最初の1000万円は5年かかったが、次は4年、その次は2年で達成できた。

初めて株を買ったのは2012年の夏でした。インデックスに1万円。その時から自分のバランスシートを作り始め、資産推移もエクセルで記録しています。以下は2012年6月から2019年12月までの総資産推移です。

(単位:円)

大学を卒業したのは2009年ですが、その時点での貯金はもちろんゼロ。貧乏学生でしたから。大学4年の後期の学費は奨学金を以てしても払えず万事休す。母親に頼んでお金を工面してもらいました。奨学金、親への借金を差し引いたら、卒業時点は純資産マイナスでした。

社会人になってから、投資の勉強をしつつシコシコと貯金を続けました。どうやら投資を始めた2012年時点では600万円ほど貯まっていたようです。1年で200万円ずつ貯金してたんやなあ。当時のことはあまり記憶にありませんが、そこそこ頑張ってたみたいです。

資産1000万円に到達したのは2013年末です。株式投資を始めてちょうど1年経った頃か。アベノミクス&黒田総裁の「異次元緩和」で円安株高の恩恵を受けていました。1日で資産が3万円も増える日がざらにあって興奮してました。

今では1日で30万円動く日も珍しくないんですけどね。労働収入しか知らなかった当時の自分にとって、何も働かなくても朝目覚めたら資産が3万円も増えている状況は信じられないというか、なんかフワフワした感覚になりました。働くって一体何なんだ?って色々考えさせられました。

資産2000万円に到達したのは2017年末。そして最近になって資産は3000万円にまで増えました。途中、調整局面はあったけどなんやかんやで米株は右肩上がりが続いてきた恩恵を受けました。銘柄選択は下手くそでS&P500を下回るリターンですが、市場に居続けて配当を再投資することで何とかインデックスに食らいついてきました。

0→1000万:5年(2009年→2013年)
1000万→2000万:4年(2014年→2017年)
2000万→3000万:2年(2018年→2019年)

最初の1000万円までは5年かかりました。一応20代で達成できましたが、犠牲にしたものもありました。特に生活の質は周りの同僚よりも著しく低かったです。結婚して彼女と綺麗な1LDKのマンションに引っ越す友人を横目に、私は一人寂しくオンボロ独身寮住まい。水道光熱費込みで家賃1万円。安い。が、ホント汚い。私の拙い文章力では伝えられないですが、めちゃくちゃ汚い。底辺を経験できたと思ってます。マジで誇張じゃないです。

若い頃に貯金ばっかりして楽しいか!?って言われたことも多々ありますが、これが僕が選んだ行動でした。とにかく資本を蓄積したいという思いが強かったです。20代の頃は結婚するとか、いい家に住むとか、そういうことは眼中になかったです。私は価値観が世間とズレてると自覚しています。ちょっと変わってます。

かなり生活コストを抑えてましたが、それでも最初の1000万円までは5年かかりました。長かったです。達成した時は「とりあえず節目だな~」とは思いましたが、特に生活は変わらなかったです。

1000万から2000万に到達するのに要した期間は4年。最初の1本よりも2年早く達成できました。んで、2000万から3000万までに要した期間は2年。段々とスピードが早まってきました。これが複利の効果だ!なんて言うつもりはないです。投資リターンだけでなく、本業の給料アップや副業収入が貢献している面もありますし。

でも、やっぱり資産が増えることによるパワーもあると思います。100万円の重みが薄れてきたなあと最近感じることがあります。気が付いたらひと月で資産が100万円くらい増えてる時もあります。もちろん、逆に減っている時もありますが。

貯金しかしてなかった頃は、足し算引き算の世界でした。今月は給料が30万円で、家賃などの生活費に21万円使ったから資産(貯金)は9万円増える。そう簡単に計算できました。投資を始めて運用額が大きくなってくると、掛け算の世界とまでは言いませんけど、少なくとも足し算引き算の世界ではなくなりました。なんかよく分からないけど、資産が勝手に増えたり減ったりしてる感じ。15万円もするノートPC買ったのに、なぜか今月は資産増えてるな~みたいな。

そういう風に感じることが多くなったのは、運用額が1000万円を超えたあたりかなと思います。1000万円あると5%動くだけで50万円ですから。本業の月収を軽く超えます。

1000万円を米株で運用すれば年60万円の再投資が可能になる

益回りを6%とすると、1000万円を運用すると期待利益は年60万円ほどになります。S&P500指数の配当利回り2%を前提にすると、実際に配当として入金があるのは20万円ほどですが、配当に回らない分も含めた理論利益は約60万円くらいあると勘定できます。

最近の米大企業は稼いだ利益のほぼすべてを株主還元(配当、自社株買い)に回しています。つまり、S&P500指数に1000万円投資して得られる年60万円の利益は、配当をきちんと自分で再投資すれば、そのすべてが再投資されることになります。

年60万円、月5万円が働かなくても再投資できるわけです。これって凄いことだと思いませんか。20代の給料が少ない頃は月5万円の投資資金を確保するのは大変なことです。難しい人が多いと思います。

私は投資を始めた最初は年100万円投資するのが目標でした。そこまでやれたのは、運よく学生時代に会計士試験に合格できて、最初から監査法人でそこそこ良い給料を貰えたからです。自分みたいな何もできない下っ端見習いにも高給をくれる業界なんです。まあ既得権益ですよ。監査は会計士の独占業務ですから。給料に見合う仕事ができている自信は全くなかったですが、試験勉強をがんばったご褒美と思って、ありがたく頂戴して資本を蓄積していました。

運用額1000万円になると、月5万円の投資が自動化されるわけです。配当は自分で再投資するという条件付きです。あと税金は無視してますが。

ここまで来ると「金が金を生む」を肌で感じられる瞬間があります。年60万円ってまあまあインパクト大きいですよね、普通のサラリーマンにとって。もちろん、資産が増えて投資収益があるからって、生活水準を極端に上げたらダメです。まだ生活費はステイさせておきたいところ。せいぜい家賃1万円上げるくらいで何とか耐えましょう。

んで、1500万円、2000万円と資産が増えていくと、期待投資利益は100万円を超えます。かつては汗水垂らして働いて貯金して、必死こいて年100万円の投資資金を捻出していたのに、ここまで来ると資産が生むお金だけで100万円を再投資できるようになります。サラリーマンの給料から100万円を投資に回すのはとてつもなく大変なことですが、その100万円が毎年労せずに勝手に生まれ、株に再投資されます。

複利の力も相まって、経済格差はドンドン広がっていきます。株式投資は何歳から始めても遅いことはありませんが、若い頃に運用額を大台に乗せた人に後から追い付くのはかなり難しいです。自動的に毎年100万円の種銭が生まれる人、労働収入で100万円の種銭を準備しなくてはならない人、そのハンディはあまりに大きいです。まあ、周りと比較する必要なんてないですが。

資産100万円だとまだ見える景色は変わらないかなと思います。運用額100万円だと年間利益は6万円ほど。千里の道も一歩から。この6万円も貴重な不労所得です。が、日本の標準生活費や給料を考えるとインパクトはまだ小さいと言わざるを得ないです。

これが一桁増えて年60万円の利益が生まれるようになると、これは無視できない規模じゃないでしょうか。どうですか。人それぞれですが、私はそう感じます。

資産額というストックよりも、フローに注目して欲しいですね。4桁の資産額自体が目標になりがちですが、投資資産はそれがキャッシュを生んでこそ意味があります。1000万円の米株(S&P500)はだいたい60万円くらいの利益を生んでくれます。

1000万円のストックよりも60万円のフローに価値を感じませんか。しかも、株主重視の米企業はその利益をほぼ100%株主に還元しています。60万円全額を再投資に回せるということです。株価は上がったり下がったりしますけど、長期的には資産は嫌でも増えていくと期待が持てます。そして、資産(ストック)が増えれば投資利益(フロー)もさらに増えます。好循環ですね。

1000万円の米株は毎月5枚の「諭吉」をあなたのために刷ってくれる造幣マシンです。たまに調子が悪い時もありますが、壊れることはありません。それどころか性能は上がっていきます。誰かに売り払わない限り、あなたのために永遠に紙幣を刷り続けてくれます。大変だけど手に入れる価値はあると思います。