若い頃、具体的には社会人になった22歳から28歳くらいまでは自分はほんとイキリ野郎だったなあと振り返って思います。
自分は頭が良くて周りより優秀だと思っていました。それは所謂「いい大学」を出て、しかも会計士も一発で合格し、1年目からそこそこ太い給料をもらえてたからだと思います。調子乗ってました。
人生観や価値観は人それぞれという発想もなく、自分の考えていることが絶対的に正しいという謎の自信を持っていました。今思うと何の実績もないくせに、一体その自信がどこから来るのか不思議で仕方ないです。
これは私だけの事象で一般論とは言えないかもしれませんが、これを若気のイキリと勝手に呼ぶことにします。誰もが通る道とまでは言いませんが、まあそんなに珍しいことでもないかなあと。
たまにいますよね、全能感に満ちたやる気のある若手社員って。ああいうやつでした。
若気のイキリはその名の通り、年を重ねると消えていきます。30代にもなると完全に消えます。30超えても実力不相応にイキってたら、それはちょっと自己客観視が足りてなさ過ぎて危険ですかね。
若気のイキリが消えていく一番の理由は、仕事にしろプライベートにしろ投資にしろなんにせよ、期待したほどの結果が出ないことが現実になるからです。悲惨な結果を目の前にして、「あ、自分は全く優秀じゃないんだな。」と気づくわけです。
自分なりに勉強して考え、選択した個別銘柄なら市場平均より儲かるはずと確信するも、株価は右肩下がりが続く。それでも「配当再投資を通じて長期では!」とイキるも、確信は持てないし、そんな20年30年も先のことなんて考えることできないしとなって結局損切り。
わかりやすく株式投資で若気のイキリの実例を出すとこんな感じです。仕事も恋愛も似たような失敗を犯します。
大して能力もないのに、謙虚さの欠片もなく調子に乗ってる奴が人生うまくいくことは稀ですから、だいたいはこうやって挫折して若気のイキリフェーズを終えていきます。
そして、自分の考えが正しいという発想は消え、何を幸せに感じるかは人それぞれ、人生の正解も人それぞれ、という当然の結論に帰着していきます。
若気のイキリは悪いことばかりではありません。自分を客観視できずに、イキっていられるのって楽しいんですよね。なんせ有能感の塊みたいなものですから。
情報発信にも熱が入ります。自分の考えが絶対に正しいと信じて疑わず、それを「世間に教えてやりたい!」と考えるまでに至るからです。自分の言うとおりにやればあなたも人生うまくいくよ、と言わんばかりなのです笑。
今振り返れば、あの時はあの時で楽しかったです。
世の中に絶対の正解はないとわかっている今となっても、自分の意見というのはあるわけで、それを発信することに価値はあると思っています。自分の意見を言わないと個人ブログなんて完全無価値ですし。
でも、それはあくまで自分の一意見、ポジショントークであって一般解、絶対解だという思いは全くありません。共感する人もいれば共感しない人もいるとわかっています。それでも、せっかくブログをやっているので自分の考えを淡々と書くのみです。
若気のイキリというのは自分に酔っている状態です。酒に酔っていると嫌なことを忘れられて気持ちいいですよね。それと似たようなものです。
酔いは時間が経つと冷めますが、また酒に酔いたかったらビールやワイン、日本酒を口に流し込めばいいです。
でも、また自分に酔いたいと思ってもそれはどうあがいても無理です。今となっては若気のイキリが懐かしく思えます。
すごく素敵な文章、尊敬します…!
イキリは後から考えると痛々しく感じるけど、そう感じるようになる客観性とイキリ全能感はトレードオフですよね。
そう考えている今ですら50歳くらいになると「あのときは客観的に見れているイキリだったなぁ…」と感じるようになるのかもしれませんね…。(終わりなし)
おっしゃる通り、客観視力とイキリ全能感はトレードオフだと思います。
社会で自律自立していく上では、前者が絶対に必要なので、必然イキリは消えていきますね。
わかります!
私もあと10年20年後に今の自分をどう振り返るんだろうか、とたまに思います。
自分も若気のイキリ倒してました!根拠も実績もない自信、謎の万能感、もはや誇大妄想患者の域でしたが、仰る通りそれが楽しかったんですよねー。
今回の記事は100万回頷きの上位互換のヘドバンです。
私だけの現象ではなくてなんだか安心しました!
年を重ねると何事も客観的に見るようになり、新しいこともなくなり、時間が経つのが早いです。
20代はそれなりに長かった気がしましたが、30代はもうあっという間に折り返し地点です。