配当利回りの高いブルーチップを長期に保有することが長期投資の大原則です。

バンガードやブラックロックなどが配当に着目したスマートベータETFを販売しています。

シーゲル流の株式投資を志す投資家にとって、特に私のような投資初心者にとっては個別銘柄よりもETFの方が安心して購入できます。

個別銘柄はうまく運用すればETFを超えるリターンが期待できるでしょうが、適切なリスクをとりつつも手堅く運用したい投資家にはETFがお勧めです。

高配当に着目したETFは複数ありますが、今回紹介するETFは”好”配当なETFです。

高と好はどう違うのかいまいちわからないのですが(笑)、配当に着目したETFということでご紹介します。

iシェアーズ好配当株式ETF(DVY)です。

DVYがどんなETFなのかご紹介します。

  DVYはこんなETF

概要

継続的に配当し、比較的高配当の米国株式で構成される指数と同等の投資成果を目指しています。

 

経費率

0.39%

世の中に存在する不要な金融商品に比べればかなり良心的な経費率ですが、バンガード等の商品と比べるとやや割高な率です。

ただ、経費率のみを以って投資判断×にするほどではありません。

先を見ましょう。

 

組入銘柄数

92銘柄

特に問題ない水準。しっかり分散投資できています。

 

上位構成銘柄

ティッカー 銘柄名 比率
LMT ロッキード・マーチン 3.96%
CME CMEグループ 3.27%
CVX シェブロン 2.45%
OKE ONEOK 2.42%
PM フィリップモリス 2.28%
NEE ネクステラ・エナジー 2.04%
ETR エクセル・エナジー 1.95%
CAT キャタピラー 1.91%
KMB キンバリー・クラーク 1.86%
MCD マクドナルド 1.85%
SRE センプラ・エナジー 1.79%
PKG パッケージング・コープ・オブ・アメリカ 1.74%
TUP タッパーウェア・ブランズ 1.71%
DTE DTEエナジー 1.70%
OXY オキシデンタル石油 1.68%
D ドミニオン・リソーシズ 1.59%
GPC ジェニュイン・パーツ 1.49%
PNW ピナクル・ウェスト・キャピタル 1.48%
STX シーゲイト・テクノロジー 1.44%
LNT アライアント・エナジー 1.40%
NUS ニュー・スキン・エンタープライズ 1.40%
PCAR パッカー 1.39%
HP ヘルマリック・アンド・ペイン 1.39%
SCG スキャナ 1.36%
GRMN ガーミン 1.34%

上位10社構成割合:24%
上位25社構成割合:47%

トップのロッキードマーチンはアメリカ政府を顧客に持つ軍用機メーカーです。戦闘機や軍用輸送機、ミサイル防衛システムを販売しています。

参考記事
【LMT銘柄分析】ロッキード・マーチンは米政府御用達の軍用機メーカー

2位のCMEグループは、先物オプション市場の運営会社でシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)等を保有しています。S&P100にも入っていない売上規模の小さな会社ですが、比較的配当利回りは高く構成銘柄に選出されているようです。といっても直近の配当利回りは2.4%ほどです。

そのほか、米国株投資家お馴染みの銘柄であるシェブロンやフィリップモリス、ネクステラ・エナジーなどがあります。

DVYの特徴として電力会社等の公益事業会社が多いことが挙げられます。

 

セクター別構成割合

セクター別の構成割合は以下の通りです。

セクター 比率
公益事業 30.0%
金融 13.9%
資本財・サービス 12.0%
一般消費財・サービス 11.3%
生活必需品 9.3%
エネルギー 9.0%
素材 6.8%
ヘルスケア 3.1%
電気通信 2.1%
情報技術 2.1%

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公益事業セクターの割合が高いことが大きな特徴です。

公益事業は電力・ガスなど生活に必須なインフラを提供しており今後も継続して安定したキャッシュフローが見込まれます。

個人的にはやや公益事業に偏りすぎて、バランスの悪いセクター構成に思えます。生活必需品やエネルギーの割合が低いのも気になります。

売買回転率

21%

売買回転率が高いと手数料と税金が無駄に発生してしまう可能性が高いので、なるべく低いほうが望ましいです。

21%という数字はインデックス型のETFと比べると高いですが、高配当系ETFの中では標準的な水準です。

 

分配金利回り

3.1%

分配金利回りは合格レベルだと思います。

昨今は低金利で株式の配当利回りも下落している中、3.1%は比較的高配当を維持できています。

 

過去10年リターン

6.35%(配当込み)

同期間のS&P500のリターン(配当込み)の7.19%を下回っていました。

2016年公益事業セクターは最も高パフォーマンスだったので、2016年度YTDで見るとDVYはS&P500を大きく超えるリターンとなっています。しかし、過去10年で見ると結果は悪かったようです。

経費率も影響しているでしょう。

 

  DVYはサテライト

好配当という珍しい名称のETFということで、ポートフォリオでの扱いもコアではなくサテライトとしての扱いにしかできないかな、というのが個人的な感想です。

経費率が相対的に高く、セクター構成割合も公益事業に偏り過ぎている感があります。

公益事業セクターは安定した収益がほぼ約束されており、配当利回りも高いので将来有望な可能性はありますが、将来はわかりません。

せっかくETFを使って高配当銘柄に投資するのであれば、セクターは適度に分散されていたほうが好ましいと思います。

DVYは公益事業セクターに強く魅力を感じており、かつ高配当な銘柄に投資した人に向いている商品でしょう。

私は公益事業セクターに結構期待しているのですが、まだ確信はありません。

今のところ、このDVYに投資する予定はありません。