米国の鉄道輸送大手ユニオン・パシフィック(UNP)の財務データを見てたのですが、この会社めっちゃ凄いですよ。資本財セクターで一番有望に感じるのはボーイングでもスリーエムでもなく、ユニオン・パシフィックです。個人的に。

実はこの10年売上高は成長していません。以下はUNPの売上高推移。

(ソース:会社公表財務データ)

にもかかわらず、この10年でEPS(一株当たり利益)は4.5倍に、DPS(一株当たり配当)は6.9倍に増えました。

このEPS、DPSの成長を支えているのが自社株買いです。

以下はユニオンパシフィックの発行済み株式数の推移です。

(ソース:Morningstar)
※すみません、単位は「百万株」の間違いです。


凄くないですか、この減少ペース。10年で30%も株数を削減しています。これはアップルをやや上回るペースです。アップルの莫大な自社株買いはしょっちゅうウォールストリートジャーナル等で話題になりますが、そのアップルを超える勢いでひっそりと自社株を買い戻しまくっていたのが地味な鉄道会社なのです。

ユニオンパシフィックの2010年~2019年の株主リターンは年率21%(配当込み)にも上ります。素晴らしいですね。100万円が10年で700万円にまで増える計算です。

欲しいなあ、ユニオンパシフィック。株主に富を残すことが文化的に根付いている感じがします。財務諸表からそんないい匂いがします。

予想PERは20倍。売上成長が見られない企業のバリュエーションとしては高く見えます。ここ数年で利益率がかなり改善していますが、それもすでに株価に織り込み済み。う~ん、高い。でも買う価値のある株だと思います。とりあえずウォッチを続けます。