金融庁の調査によると、高齢者夫婦のみの世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の保有金融資産は3,000万円超と450万円未満に二極化しています。特に450万円未満の世帯が年々増加しており、貧困化がデータで示されています。
老後2000万円問題という言葉がよくニュースで取り上げられていましたよね。2000万円という数字に過度にこだわる必要はないとは思うものの、正直言って社会に出て40年も経っているのに金融資産が2000万円もないのは結構しんどいなって思います。
うちの両親は父が70歳、母が62歳。「高齢者のみの世帯」に該当します。財政状況は詳細には知りませんが、おそらく金融資産450万円未満の世帯に該当する気がします。
いや、さすがに子ども二人が出て行ってもう10年以上経つからもうちょっとあるのかな。ただ金融資産2000万円はさすがにない。
ですが!
実はしれっと老後2000万円問題をクリアしていたことが判明しました。
それはマンションの資産価値です。
1990年に2500万円で新築マンションを買ったそうですが、現在の想定売却価格は2000万円です。全国マンションデータベースで調べたところ、うちと同じ階の隣の隣の部屋(間取り、面積ほぼ同じ)が1980万円で売りに出されていたのを確認しました。
あくまで売り出し価格で実際に1980万円で売れたかどうかは知りませんが、すぐに販売が決まったようで恐らく大きな値引きは入ってないと思われます。
我が家は8年ほど前に床下浸水をきっかけに700万円もかけてフルリフォームもしてるんです(ほぼ全額保険でカバー)。なので、築年数は経ってますが部屋はとても綺麗です。特にお風呂などの水回りは最近のマンションと比べても見劣りしません。
もしかしたら2000万円以上で評価されるかもしれません。
30年前に2500万円で買ったマンションの評価額が2000万円って立派だなと思いました。自宅マンション投資成功の部類に入るんじゃないでしょうか。
これは運が良かったからです。九州大学が箱崎、六本松から伊都地区に移転して、我が家の近くに新しい駅ができたんです。それが2005年のこと。以来、周辺には多くのマンション、飲食店、学校、病院が建設され、地価もかなり上がったものと推測します。
子ども頃、友達とサッカーや鬼ごっこをしていた野原だったところに今やマンションが林立しています。最近は開発がひと段落した感がありますが、数年前は実家に帰省するたびに新しい建物がバンバン建っていて景色が変わっていました。
資産価値があるとは言え、今住んでいるマンションを売却して資金化できる見込みはありません。住む家は常に必要ですから。しかし、バランスシートに2000万円相当の価値のある不動産があるんだとわかり、長男として少し安心しました。
家賃は消えるけど、持家は資産になる。
こんなの詭弁だと以前は思っていました。家なんてどんどん価値が劣化していって、30年も経てばまともな価格で売れないと先入観を持っていました。
でも、実際は売れますね。立地、管理がしっかりしていて、価格が妥当ならマンションは普通に売れます。株みたいに即日売却は無理だけど、3ヶ月~半年あれば売れることが多いです。
ところで、老後2000万円問題は持家がありかつ、それとは別に金融資産2000万円が必要という話だと聞いたことがあります。もしそうだとしたら、うちの両親は老後2000万円問題をクリアできてないことになります。
まあ、そこは労働で賄うしかないでしょう。貧乏暇なし。でもボケなくて丁度いいんじゃないでしょうか。親父は70歳ですが今でも自営業で現役です。母も毎日パートに出ています。