宗教やイデオロギーに絶対の正解はありませんが、資本主義は今のところうまく行っていると言えそうです。少なくとも共産主義より成功しているのは間違ないです。

資本主義社会ではその名の通り資本家が世界経済を牛耳っています。バランスシートの右下を支配する者に富が集中します。

今はすごい時代で、個人でも簡単に資本家になれます。ほんの少しの知識と勇気、そして金さえあれば誰でも資本家になれます。アップルやアルファベット、フェイスブックといったシリコンバレー発の最強企業の株主になれます。

資本主義社会で経済的な豊かさを得るには、毎月の給料を貯蓄して株式に回せばいいんだ。幸い20代前半の頃に「ゲーム」のルールに気が付き、社会人になったらRX-8買うぞ!という大学生の頃の憧れを放り捨てて、これまで株を買い続けてきました。今もその途上です。

大きな失敗をしなければ、そこそこ金持ちになれる気はしてます。1億円は射程圏内ではないけど、いずれは到達できそうです。「億」という数字は学生の頃は想像すらできなかった単位です。

ただ、そうやって資本家になることが本当に幸せかどうかはわかりません。

資本主義社会には2種類の人間がいると思います。
・お金を投資に回してより多くの価値を生み出そうとする人(資本家)
・お金を消費に回してより多くの価値を手に入れようとする人(消費家)

消費家のおかげで資本家が成功するとも言えます。

投資本などではよく「消費を抑えて、お金を投資に回す人が資本主義社会で成功できるんだ」などと言われますが、本当にそうかなって思う時があります。そもそも「成功」って何なんでしょうかね。ただ証券口座の残高を積み上げることを「成功」と呼ぶとはどうも思えません。

ほどよい落としどころを見つけた方がいいのかもしれません。資本主義と消費主義の間に。実際は両極端です。資本家は投資やビジネスに人生を捧げて、消費に価値を見出さない人が多い。消費家は投資とは無縁で、働いて得た給料をほぼすべて消費に使って人生を楽しむ。投資の「と」の字すら知らない人も珍しくない。まあ誰かの貯蓄・投資は必ず誰かの債務のはずだから、投資派と消費派とで両極端になるのは必然なのかもしれません。

資本主義社会だから資本家が幸せとは一概には言えない気がします。

イーロン・マスク氏とかぶっ飛んでるなあと思うんですよ。PayPalの成功などで多額の資産を築いています。いつでも優雅なリタイヤ生活を送れます。しかし、今テスラの舵取りで多忙を極めています。自動車製造というのはソフトウェア開発やアプリ運営とは全く異なります。多額の固定費が発生するので、どうしても現金燃焼が激しくなり、ビジネスを軌道に乗せるまでのストレスは大きいです。それを承知でEVの未来のために身を粉にして働くというのが、イーロン・マスク氏の価値観に沿っているのでしょう。生粋の資本家側の人間ですね。

イーロン・マスク氏とはスケールが全然違いますが、節約して毎月の給料の大半を株式投資に回すサラリーマン投資家も資本家側の人間でしょう。

私は資本家でもあり消費家でもあるという、どっちつかずな中途半端な立場でいたいです。十分な資本を保有して余裕のある経済状況でいたい。一方で、消費にも金を使って好きなことして過ごしたい。投資ばっかりは嫌だけど、家計カツカツ火の車も嫌だ。資本家兼消費家がいい。