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【XOM銘柄分析】エクソン・モービルはロックフェラー系譜の世界最大の石油メジャー

   

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/3/4)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はエクソン・モービル(XOM)をご紹介します。


   エクソン・モービル財務情報

基本情報

会社名 エクソン・モービル
ティッカー XOM
創業 1870年
上場 1920年
決算 12月
本社所在地 テキサス州
従業員数 73,500
セクター エネルギー
S&P格付 AA
監査法人 PwC

 

ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

XOM地域別売上高

 

セグメント別売上高構成割合

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

 

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

35年

 

バリュエーション指標等(2018/3/4時点)

PER:16.3倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.1% 最新情報はこちら

配当性向:64% 最新情報はこちら

 

コメント

エクソン・モービルは、ジョン・ロックフェラーが設立したスタンダード・オイルの流れを汲む世界最大の石油メジャーです。1999年にエクソンとモービルが合併し今に至ります。

エクソンとモービルはともにかつてのセブン・シスターズの一つです。セブン・シスターズとは1950年~1970年代まで石油生産を独占していた7社を指します。英国のBP、英・蘭のロイヤル・ダッチ・シェルも旧セブン・シスターズに該当します。

エクソンは上流・下流・化学部門を持つ総合エネルギー企業ですが、上流部門が売上高全体の6割を占めます。上流とは鉱区取得から探鉱、開発生産までを指します。鉱区の権益取得のため、エクソンは米国政府かのように他国と交渉します。エクソン=国家とさえ思わされます。元CEOのレックス・ティラーソン氏は、現在トランプ政権にて国務長官を務めています。エクソンがいかに中東を始めとした諸外国に影響力を持っているかが分かる人事です。

上流部門が大きな割合を占めるエクソンの業績は原油価格の影響を受けやすいです。2014年夏過ぎより原油価格は急落しました。1バレル100ドル以上だったドバイ原油価格は2016年には一時30ドルを割りました。2018年3月現在は60ドル付近で推移しています。

過去10年分の財務データを見てましょう。

売上高は2012年をピークに下落傾向で特にFY15に大きく減少しています。原油価格下落に伴って、販売単価が減少したためです。売上減少に苦しんでいるものの、営業利益・純利益はともにプラスを維持しており、コストは適切にmanageされています。

2017年通期決算はアナリスト予想は下回ったものの、売上高・利益ともに回復基調にあることが示されました。中国など新興国からの石油需要は大きく、今後原油価格は大きな上昇はないにしても現在の60ドル付近はキープできると思われます。エクソンの業績は引き続き回復していくと期待しています。1桁台だったROEは11%にまで改善しています。

キャッシュを見てみましょう。業績が厳しい中にあっても営業CF、フリーCFはともにプラスを維持しています。特に注目したいのはフリーCFのプラスを堅持している点です。営業CF減少を見越して、適切に投資額をコントロールしてキャッシュに余裕を持たせています。このような保守的な経営姿勢がエクソンの魅力です。2017年はフリーCFはさらに改善しています。

連続増配35年の配当貴族です。さすがにここ数年は増配率は低いものの増配を続けており、株主価値向上にコミットしている経営陣の想いが伝わってきて株主として嬉しく思います。業績低迷にもかかわらず増配を続けれるのは、上述のフリーCFがプラスだからです。原油価格下落に焦って過剰な設備投資やM&Aに走ることなく、冷静に経営してきちんと配当原資を確保しています。

なぜ原油価格下落に冷静に対処できるのかと言えば、歴史を振り返れば原油価格が急落するなんて普通にあることで「想定内」の出来事だからです。石油大手にとっての市況の悪化は、かつてIBMやアップルが直面した経営難とは次元の違う話です。エネルギー企業の投資家が恐れるべき本当のリスクは、かつてBPが引き起こしたような大規模な原油流出事故などです。ああいう事故は「想定外」であり、株主利益の棄損は免れません。ただ事前に予想できることではないので分散投資を徹底するしかありません。

最後にバランスシートを確認しておきましょう。とっても分かりやすい構造です。資産の大半は有形固定資産で、開発・生産のためのプラント施設やパイプラインです。その固定資産を借入金とエクイティで調達しています。負債比率は47%ですが有利子負債は意外に少なく負債・純資産全体の10%強ほどです。過剰な借金は控えて基本は利益を原資に設備投資を行っています。過剰なレバレッジを控えているからこそ、昨今のような厳しい経営環境でも利益プラスを保つことができます。

エネルギー企業の未来を案じている投資家は多いと思います。私はエクソンは衰退産業に属していると思っていますが、それでも長期株主リターンは市場平均を超えるだろうと思っています。確信はないですが・・。こうやって過去のBS、PL、キャッシュを見ると、きちんとコストをコントロールして本業のみに集中し真摯に株主利益を追求しているエクソン経営陣の想いが伝わってきます。

2018年3月現在配当利回りは4%を超えています。未来は分かりませんが、私は今は”買い場”だと思っています。

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