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お金に色はない 住宅手当の罠

      2016/10/03

72の法則というものがあります。
「72÷運用利回り」の年数で資産が2倍になるというものです。
利回り7%だと72÷7≒10となり約10年で資産が2倍になります。
例えば、20歳の時に100万円を株式利回り7%で40年間複利運用した場合、資産は約1,500万円にもなります。

資産運用において、時間は梃の役割を持ちます。時間が経てば経つほど、雪だるまを転がすように資産は膨らんでいきます。(もちろん浮き沈みはありますが。)

親からの相続財産でもない限り、若いうち(20代〜30代)から投資を始めるには仕事で稼いだお給料から貯金するしかありません。
そのためには、倹約が大切です。倹約は日々のケチケチした食費等の生活費の節約より固定費を見直すことが効果的です。

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 住宅費 最も大きな固定費

固定費を抑えることが家計管理のポイントですが、固定費の中でも最も大きなウェイトを占めるのが住宅費、家賃です。
特に都内の家賃はホントに高いです。空き家が増えているなんてどこ吹く風です。
都内の人気地区のシングル向け物件の平均家賃を調べるとこのような結果になりました。
新宿区 8.84万円
中野区 7.54万円
渋谷区 10.5万円
中央区 10.4万円
港区  11.9万円
(HOME’sより)

新卒でいきなり中央区や港区で一人暮らしする人は、外資系金融やコンサル等の一部エリート層を除けばいないでしょう。中野区の7.5万円あたりは都内一人暮らしに人気ですよね。
都内で一人暮らししている人はこの7.5万円前後の賃料を払っている人はザラにいます。
私の感覚だと、男性7〜8万円、女性8〜9万円くらいが相場です。

  新卒社員の給料と重い家賃負担

大学新卒社員の月収は平均だと20万円くらいでしょうか。手取りで20万円あればかなり良い方でしょう。
残業代やボーナスを無視すると、毎月約20万円で生活費や諸々の雑費をやりくりする必要があります。さらに、そこから何とか将来の資産運用に向けて貯蓄を捻り出していきたいところです。

若いうちの給料がよくて手取り20万円だとすると、都内の家賃7万円〜9万円がどれだけ負担になるか想像に難くありません。月収の4割ほどが家賃で持っていかれることになります。毎月の収支はマイナスで、残業代とボーナスでトントンという人も珍しくありません。
家賃を抑えることができるかは、資産運用の元資金作りのポイントになります。

 住宅手当の誘惑

私も社内では中堅に差し掛かり、若い新卒社員の方を先輩として受け入れる立場になりました。
最近気づいたのですが、彼ら彼女らの多くは一人暮らしなのですが、私よりも遥かに良質ないい家に住んでいるのです。家賃でいうと8万円〜9万円ほどです。
当初は、一人っ子で親の愛情をたっぷり受けて育った子供たちなのかと、だから安い古いアパートなんて受け付けないのかなと勝手に思っていました。(笑)

ただ、飲み会などで話を聞くとどうやら違うのです。
皆一様に、若年住宅手当があるから実質家賃負担は安いんですと言うのです。

大企業などでは社員に一定の住宅手当を支給することがあります。私の会社でも一定の年齢まで毎月5万円ほどの住宅手当が出ます。
これはもちろん非常に嬉しい制度です。基本給が20万円でも住宅手当が加算されるだけで、25万円になります。

5万円の住宅手当があるから8万円の家に住んでも実質負担は3万円です、という主張は一見正当です。20代で基本給は低いけど住宅手当があるから、いい家(都内で8万円は特段いい家とも言えないですが。)に住むというのは住宅手当の誘惑です。

 住宅手当の罠

しかし、この主張は二つの点で誤りがあると感じています。

①手取りベースで考えていない

初年度こそ住民税が天引きされないので手取りは高めですが、2年目以降は少なくとも額面の2割は税金・社会保険料として控除されます。
ということは、5万円の住宅手当は実質4万円とみるべきです。

 

②お金に色を付けるべきではない

A:基本給25万円 住宅手当なし
B:基本給20万円 住宅手当5万円
AとBどちらも総額25万円であることに変わりはありません。

しかし、心理的なお金の計算は変わってくることが多いようです。
Aの場合、総額25万円で生活費をどうするか考えるはずです。25万円の中で家賃も含めてどうやり繰りするか考えます。
一方でBの場合、住宅手当の5万円は自動的に家賃に充当される人が多いようです。住宅手当は5万円だから8万円の家賃でも実質3万円で安いじゃん、という発想になりがちです。

住宅手当というのはあくまでも会社が勝手に支払う給料に色を付けているだけです。
受け取る側にとってみればどちらも給与所得に算入され、何ら変わりはありません。

この2つの住宅手当の罠に気付いて、住居費という固定費を抑制できるか否かは資産運用の成否に大きく影響します。

 若く一人暮らしでいい家を借りる必要はあるか?

価値観は人それぞれですし、男と女とでは家に求めるクオリティや条件も異なります。一般的に女性の方が、2階以上やオートロック、防音、独立洗面台など絶対に必要という方は多いでしょう。

ただ、平日仕事に出ているサラリーマンが家にいる時間はどれほどでしょうか。最初は仕事を覚えることに精一杯で残業も多く、平日は家に帰って寝るだけの人も少なくないはずです。時間当たりの家賃は高額になりがちです。

都内だから家賃8万円は普通だろうという世間の価値観に縛られず、本当に自分にとって必要なのかよく考える必要があると思います。

ちなみに私は、都内で新宿まで15分ほどのところに住んでいますが家賃は6.0万円です。
駅からは徒歩3分ほどで近いですが、1Rでキッチンは狭いですしユニットバスです。築年数も30年ほどのマンションです。
人によっては受け付けない住環境かもしれませんね。
貧乏育ちの私はこれでも十分満足ですが(笑)。

 バランスよく節約して元手を貯めよう

株式資産運用と自己投資・娯楽はトレードオフの関係にあります。
資産運用のためにたくさん貯金しようと思えば、自己研鑽のための書籍代や友人との旅行代を削らなくてはならない時もあるかもしれません。

人生で最も大切な資源はお金ではなく時間です。皮肉なことにお金にとって最も大切な資源も時間なのですがね。
資産運用のための貯金ばかりして、人間関係や読書を犠牲にするのは非常にもったいないです。
かといって、交際費として飲み代が嵩んで友達と遊び過ぎて、全く貯金ができないのももったいないです。なぜかというと、冒頭で書いた通り資産運用では「時間」が大切で若いうちからの貯蓄・資産運用は将来大きな果実になることが期待できるからです。

バランスよく節約することが大切です。
毎月5万円は必ず貯金するといった目標設定も素敵だと思います。

 だからこそ家賃を節約したい

遊びたい、勉強したい、貯金もしたいという多くの人が思っていることを実現させるためにも、家賃節約は頑張りたいところです。固定費ですから。

毎月の家賃を2万円節約できたら、年間24万円です。
海外旅行にも行ける金額です。10回以上飲み会に行ける金額です。
すべて貯金に回せたら5年間で100万円を超えます。
先に記載しましたが、100万円を40年間7%で運用できれば1,500万円です。

資産運用と日々の生活の質とを天秤にかけて、うまく自分の家計をコントロールしていけるといいですね。
劣悪な環境に住むことを勧めているわけでは全くありませんが、意外にどんな環境でも住めば都になるものです。
住宅手当の罠にはまることなく最大の固定費である家賃をうまく抑えて資産運用のエンジンにしていくことができれば、将来家族を持ったり、海外留学したくなったりして本当にお金が必要になった時に良かったと思うはずです。

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