人のやることにはミスが起こるものです。人間ですから忘れることもあるし、仕事中にボーっと関係ないことを考えている時もあるし、うっかりミスもあります。

この前カフェでパンケーキとホットコーヒーを頼んだら、コーヒーを忘れられました。後から持ってくるのかと思ってずっと待ってたら全然来ないので、店員さんに聞いたら「忘れてましたー!ごめんなさいー!!」と。

パンケーキと一緒に温かいコーヒーを飲みたかったんだけどな笑。

社会に完璧な仕事なんて求めてないので、しゃーないかと思うだけです。ましてや相手はバイトの学生だし。

この件でそのカフェを嫌いになるわけでもないです。最近、星乃珈琲の雰囲気の良さにハマってまして。お値段以上ですよ。

決算締めのプロセスの多くはシステム化されていますが、それでもまだまだ手作業も多いです。仕訳のミス、資料作成の誤りなどが起こることもあります。

仕訳が貸借逆になっている、仕訳のインプット漏れ、エクセルの数式が更新されていない、分析資料と決算書の数字が不一致になっている。具体的にはこんなミスがあるあるです。

実務担当者レベルで「あ~やっちまった」で終わらせていい時もありますが、影響が大きい時は部長、場合によってはCFOに報告する事態になることもあります。

有価証券報告書の訂正が必要になる、経営会議資料の数字にミスがあった、とかになるとそこそこ大事になりますかね。

上司にミスの報告をするわけですが、うちは優しいホワイト企業なのか、担当者が直接叱責を受けることはほとんどありません。そういう社風を意識的に作ってるところがあります。

なぜミスが起きたのか、その根本原因というか、システムのどこに問題があったのかが問われます。システムというはITという意味ではなく、仕組みという意味です。

具体的には
マニュアルは存在するのか?
前任者の確認プロセスはあるのか?
チェックリストはあるのか?
ITによる自動化の余地はあるのか?
など。

それは正しい姿勢とは思います。

ミスを起こした若い実務担当者に「なぜミスをしたのか!?」と偉い人が詰めたって、おどおとして何らか言い訳をするか、すみませんでしたと謝るほかありません。ミスをしたくてする人はいないわけですし。真面目な人ばかりだし。

ミスを防ぐためのシステム(仕組み)がないのか。ないなら、今後はその仕組みをどう構築するのか。これらを問うことは管理者としてあるべき態度だとは思います。

ただ一方で、明らかに自分の不注意で凡ミスをやらかしてしまったのに、個人の不注意を全く指摘されないことも寂しいというか、虚しさを感じることがあります。

なぜ虚しいのかと言うと、自分が無能だと暗に言われてる気がするからです。期待されてない感じというか。どうせまた同じミスを起こすだろうから個人を責めてもしゃーないなと諦められている感じがするんです。

上司の真意は違うとわかってます。みんないい人だから「こういう時は個人を責めては可哀想だ。それよりも根本原因を考えて、ミスを防ぐ仕組みを作らなくては。」と考えているのでしょう。

んで、その「仕組み」なるものが降りてくるわけです。

マニュアルを作れ、月次締め後のチェックリストを作れ、など。

最初は頑張ってみんなやるんだけど、だんだんと形骸化することが多いです。1年前に作ったチェックリストもはや誰も見てない、こんなチェックリストあったんだ、みたいな感じで。

とりあえずミスを防ぐための仕組みっぽいことを作って、それを役員に報告しておけば「何かやった感」があるのかもしれません。ちゃんと対策しましたと一応言える。

幼少期に隣の雷オヤジに怒られた経験なんてなく、両親にたっぷり愛情注がれ、大切に育てられて人が多い世の中です。特に大企業で新卒で入ってくる人はそういうタイプ多い気がします(偏見ですが)。

労働者不足で就職売り手市場という時代背景も重なって、若い実務者を詰める、叱責するのはタブーという暗黙のルールができあがっています。

まあ社員に優しくすることは良いことだと、自分も労働者なんで、ポジショントークとして言っておきます。

ただ何でもかんでも仕組みづくりばかりに解決策を求めるのは、なんか違うんじゃないかな~と。

何でも仕組み仕組み仕組みと言うなら、何のために高いコストをかけて正社員を雇ってるんだって思います。

厳しく詰め過ぎるのはよくないけど、「ここは大事なところだから、今後はもうちょっと注意してやろう!」くらいにやんわり個人を指摘するくらいは、あった方がいいんじゃないかなと思います。

その方が下手な仕組みを作るよりもミスを減らせる気がするし、「あなたならちゃんとやれると期待してるよ」というメッセージを発することで、本人のモチベーションにも繋がるのではないでしょうか。

サッカーで自陣ゴール前でトラップミスしてボール奪われたら「おいー、こんなとこで何やってんだよ!」って不注意を周りやコーチに責められます。トラップの練習プログラムが不足しているという、チームとしての仕組みの問題に発展することは普通はないです。

仕事では何らかミスが起こる度に、ミスを起こした個人は一切責められず、その代わりどんどん練習プログラムが増えていく印象です。

そうなると練習メニューの消化不良になるし、何よりきちんと個人のミスを指摘した方が本人の成長、モチベアップに繋がると思います。