規模や料理のランク、装飾の華やかなどでピンキリではありますが、結婚式は平均で300~400万円はかかるケースが多いようです。リッツカールトンなど高級ホテルでやると、800万とか下手すると1000万かかることもあるとか。

十分な貯蓄がない若者が式を挙げる場合、一括で支払うことは難しいでしょう。ご祝儀を差し引いても自己負担は200万円ほどは発生します。車が買える値段です。

ブライダル業界もそれは重々承知しているため、ブライダルローンなるサービスを展開しています。

私たち夫婦は幸い二人ともしっかり貯蓄があるので、ローンを使う気はなかったのですが、何となく興味心でプランナーさんに貸付条件を聞いてみました。

金利18.0%(期間1か月)
金利6.8%(期間84か月)

この2つがあるとのこと。

期間1か月のローンって何?って思われるかもしれませんが、ご祝儀払いできるように1か月だけ支払を猶予してあげるためにあるそうです。

1ヶ月だけとはいえ、金利は18%ともはや消費者金融並みの暴利です。仮に400万円を金利18%で1か月借りると、利息は6万円にもなります。

やば過ぎやろw

1か月支払いを待ってもらうために6万円も利息を払うのか。そんなニーズあるのか。いや、あるんですよ。あるから、こういうサービスが事業として成立してるわけです。

お金がないカップルにとってご祝儀払いできるのは、資金繰り的にかなり助かるはずですから。親に頼れる人はいいけど、そうじゃなければね。

消費者金融と同じ法定上限の手数料(利息)を払っていると自覚を持っているのでしょうか?

ブライダル業界の闇の一つだなと感じました。別に批判してるわけじゃないです。顧客の需要があり、事業として成り立っている金融サービスですから。

他の業界もそうですが、高額な商品を販売している企業は、付随の金融事業が儲かっていることは多々ありますね。

あと、期間84か月のローンもえげつない。金利は約7%と高利。

資産価値のある不動産を買うならまだしも、1日で終わる盛大な「パーティー」開催のために、金利7%で7年間も借金するなんてはっきり言って情弱です。こういう人は貧乏まっしぐらですよ。資本主義ゲームの「あちら側」行きの片道切符を買うようなもんです。

ビビったのは奥さんが私に「金利6.8%って高いの? 私よくわかんない。私たちお金はあるけど、借りれるなら借りてもいいんじゃない。」って言ったこと。

ちょっと眩暈がしました(笑)。

このクソ低金利の時代に7%で借金する合理性があるシチュエーションなんてまず存在しません。

金利の感覚がないってホント危険です。金利は絶対水準でその高低を判断できるものではないです。相対的に見る必要があります。

預金金利が6%の時代なら、7%で借金するのはそれほど悪い選択肢ではありません。インフレで債務負担はいくらか軽減されるだろうし、無リスクの預金で利回り6%なら、リスク資産で運用すればそれ以上の利回りで実現できる機会もあるでしょう。

でも、現代はご存知の通り、日本はゼロ金利。欧州の一部債券はマイナス金利。コロナ禍からいち早く回復しているアメリカでさえ、10年債利回りは1%台前半で実質金利はマイナスです。

じゃぶじゃぶのマネーが利回りを求めてグローバル金融市場を彷徨っています。ジャンク債の価格も上昇し、国債とのスプレッドは縮小しています。

S&P500指数の予想PERは22~23倍と歴史的高水準。それでも、他の資産クラスよりマシということで、株式は最高値を更新し続けています。短期的には投資家として嬉しいことだけど、ドンドン株の期待利回りが下がっていく様子を見てちょっと不安にもなります。

株式という高いリスクをとっても、利回りは4%台(=PER20~25倍)なわけです。

そんな現代で金利7%で借金するなんてあり得ないです。そんな借金しないと式を挙げれないなら、お金が貯まるまで我慢した方がいいと私は思います。

会計やファイナンスの専門知識を会計職ではない人が知っておく必要はありません。自分の本業にリソースを割いた方が稼ぐ力を高めることができますから。

でも、みんなこの資本主義ゲームに嫌でも参加させられているわけなので、お金の知識自体は万人に必要です。最低限のマネーリテラシーがないと気づかぬ内に食い物にされちゃいます。

最低限のマネーリテラシーの一つとして金利があります。日本、欧州、米国の政策金利くらいは把握しておいた方がいいです。

それが難しいなら、せめて預金金利と比較するくらいの視点は持った方がいいです。楽天銀行でも預金金利は0.1%です。

金利7%の恐ろしさを理解できない人は、経済的に負け組になる確率が高いと思います。