に陥り、無配の時期すらありました。バフェットはUSエアウェイズ株を最終的にはプラスリターンでexitできたものの、当時の航空会社への投資を「もう懲り懲りだ・・」「航空業界は底なし沼だ」と回顧していました。

そんな過去を持つバフェットですが、2016年後半あたり?から航空業界へ再度投資したことを明らかにしています。アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空に合計で100億ドル規模の投資を実施しました。

航空業界と言うと、航空会社間でサービスの差別化が難しく価格競争に陥りがちな業界という印象があります。なぜバフェットが航空業界への投資を積極的に進めているのかわかりませんが、興味はあります。今後の航空株のパフォーマンスは要チェックです。ちなみに、2013年以降DALはS&P500指数をアウトパフォームし続けています。

財務データを見てみましょう。

売上高は緩やかに成長を続けていますね。粗利率がFY12から急落しているのは会計処理方法の変更でしょうか。ちょっと背景はわかりませんでした。FY15からの粗利率改善は原油安の恩恵でしょう。

FY18の売上高は444億ドルで前年比+8%。ビジネスクラス、ファーストクラスなどのプレミアム商品の売れ行きが好調でした。乗客稼働率は85%で大きな変化はありません。燃料コストの増加が響いて粗利率は前年より低下しました。

FY18の純利益は39億ドルで前年比+10%。粗利率が悪化しているのに、最終利益は売上成長以上に伸びています。前年は税制改革関連で約4億ドルの一時費用を計上していた影響が大きいです。

グラフにはありませんが、金融危機で景気が悪化していたFY08は営業キャッシュフローはマイナスでした。この10年間は営業CFは毎年プラスです。設備機器、資材への投資が嵩むためフリーCFは多くありません。

バランスシートを見てみましょう。総資産のうち85%が固定資産ですが、これは航空機と空港等の地上設備です。航空機はリースしていますが、たとえリース資産であってもバランスシートに計上しなくてはなりません。(昔はリース資産はオフバランス可能でしたが、「それじゃあ実態を表していない!」とSECが言って会計制度が変わりました)。まあ、財務諸表を見る方からすると分かりやすいですね。航空会社だから資産の大半は航空機と周辺設備というわけです。

配当実績ですが、FY12までは無配だったようです。FY13から配当を出しており、これまで大きく増配しています。この5年で配当は10倍になりました。自社株買いも実施していますが、総還元性向は60%~70%ほどに留まります。