ブランド価値の評価やコンサルティングを行っているGIFTによると、Amazon、Microsoft、Apple等主要企業の今期期首時点でのブランドをはじめとした世界中の無形資産の推計価値は、57兆3000億ドル(約6,300兆円)であった。

アナリストによると、世界の無形資産の76%、43兆7000億ドルは貸借対照表に計上されていないが、それらの価値は毎年25%増加していると指摘している。この数値は、開示されている無形資産の増加率5%の5倍に相当する。

個別の企業で見ると、世界で最も多額の無形資産を有していると思われるAmazonは8,270億ドルで、昨年の最多額企業であったAppleを上回った。しかし、両社とも開示している無形資産上位100社には入っていない。したがって、それぞれ98%及び99%の無形資産が開示されていない

この調査では、インターネット及びソフトウェア企業はそれらの企業が有している無形資産の10%ほどしか開示していない、と指摘している。

現在の会計基準では、主観的に価値があるとされる無形資産を貸借対照表に計上することはできない。だから無形資産の貸借対照表計上額は、主観的価値より少額となる。

『週刊 経営財務』より抜粋


とても面白い文章だと思い紹介しました。

広い経済的な壕がある(通称ワイドモート)企業の株を長期で保有することが重要です。

広い経済的な壕は財務諸表から読み取れるのか?

損益計算書やキャッシュフロー計算書からは感じ取れます。営業利益率、営業CFマージンが継続的に高い企業は広い壕を持っている可能性が高いです。あとはROEも大切な情報です。

では、貸借対照表(バランスシート)からはわからないのか?

・・・

それが残念ながら、なかなか分からないのです・・。

なぜなら、広い経済的な壕を持つ企業は大きな無形資産を持っていますが、その大半がバランスシートに計上されていないからです。最初に引用した「経営財務」によれば、アップルやアマゾンの無形価値のうち、バランスシートに反映されているのは僅か1%程度とのこと。

これは会計上ののれんと経済的なのれんの話に通じるところがあります。

細かい会計処理なんて理解する必要ないです。知っているに越したことはない程度です。投資家は財務諸表を作れる必要はなく、読めればいいだけです。読むだけなら細かい簿記のスキルは不要です。

バランスシートも読めればいい。
バランスシートを作れるようになる必要なんて全くない。

だからこそ、、バランスシートを読めればいいだけだからこそ、バランスシートの特徴を知っておいて欲しいです。バランスシートにはブランド価値などの無形資産価値はほとんど計上されていません。オフバランス、簿外の状態です。

バランスシートはたくさんの情報が詰まっていて見る価値のある資料ですが、無形資産価値の大半が無視されているという事実は覚えておいて欲しいです。優良企業になればなるほど、オフバランスされている無形資産が多く存在します。

長期投資ではアップルやアマゾン、ジョンソン&ジョンソンといった超優良企業に投資することが多いはずです。それら優良銘柄のバランスシートの特徴をざっくりでも知っておくことはきっと有益だと思います。知識として。

PBRが高いことは優良企業の証です。