コツコツ節約して株式投資して早期リタイアを夢見る人は多いですね。私もその一人です。
それは素晴らしいことだと思います。
たった一度の人生。
総理大臣も一般庶民も時間は皆平等に一日24時間と決まっているわけです。この24時間を楽しく有意義に過ごしたいと願う気持ちはとても自然。
仕事が賃金を稼ぐための手段でしかない多くの人にとって、経済的自由を獲得してサラリーマンをリタイアしたいと願うことは普通の発想だと思います。
『私の財産告白』の著者である本多静六は「職業の道楽化」こそ目指すべき道であると言っていますが、庶民はそんな簡単に職業を道楽化できないですよね。職業の道楽化は理想ではありますが、「世の中そんなに甘くねーよ」と思っている人が大半のはず。
だいたいさ、仕事って他人を幸せにするためにやっていることですけど、衣食住には十分満足している現代人の欲求を満たすってそんな簡単なことではありませんよ。ビジネスが厳しくしんどいものってのは仕方ないと思います。職業の道楽化って普通のサラリーマンには絶対無理だと思いますけどね~。
私は会計士で経済とか財務の仕事に興味があって、現在は上場企業の経理をしています。運よくそこそこ自分が望む方向の職業にはつけたと思っています。
そんな私も正直言って、「仕事が楽しい!」と思ったことはほとんどありません。給料頂けるから毎日働いています。給料もらえないなら、当然辞めます。
自由な人生に憧れるのですが、それを掴み取るにはやはりサラリーマンを辞める必要はあるかなと思います。
でも安易にサラリーマンを止めるべきではないとも思います。
固定収入はありがたいけど・・
早期リタイアに憧れますが、やはり現状では抵抗感があるのが正直なところです。
1,000万円以上を株式で資産運用するようになって、逆に早期リタイアなんて怖くでできないと考えることもあります。
なぜか?
それは、リスクフリーで年間600万円貰えることがどれだけ凄まじいことか、株式投資をして身に染みて感じたからです。
株式投資も銘柄・金額すべて公開しているので、年収も別に隠しませんが私は年収600~700万円くらいです。世間一般的には平均より高いかもしれませんが、監査法人やコンサルに勤務している会計士と比べると安いもんです。別に周りと比較する意味なんてないですが。
(ただ、年収下がってもいいから東京サヨナラしたいのが今の自分の本音です。)
サラリーマンとはリスクフリーな立場です。
仕事の出来不出来や残業多寡で多少金額は上下しますが、真面目に働いていれば600万円くらい頂ける立場にあります。今は。
リスクフリーで600万円。
リスクフリーというのがミソです。
株式投資はリスクが伴います。
ある程度のリスクを負担したうえで毎日の株価の変動に耐えたうえで、期待できる収益率は7%~10%です。
楽観的に年率10%で考えます。年率10%で600万円の収入を得ようと思ったら、6,000万円もの株式資産が必要です。
しかも、その10%はあくまで長期で平均10%なのであって、単年でみれば+40%の年もあれば▲30%の年もあるわけです。
6,000万円を優良株に長期投資したとしても、リスク(収益の変動)を伴ったうえでの平均値として年間600万円の利益が出れば御の字なのです。
それに引き換え、私のサラリーマンとしての収入は毎年固定収入として600万円以上です。毎年のブレはほとんどありません。むしろ毎年増加していくくらいです。
1,000万円程度の株式運用金額だと、年間100万円の利益が出れば大成功です。
1,000万円もの大金を頑張って貯蓄して株式でリスクとって運用しても、望める収入はたったの100万円なのです。楽観的に見積もっても100万円です。配当金だけなら税引前で30万円ほどです。
サラリーマンを引退するということは6,000万円相当の優良株式を捨てることに等しいです。いや、リスクフリーであることのメリットを織り込むとしたら1億円相当の優良株式を捨てるくらいの気持ちが必要です。
サラリーマン稼業は楽ではなく、ストレスも溜まるし何より時間を拘束されます。
いくらサラリーマンがリスクフリーとはいえ、不労収入である株式収入と同義に考えるべきではないかもしれません。それでも庶民クラスの株式投資家がサラリーマン業を捨てる時は、相当熟慮して判断すべきだと思います。
1億円以上の人的資本が自分のBSから外れることの影響の大きさを十分に考えるべきです。
株式投資をすると、リスクを伴いながら配当金と値上がり益をコツコツ重ねていくことがどれだけ難しいかわかります。何もしないって結構難しいです。途中で株を売らなくてはならない人生イベントに遭遇する時だってあるでしょう。
アベノミクスで調子いい時もあれば、ここ2016年半ばまでのように円高株安傾向が続いて一向に利益が出ない時もあります。と思えば急なトランプ相場があったりもします。
株式投資なんてそう簡単に短期で儲かるものではありません。しかもほぼコントロール不能です。
安易にリタイアしたら、毎月固定収入を貰えていたことのありがたさを痛感するはずです。
1,000万円~3,000万円って庶民としては結構大金だと思います。ここまで株式資産を持っているサラリーマンはそう多くはないと思います。
でも、この程度の資産額でリタイアすべきかどうかはよ~く考えてからすべきだと思います。まあ完全リタイアではなく、色んな手段使って少し稼ぎながらってのがいいのかな。
人生は一度だから、時間は戻らないから、本当に自分が望むライフスタイルを勇気を持って取りに行く姿勢は大事だと感じます。一方で、生活にはお金が必要なのも現実です。
大胆さと慎重さ、楽観的と悲観的、どちらも必要なのだと思います。
でもね~、どちらかと言えば大胆さと楽観さを持っていた方が人生楽しそうだなって思います。
>>何もしないって結構難しいです。
ほんとにそうですよね。
投資に関して調べていると、
気になる銘柄を見つけると買いたくなるし。
ネガティブなニュースを聞くと売りたくなるし。
何もしないで淡々と配当金再投資は地味ですけど
意外と継続できる人は少ないのかもしれないです。
コメントありがとうございます。
私は投資に興味がある方なので(ブログを書いているくらいですから当然ですが)、どうしてもあれやこれや調べてしまいます。
特に2016年は投資方針を変更したので、取引が多くなりました。
機械的にETFを買い付けている方も結構いらっしゃると思いますが、結局それが一番合理的だなと思います。
何もしないで淡々と配当金を再投資し続けることが高い利益に繋がると理解している一方、ただ再投資を続けていくだけでは人生において意味はないとも最近は思っています。
貴ブログのURL載せて頂きありがとうございます。
運用資産額を拝見して、、驚きました。((+_+))
今後ともよろしくお願いします。
サラリーマンは経済的にはリスクフリーだと思います。どんなダメ社員でも給料がもらえるわけですからありがたいです。ただ時間と精神は削られていくのでバランスを考えるとある程度の資産でリタイアして少し稼ぐというスタイルが一般的にはいいような気がします。
私は40代後半ですが時間の有限性は強く感じるようになりました。
おっしゃる通りですよね。
サラリーマンは固定給を貰える権利があるので、その分給料は抑圧されるし会社の指示命令は絶対だから時間を奪われます。
それは会社が悪いとかではなく、そういう仕組みだから仕方ないと思っています。
そういう資本主義のルール、構造を理解したうえでどういう選択をするか、個人の意思決定の問題なんだろうと思っております。
>ある程度の資産でリタイアして少し稼ぐというスタイルが一般的にはいいような気がします。私は40代後半ですが時間の有限性は強く感じるようになりました。
大変貴重なご意見ありがとうございます。
人生の先輩から直接このようなメッセージを頂くと、今自分が心の中でふつふつと考えていることはやはり間違ってないんだなと確信します。
(正しい、正しくないという問題ではなく価値観の問題ではありますが)
ブログ拝見しました。
「そして転勤先で妻と出会い結婚。最高の人生のパートナーと巡り合う。」←素敵ですね!
3000万円が目安というご意見も参考になりました。
また、国民年金などの費用を私はあまり考えていなかったと気づきました。
俺は仕事を辞めようと思えば辞めれるぐらいの状況にはありますが、
仕事を辞めると人とのつながりがほぼなくなってしまうので
踏みとどまっています。
交友関係広い方や多趣味な方は辞めてもいいと思うんですが、
俺みたいに趣味が少なくて人見知りする人間は
仕事辞めたら退屈な毎日を過ごしそうです。
辞めれる状況とは言いましたが、
かなりカツカツな生活を送らないと成り立たないぐらいの資産と
仕事以外の収入確保の手段しかないっていうのもありますけどね。
あと篠田麻里子似の奥さんも欲しいですし。
ジグゾウさん、こんばんは。
何かあまりに考えていることが似ていて驚きました!
>仕事を辞めると人とのつながりがほぼなくなってしまうので踏みとどまっています。
これは私にもめっちゃ当てはまります。
人見知りする性格ではないですが、学生時代の交友関係とかもそれほど続いているわけではないし、今の会社の人間関係が切れたらあまり人と話す機会はなさそうかなって思う時があります。
私はサラリーマンを仮に辞めたらネットでもっと本格的にビジネスしたいし、読みたい本、やりたいゲームとかたくさんあるので退屈にはならないと思いますが、人との交流は極端に減るだろうなって思います。
ただちょっと哲学的な話ですが、人は常に孤独な存在だと思っています。彼女がいても奥さんいても子供がいても親友がいても、本質的に人は孤独だと思います。
「人が生まれてから死ぬまで一貫して孤独であることに人はいずれ気づき、そして信仰に辿り着く。」 by ピータードラッカー
そうして、、私は最近ちょっと仏教の勉強をしています。
結構面白いなと思っています。
確かに私も今サラリーマン止めて無職になって、何も仕事をしないとすればカツカツだと思います。
そこも同じですね。
なんか女性の好み以外はw、私とジグゾウさん似てますね!
ちなみに私はAKBですと、ベタですが大島優子が一番好きです。
最近のメンバーは知りませんが~。
いつもブログを拝読させていただいております.孤独という言葉が気になったので感想を記載させていただきます.
普通の人にとって米国株の情報源は書籍あるいはブログやHPで,従って米国株投資は孤独な道のりだと思っています.孤独は人を賢くするとの言葉がありますが(逆に孤独は人をダメにするとの言葉もありますが)コメント欄が盛況になるにつれて孤独感が薄れ,特に仲間で頑張ろうという記事の雰囲気は明確な根拠はありませんが一抹の不安を私は感じておりました(辛口コメントをご容赦ください,またコメントを記載する私が言うのも矛盾していますが).
ハワードマークスは20の教えで「未来は予測できないが,大衆が間違う確率は数学的」とあります.周囲が楽観的な時は悲観的に考える,投げ売りしている時に買いに向かう,孤独を味わえないような精神力でこれらが成し得るとは私は思えません.
>人は常に孤独な存在だと思っています。
とのことで杞憂に終わりましたしこれからも記事を楽しみにしております.
ちなみに最近気になった銘柄にTGTがありますが財務分析などいかがでしょうか.
私は購入しないと判断しましたが,連続増配ながら暴落しており少しだけ気になりました.
こんばんは。
いつもありがとうございます。
孤独が・・という発言は、米国株投資についての話というより人生についてそう考えるときが最近よくあります。
が、、これはもう私の勝手な価値観の話ですかね。
私は考えていることや価値観が相当変わっていると自覚していますので(笑)、あまり共感して頂くことは少ないかなと思っております。
ただ、ブログを通じて米国株投資の仲間を募っていきたいという思いは本音ではあります。
それは本音ですが、それでも「人は常に孤独な存在だと思っています。」というのも本音です。
>TGTがありますが財務分析などいかがでしょうか.
本日のバロンズ記事で知りましたが、年初から24%も下落しているのですね。
是非今後時間あるときに記事を書かせて頂きます。
なお、新規分析銘柄は過去5年分のデータになるのでご了承ください。
モーニングスターのサイトが新しくなって過去10年分のデータが取れなくなりまして。。
はじめまして。最近同じような事を考えていて、興味深く記事を読ませてもらいました。
確かにサラリーマンはリスクフリーですから健康に支障がない限り続けた方がいいと思うのですが、人生の時間が有限と考えるとそのバランスが難しいと思う事が最近増えてきました。
私は40前半ですが、まだまだ早期リタイアは遠いです。
この数年色々な投資を試していますが、Hiroさんも書かれているようにETFをコツコツ買うのが一番手堅いなーという感想です。時期もあったと思いますが、キャピタルゲインもそれなりに出ました。他に不動産投資なども試して見ました。結果もそれなりに出ますが、再現性が難しかったり、資金調達も大変です。また、資産やサラリーマンとしての給与が増えてくると節税に興味持ったりしてくると思います。生活におけるお金は興味深いですね。
取り留めのない内容ですいません。これからも読ませていただきます。
はじめまして、こんばんは。
>人生の時間が有限と考えるとそのバランスが難しいと思う事が最近増えてきました。
本当におっしゃる通りだと思います。
有限な人生とのバランスですよね。
難しいのは、有限っていうのはどれくらい有限なのか分からない点ですよね。。
人はいつか必ず死にますが、それがいつなのか予見不可能です。
来年死ぬってわかっていれば、仕事なんてすぐに辞めますよね。
早期リタイアはホントに個人の価値観に大きく依存すると思います。
これは正解がないですからね。
私はサラリーマンはリタイアしたいのですが、仕事はし続けたいです。
ゆっくり生活すること自体にそこまで大きな憧れはなかったりもします。
ネットを使って常に社会との接点は持ち続けたいです。
多分そうでないと、例え億円のお金があっても何か心が落ち着かない気がします。
まあリタイアしてから考えろって言われそうですが笑。
自分の価値観を確かめることが一番大事だと思っているのですが、いまいち自分の価値観がわからないのが悩みです。
年を追うごとに価値観が変わっているような気もします。
それはある意味自然だと思いつつも、そんなに価値観が揺らいでいては自分がどういう風に生きたいのがはっきりできないなとも思います。。
あ、なんか長々とすみませんでした。
ヤイダ様の投資歴教えて下さりありがとうございます。
色々とご経験が豊富ですね。
確かに手堅いのはETFやインデックスファンドをコツコツ投資ですよね。
投資に時間をかけずあくまでもお金を稼ぐ手段と見れば、これが一番効率的だと私も思います。
不動産投資が再現性が難しいとは意外なお話で興味深いです。
不動産を見る目が養われれば結構再現性が高いのかなって勝手に思っておりました。
貴重なご意見ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
こんばんは^^
リスクフリーの年間600万円は確かに凄まじい金額ですね・・・
定期的な買い増しでドルコスト平均法を確実に併用出来る点も有利ですよね!
「残り時間」という観点での価値観にも共感します。
最近、人生の残り時間がざっくりでも分かっていたら良いのに、って時々ちょっと思う事があるんですよね。(それはそれで怖いかも知れませんが・・)
その方が、資産運用も人生設計も全て逆算で考えて、お金も使いこぼし無くキッチリ使えるのに、とか。まぁあり得ない事なのですが笑
最近、確定拠出年金(iDeCo)の導入可否を僕なりに考察した結論を記事にまとめてみました。
http://serendipity.chips.jp/archives/16325
「自分はそもそも60歳過ぎまで生きるのか?万が一そうならなかったら掛金丸損だし・・」とか、考え出すと止まらなくなってしまうんですよね、、笑
hiroさんはiDeCo加入に親和性が高いご職業かと思いますが、加入可否はどうお考えでしょうか??
こんばんは。
確かに給料はドルコスト平均法で貰えるお金ですね。
私たちは米国株投資家はドル円の為替レートを考える必要があるので、定期的に貰える給料にはメリットありますね。
ちょっと堅苦しい話で恐縮ですが、最近よく「生きる意味」とか「人生の意味」を考えることがよくあります。
幸せになるために生きるっていうありきたりな回答はありますが、その幸せって何だろうって思いますね。
所詮、幸せは相対的なものでしかないのか、、そうであればどれだけ豊かになっても一生心は満たされないのだろうな~とか。。
絶対的な幸福ってあるのかなって思います。
投資と直接関係はないのですがね。
最近、毎日毎日残業続きで会社と家の往復ばかりだから余計に考えます(笑)
確定拠出年金の件、とてもわかりやすい解説記事をありがとうございます!
イデコはメリット・デメリットありますが基本的には良心的な制度ですよね。
やはり所得控除の恩恵は大きいと思います。
ですが、私は今のところイデコは使わない予定です。
やはりお金は使ってこそ意味があると思っており、お金とは価値交換のツールに過ぎないと考えています。
そういう自分の信条を貫くうえで、60歳まで原則引き出せないのは嫌だなと思いました。
あと、私の会社は年間14万円ほどしか拠出できない会社でして金額的にもあまり影響がないというのもあります。
イデコを使わないというのは、私個人の価値観に基づく判断です。
イデコ加入の是非を相談された場合(実際問い合わせフォームで質問されます)は、メリットデメリット把握したうえで基本的には加入をお勧めしています。
老後に向けての資産形成という点ではイデコは優秀な制度だと思っています。
イデコの件は記事にしようしようと思い続けて、ずっとサボってきましたw。
いつか改めて記事にするかもしれません。
コメントありがとうございました!