あなたが貴重な時間を割いて、時にはお金を払ってまでコンテンツを消費するのはそれが役に立つから、あるいは面白いからですよね。

「役に立つ」とはちょっと曖昧で人によって捉え方が違いそうですが、一般的に言って客観的な事実の報道がそれに該当すると思います。たとえば、「NYダウ工業株30種は2.9%高、ナスダック総合指数は2.7%高となりました。日中貿易戦争の緩和が投資家マインドを改善させました。」ってな感じです。

こういう事実の報道(いわゆるニュース)って毎日吸収するけど、読んでてワクワクはしないです。ただの客観的な事実の羅列ですから。ビジネスマンとして、投資家として知りたい情報だから読むけど、別に読んでて楽しくはない。ちょっとした義務感すらある。仕事、勉強の一環って感じかな。

読んでて楽しいなって思うのは主観的な意見です。作者独自の世界観。それを読んで役に立つってわけじゃないけど、「へえ、そんな考えもあるんだ~」って思えます。

新聞って基本的には客観的事実ばかりが書かれています。株価がどう動いたとか、GDPが・・とか、トヨタ自動車の業績が・・とかそういう話ばかりです。そういうもんです。起こった事件、事実を淡々と読者に伝えるのが新聞の第一義的な役割ですから。

でも、新聞の中にも主観的意見を述べているコーナーがあります。たとえば日経に「大機小機」ってコラムがあります。あれ、読んでて結構楽しいなと思うことが多いです。日経読むときは先ず「大機小機」の紙面を開いてしまいます。「大機小機」では、匿名のコラムニストがやや批判的に社会問題を論じています。あくまで、意見です。

意見に正しいも誤りもない。色んな価値観、意見があって当然。そういう意見を聞いても別に役に立つってわけじゃないです。実利はない。ただ他人の考え、発想を知ると、自分の視野が広がる感じがして楽しいです。

読者さんから「銘柄分析記事に期待してます。」「銘柄分析を興味深く読んでます。」っていうコメントをよく頂きます。これ意外だな~って思うんです。「米国株銘柄分析」は、自分の意見ではなく客観的事実を述べるカテゴリーと位置付けています。多少は自分の見解を混ぜる時もありますが、基本的には企業の業績と財政状態の情報を淡々と記載しているだけです。

だから、ちょっと不安になるんです。米国株銘柄分析の記事をちょくちょく上げていますけど、読者さんにとっては楽しくないかな~って不安に思いながら記事を上げています。

銘柄分析の記事って、読んでてもつまらなくないですか。役に立つけど面白くない。自分で「役に立つ」とか言ってますけど、別に自分の記事のクオリティが高いと自己満してるんじゃなくって、ただの客観的情報を載せているだけという意味です。

「役に立つ」って言っても、その銘柄への投資を真剣に考えている投資家にとってそうなだけであって、そうじゃなければ役に立たない上に面白くもないコンテンツになります。

まあ、銘柄分析の記事は自分の会計士としての強みが一番活かせる領域なので、これからも続けていきたいと思います。でも、銘柄分析の記事で面白さを出すのは無理だなって諦めています。ただの客観的事実ですから。新聞とそう変わらない。

逆に、主観的意見ばかり書いているのが「雑談」、「投資実務」カテゴリーかな。これは本当にただ自分が思っていることを書いてるだけ。自分の意見、価値観が役に立つなんて思ってないです。でも、こういう記事こそ気軽に楽しく読んでもらえるのかな~って思います。

どういう情報発信スタイルを目指すのかは人それぞれ。別に答えはないし、自由にやればいい。私はどちらかと言うと、役に立つコンテンツよりも楽しいコンテンツを目指したいです。

客観的事実よりも自分の考えをどんどん書いていきたいです。それは自分の意見を書く方が楽しいってもあるけど、ブログ戦略的に考えても客観的事実を書くのはライバルが強すぎるんです。新聞各社、ウォールストリートジャーナルなどがいます。それら大手メディアより、正確かつスピーディーに客観的事実をブログに書くのは能力的に無理です。何より、そんなコンテンツを作っても自分が楽しくない。

投資をテーマにブログ作って良かったなって思います。私は会計が専門ですが、投資は素人です。より価値あるコンテンツを作るには会計をテーマすべきだったなって後悔したこともあります。でも、やっぱり投資をテーマに選んで良かった、今はそう思ってます。

会計、簿記って過去の事実・取引を淡々と記帳する技術です。つまり、客観的事実の報道に近いんです。会計に関する「役に立つ」コンテンツは作れても、楽しいコンテンツを作るのは難しそう。

投資はわからない未来に賭けることなので、必然的に自分の意見を述べることになります。「ディフェンシブ株が有望だと思う」、「GAFAなどハイテク大手は有望だと思う」、「高配当株が好き」、こういうのは私の意見、価値観です。別にこれが絶対に正しいと思っているわけでもなく、ただ自分が考えていることを書いているだけです。

投資を語る上で客観的事実に言及するのは、過去のリターンや業績に関することくらい。投資判断に関しては主観的意見にならざるを得ない。そこがいい。書いてて楽しいです。投資はコンテンツテーマとして最高です。自分の投資履歴の記録にもなるし。

そんなわけで、これからも投資に関することはもちろん投資に関係ないことも、何でも思うことを好きに書いていきたいと思います。