今でもはっきり覚えていますが、任天堂64(通称ロクヨン)のスーパーマリオ64を初めてプレーしたのは小学5年生の時でした。同じクラスのお金持ちの友達Y君の家に集まって、みんなで交代交代やってました。

3Dスティックの操作の難しいこと。。ほんっとに感動しましたねえ。こんなリアルな3D世界を駆け回れるなんて凄い!!って。ゲームの世界観が一気に広がりました。他にはマリオカート64、あとなんだっけタイトル忘れたけど水上バイクレースのゲームとかあったなー。

僕は最初ロクヨン本体を買ってもらえなかったです。母親に何度も何度も欲しいって言ったけど、高いからダメと言われました。でも6年生の夏休みに京都のばあちゃんが買ってくれたんですよ~。もう超嬉しかったですね。いとこと一緒に親に怒られるまで一日中ゲームしてました。

そんなスーパーマリオ64も今YouTubeで観たりすると、カクカクの不自然なポリゴンで全くリアルじゃないな~と思っちゃいます。今の小中学生が64の画像を見たら「うわ、ナニコレww」って思うんだろうな。20年前は最先端でしたが。最近、スイッチのスーパーマリオ・オデッセイを少しだけプレーしましたが、当然ながら64より遥かに綺麗な画像でした。

20年も経つとテレビゲームは大きく進化しますね。次の20年はクラウドゲームでしょうか。ゲーム機本体という概念は消えて、好きなゲームをクラウド上でプレイする未来が訪れそうです。画質も今以上に進化してるんでしょうかね。あと、VR技術も楽しみです。

技術は大きく進歩しているのに、私たちがゲームに支払うお金は大して変わっていません。いや、むしろ安くなっている気がします。曖昧な記憶なんですが、1990年代スーパーファミコンの大型RPGソフトは1万円以上しましたよ、確か。ファイナルファンタジー、バハムートラグーン、ドラゴンクエストとか。今1万円以上するソフトなんてありませんよね。スマホゲームは課金せずとも結構楽しめますし。

そう言えば、数年前にミニスーパーファミコンなるものが発売されました。当時のSFC本体が手のひらサイズになり、20本近くの有名ソフトが収録されていました。スーパーマリオワールド、ゴエモン、超魔界村、ゼルダ、F-ZERO、マリオカート、聖剣伝説、ロックマン、メトロイド、カービィ、ドンキーコングなど。

1990年代後半にこれらソフトを全部買い揃えたら10万円以上かかったはず。それが今ではたったの7,980円+税です。10分の1以下。めちゃ安い。20年前の子どもがタイムスリップして現代のミニスーパーファミコンを見たら驚愕するでしょうね。

ちなみに私は去年買いましたが、マリオカートをプレーしただけ。やっぱゲームする時間を捻出できませんね。引っ越しを機にブックオフに売却しました。

ゲームの高品質・低価格化は任天堂を始めとしたゲーム開発企業のイノベーションの賜物です。企業同士の技術競争は大抵は株主に富をもたらすことはなく、消費者に恩恵をもたらします。ゲームの歴史を振り返るとヒシヒシとそれを実感します。

一方で、お菓子やアイス、ジュースはどうでしょうか。子どもの頃からそんなに変わっていません。値段もそんなに変わっていない。内容量が減って実質値上げされているくらいです。ゲームみたいに価格が10分の1に下がっているものはありません。

この辺がジェレミー・シーゲル氏が『株式投資の未来』の第7章(資本を食う豚 テクノロジー:生産性の源泉にして価値の破壊者)で言っていることですね。

投資家の世界には、次の一般通念がある。新製品や新技術の開発に、第一段階から参加できれば、金持ちになれる。

(中略)

だが、この前提はまちがっている。経済の成長と利益の成長とは、別のものだ。それどころか、生産性の向上は利益を破壊し、株価の急落につながることさえある。

(中略)

過去の経済的データを見るかぎり、技術の進歩は、それ自体にどれほど意味があっても、最終的に実を取るのは消費者であって、株主ではない。

『株式投資の未来(第7章)』より抜粋

この第7章は結構大事だと思ってます。メディアの注目集まるキラキラした業界に目を奪われることなく、株主に富を残してくれる地味な業界に注目する。

別にそれが生活必需品セクターってわけでもないと思っています。ハイテクセクターもかなり成熟してきましたし、十分株主の富を増やしてくれそうです。赤字のIPO銘柄とかではなく、マイクロソフト、シスコシステムズ、オラクルのような営業キャッシュ潤沢な企業が有望に見えますがどうでしょうか。