自社株買いを利用して自らのストックオプションの価値を高めるなど、自社株買いを乱用しているケースもある。

バロンズ


これ、自社株買いの弊害です。

配当は既存株主のみに現金を配るだけですから、別にストックオプションの価値は変わりません。むしろ配当落ちでオプション価値は減るくらいです。

一方で、自社株買いは既存株主だけでなくストックオプション保持者にも恩恵があります。米国企業が積極的に自社株買いするのは、既存株主への還元のためもありますが、経営者が自分が持っているオプション価値を上げたいからというのもあります。

この辺が報酬制度による内部統制の難しいところです。経営者にストックオプションを付与すれば万事解決といった簡単な問題ではないです。ストックオプションを付与しても、株主と経営者の利害は完全には一致しません。

まあ、完璧な統制システムなんて存在しませんね。株式投資とは経営者と従業員を信じてお金を未来に投じることです。基本的には経営者の誠実さを信じることが大切だと思います。信じる力なくして長期投資は不可能です。ストックオプションにはデメリットもありますが、メリットの方が大きいと思ってます。