まだまだ素人の域を出ていませんが、不動産とりわけマンションの勉強をしてから、この分野の相場観や経済的な損得感をある程度は掴むことができるようになりました。

その中で思ったことですが、やっぱりマンション、アパートの賃貸経営で儲けるって常人には無理ですね。

別に「カボチャの馬車」みたいな詐欺的な事件でなく、普通にローン組んでワンルームマンション買うとかでも、まともな儲けを継続的に出すのは難しいです。少なくともリスクには見合っていないことが多いと思います。

都心のマンションの利回りは3%後半~4%前半です。ちょっと外れた準都心でも5%台の利回りには乗らないことが多いです。せいぜい4%台の後半くらいかな。郊外になると5%を超えるのかもしれませんが。

私は都心の物件ばかりサーチしているので、ちょっとその前提で話をさせてもらいますね。

利回りが3%台に突入しても、まだ需要が鈍る気配は見られません。コロナ禍で家を欲しいと考える人が増えたことに加えて、良質な住宅の供給は限られているからです。

実は都内の新築マンションの供給量はかなり少ない状態が長く続いています。価格を維持するためにデベロッパーが供給を抑えているのか、あるいは単に用地がないのか、どちらなのかわかりませんが。両方かな。

そういう背景があるとは言え、利回り3%台でもマーケットが成立しているのは、そんな低利回りで購入しても損はしないと踏んでいる人が大勢いるからです。いくら家が欲しくても、明らかに損するような買い物は誰もしません。

3%~4%の利回りでも市場が活況を維持できるのは低金利だからです。4%から金利0.5%を差し引いても3.5%も残ります。ここに住宅ローン減税が加わって、かつ住環境が改善するなら、購入を決断する人が多いのも頷けます。

これは各種優遇を受けられる自宅だから成立するマーケットです。

何が言いたいのかというと、超低金利かつ優遇税制の恩恵を受けられる自宅購入層を前提に住宅の市場価格は成立しているということです。

そこに事業性ローンで勝負を挑むのはかなり無謀だと思います。

金利が3%としたら、利回り4%だと1%しか残りません。賃貸だと常時入居率100%とはいかないでしょうから、実際の利回りはもっと低くなります。また家賃収入には税金がかかるし、自宅ほどの税制優遇もありません。

実際は投資家は利回りに厳しいので、自宅購入層よりも求める利回りは高いでしょう。しかし、自宅マーケットに引きずられている影響で、特定の物件だけ利回りが高くなることは考えづらいです。利回りが高い物件はそれなりの理由があるはずです。

不動産賃貸が儲からないのは、自宅購入に対する政府の優遇のせいではないでしょうか。そのせいで、事業性ローンではとても利益が残らないような水準に不動産価格が吊り上がってしまっているように思います。

もし住宅ローンも事業性ローンと同じく利率3%ほどあって、ローン減税などもなければ、都心のマンション価格はここまで上がっていないでしょう。少なくとも利回り5~6%くらいまで価格は下がると思います。

ボロ戸建てを激安指値で買い取って、自分でリフォームしてとんでもない高利回りを生み出すとか、そういう努力をしないと十分な利益を出すのは難しい印象です。普通に物件を取得して賃貸に出すだけで儲けを維持するのはかなり難易度が高いです。

賃貸経営をやったことはないのであまり勝手なことは言えませんが、マンションを探す中で不動産市場を知ってそう感じました。

マンションを保有して、その賃貸で生計を立ててる方もいらっしゃいますが、本当に凄いなあと思います。無茶苦茶努力されてるはずです。とても真似できない。サラリーマンが電話営業を受けてノリでやるもんでは絶対ないです。