株式や債券、不動産など将来キャッシュフローを生み出す資産は、その価格がバブルに達しているか否かを比較的容易に判別することができます。

それらの資産の理論価値は、将来キャッシュフローの割引現在価値として机上で算出できるからです。もちろん、前提条件を変えればエクセルで算出する理論価格なんて如何ようにもいじれるわけですが、とは言えどう考えても異常な価格というのは検出できるものです。

たとえば、最近話題になっているゲームストップ(GME)。同社の2022年の予想EPSは強気派でも1ドル弱です。一時株価は350ドル近くまで上昇しましたが、PERで言えば300倍超ということです。

SaaS系の優良スタートアップならまだしも、ゲーム小売店のバリュエーションとしては誰が見てもバブルです。

誰しもバブルとわかっているけど、別の誰かにもっと高値で売れると踏んで参加しているわけです。ババ抜きです。ヘッジファンドを打ち負かしたい感情もあったかもしれませんが。

ちなみに、2月4日現在GMEの株価は92ドルまで下落しています。これでもまだ高いと感じますがね。

ここまで極端に上がったからというのもありますが、株式のバブルを見極めるのはさほど難しくないと言えます。難しいのは、いつバブルが弾けるのか、そのタイミングを予想することですね。

一方で、キャッシュを生み出さない資産の場合、その価格がバブルか否かを判断するのは非常に困難です。

たとえば、ビットコイン。一時4万ドルを超えましたね。まさかここまで急激に上がるとは。今も3万7千ドルと高値圏を維持しています。

いまのビットコインの価格が妥当かどうか、バブルなのかどうか、私は全く判断できません。ビットコインはそれ自体が経済価値を生産するものではないので、将来価値を割り引いて理論価値を算出するということはできません。

だからこそ、トレーディングというか投機の対象として面白いと言えるかもしれません。